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17/2/15

介護嫁のぼっけえ毎日 助けてくれ!はこっちのセリフ

Image by Olia Gozha

術後3日目には座れるようになり、4日目にはベッドサイドに立ち、5日目には足踏みまで出来るようになりました。

驚異の回復力を見せる熊さんです。


が!肉体は順調なんですが、脳が・・・危険な状態に陥り、ほぼ毎日パニックを起こし看護師さん達にご迷惑をおかけしています。

私も2度ほど病院から呼び出しを受けました。

毎日、仕事帰りに病院に行っているんですが、術後2日目に

熊さん「今日は外で祭りをしとんか?一日中賑やかじゃったで。フランスの祭りか?」

熊さんの病室は5階なのに、フランスの国旗をつけた山車が行ったり来たりしているのが見えたと・・・

なつこ「祭りなんかしてないよ。ほら!」

とブラインドを上げて見せて、その時は話を流しました。


その翌日、病院から呼び出しが。

看護師さん「お父様がパニックを起こしていますので、顔を見せてあげてもらえませんか」

駆けつけた時の熊さんの第一声は

「なっちゃんよ!110番せえ!この病院におったら殺される!助けてくれー!」

看護師さんに両手を押さえつけられている熊さんの顔は、目の色が変わり、完全にイってました。

熊さんの訴えによると、自分の頭の真上で脚立に乗った塗装工が二人、赤いペンキを塗り続けている・・と

やめろ!と言ってもやめてくれない。工事を発注した責任者を出せ!・・・と

なつこ「わかった。私が責任者に言うてくるから!」

私は病室を出て、数分後に戻り

「この部屋の塗装工事はもう終わったんじゃって。次の部屋に行ったからもう大丈夫。工事の人おらんじゃろ?」

優しく言うと、納得しておとなしくなった熊さん。はあ・・まったく!手がかかるったら!


落ち着いