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13/5/14

招待券無しでTEDxTokyo2013に参加した話

Image by Olia Gozha

5月11日、1+1=11になった。



5月11日に渋谷ヒカリエで開催されたTEDxTokyo2013に参加してきました。


TEDとはTechnology, Entertainment, Designの頭文字からきたアメリカ発祥の講演会で、様々な分野の人々が自らの「広める価値のあるアイデア」を共有するためのもの。

有名どころでは、ビル・ゲイツ、アル・ゴア、ビル・クリントン、マイケル・サンデル等が登壇しています。


そして、この東京バージョンがTEDxTokyoというわけです。


今回のイベントでは30名以上の登壇者がいました。

つまり、普通にトーク(講演)を一日中聞いていても、

30個以上のアイデアが得られるわけです。


講演者は勿論すごい方々ばかりですが、

このTEDというイベント、聴衆も凄いんです。


周りを見ると・・


シリコンバレーの某投資家やVOGUE JAPAN創刊に関わった方など、

様々な著名人がみえました。


そんな中、ふと振り返ると、どこで見たことがある顔が。

何回チラ見しても、やっぱり見たことがある。

しかも最近見たような・・・

まさかと思って名札を目を向けてみると・・・BLACKの文字!


そのまさかが当たりました。

本家TED2013に登壇したBLACKさんでした。


ちょうどコーヒー待ちの列で前後だったので、

お話をさせてもらうことができました!

(コーヒー待ちの列での会話の一部始終)

「BLACKさん、もちろん今日もヨーヨーあるんですよね?見せてくださいよ~」

BLACKさん「残念ながら今日は持ってきてないんだ。今回の主役は僕じゃないからね!」


カッコよすぎです、BLACKさん。

最後にはバッチリ握手もしてもらいました。

(BLACKさんのトーク&演技はted.comに載っていますので是非見てください)


招待券?


さてさて、こんなVIPな雰囲気のTEDxTokyoに参加したわけですが、実は僕、招待券なんて持っていませんでした!!!


というか席数は400しかないので招待券を得るのは相当困難なんです。


そんな僕がどうやってこのVIP会場に乗り込んだのか。


この日は、元々、パブリックビューイングに参加しに来たんです。

パブリックビューイング(以下PV)とはTEDxTokyo主催の公式イベントであり、本会場には入れないが、同じヒカリエ内の一区間で、スクリーンを通してTEDxTokyoを観るという企画。

ただし、4セッションある内の1セッション、時間的には1時間半しか居れないという制約があり、僕はSession 1 の時間をもらいました。


PVはこんな感じ


こんな風にスクリーンを通して鑑賞していました。


この企画もTEDxTokyo主催の公式イベントなので、TEDにそれとなく参加している雰囲気を割と楽しんでいました(撮影もあり得るとも示唆されてたしw)

トークの始まりと終わりにはスクリーン越しでも皆で拍手を送っていた感じです。


一つ不思議に思ったのが、

講演者は日本人で日本語を喋っているのに、PV会場での音声は全部英語に通訳されていたこと・・


その場にいたほとんどの方が LOL という感じを醸し出していました(笑)


東京版クリス・アンダーソンが現れた!


こんな感じにトークを楽しんでいました。


トークの最中、

みんな、登壇者の放つ一言一言に大集中しています。



すると後ろからこっそりと・・



なんと、

TEDxTokyo創始者、Patrick Newell氏がPV会場にやってきたんです!!


いわばTEDという文化を日本に運んできた方な訳で、

生で彼を見れただけでテンションが上がってしまいます。


TEDxTokyo2013のキュレーター(司会者)も彼がやっていたんで、

PV会場に姿を現したときは、「なんでいるの?」とみんな大騒ぎ!


言ってしまえば彼は東京のChris Andersonみたいな感じですからねー



そんなPatrickさん、前にやってきたかと思うといきなり声を上げ



"Does anyone want to speak out an idea worth spreading to the audience?" 

(通訳者)この中で広めるべき価値のあるアイデアを話したい人はいますか?


みんな 「シーーーン」


"I need five people in this room to speak out from here to the audience in the venue, within one minute"

(通訳者)5人前に出てきて、この場所から本会場にいる聴衆の皆に向かって話してください。1分以内でお願いします。


(ビデオカメラを向けられる)

このカメラを通して本会場側のスクリーンに映し出されるようだ。


"Anyone?"

(通訳者)だれかいませんか?


もちろんPV会場からスピーチするなんて誰も聞いていないので、

みんな唖然としていた。



Patrickさんと目が合った最前列にいた二十歳くらいの女の子がまず召喚され、

次へ次へと3人出てきた。


そんなこんなしている内に、ふと我に返って思った、

自分には「広める価値のあるアイデア」がないのか?


TEDはアイデアを共有することが目的。

何も持っていないんなら、もしTED本会場に行けたとしても自分は何もできない。

3秒目を瞑ってみた。


・・よし、やってやろう。


そう決心して、立ち上がった。


その時点では話す内容は特に決めていなかった。

なので、最初の女の子が何を話すのだろうと耳を傾けていた。


彼女はまだ10代の高校生で「大学に入って◯◯をしたい」ようなことを言っていた。

次の人は外国国籍の方で「NPOをやってます」的な内容。


いよいよ次の次に順番が近づいてきたので改めて内容を考える。


広める価値のあるアイデア・・・よし。


そしてカメラの奥の聴衆に向かって、またPV会場の皆に向かって話した。


簡単に自己紹介をした後、

TEDが素晴らしいということ、

これを共有したいと思って数年前からTED Translator として活動を始めたこと、

この場にいれて光栄だということをまず伝えた。


そして・・・




「日本でも最近TEDが流行ってきています。東京や京都、そして最近では福岡や東北でもTEDイベントがあります。でもなぜか日本の中心、名古屋ではまだ開催されていません。それならやるしかない!ということでこの秋、初めて名古屋でTEDイベントを行います。盛り上げていくのでご支援よろしくお願いします。」



1分で伝える広める価値のあるアイデアはコレだ!と思って伝えました。



スクリーン越しの反応はどうだったか分かりませんが、

PV会場では拍手と笑顔を見ることができました。



話を終えて席に戻ろうとするとPatrickさんが小声で話しかけてきました。


"You stay here and come with me after this,ok?"

(ここにいて、後でついてきてね)


5つの広める価値のあるアイデアの発表が終わり、

僕はPatrickさんについていきました。


翻訳のことや名古屋でのTEDイベントについて話しながら、

上の階まで上がっていくと、


彼は受付担当者に言ったんです。


"I want him to be in"

(彼を中に入れてあげてくれ)


!!!


こうして招待状も持っていなかった僕が、TEDx2013の本会場に入れてしまったわけです。


もちろん名札なんて用意されているはずもなく、

スタッフ用のカードにシールを貼って特別に作ってもらいました(笑)


Ideas worth spreading


会場の雰囲気を初めて経験し、

改めてTEDっていいなと思いました。


隣に座っている人とでも簡単に繋がれるし、

何よりアイデアを共有することができる。


実際、僕がスクリーンを通して喋っていたことは多くの方々に記憶してもらっていて、


「さっき画面で喋っていた人ですよね?」

とか

「名古屋のやつ頑張ってください」

とか

「ぜひ協力させていただきたいです」

とか

"Hey I remember you. Long time no see. How have you been?" 

以前お会いした経営者の方とばったり会いました(笑)



また、知らない方々と色々お話させていただく中で、

TEDって講演会だけじゃないんだなと学びました!


というのも登壇者だけではなく、参加者も皆、

「広める価値のあるアイデア」をもっているんです。



これってすごくないですか?

参加者400人ということはアイデアが単体で400あるわけですよ!

そしてアイデアはミックスされて何ぼのものなんで、

とんでもない数のアイデアが生まれる可能性がありますよね。



これは個人的な意見ですが、

TEDの本当の素晴らしさって


広める価値のあるアイデア×広める価値のあるアイデア×広める価値のあるアイデア×広める価値のあるアイデア×・・・


によって生まれる新しいアイデアの創出にあるのかなと思いました。


行動、行動、行動。


今回をきっかけに行動力って本当に必要だなと実感しました。

あのとき、勇気を出して立ち上がって皆に語らなければ、

この体験は得られなかったわけです。


また、ご察しの通り、僕は愛知県に住んでいます。

名古屋でTEDイベントをやりたいと言っているくらいですからね。


実はこのTEDxTokyo2013、トークがオンラインでライブ中継されていたんですよ。

つまり、ネット環境さえあれば誰でも家で見れたわけです。

もちろんこのことは重々承知でした。

でも、僕は敢えて会場に行くことを決断したんです。


結局、TEDxTokyoの聴衆皆に向かってアイデアを共有できたのも、

PV会場で立ち上がることを決心した以前に、

渋谷ヒカリエに行く選択を取ったからこそできたことなんです。


つまり最初の一歩が肝心ってことですね。


小さな一歩がゆくゆくは本当に大きな変化を呼び起こす、

こういうのをバタフライエフェクトって言うんですよね!

行動あるのみです。

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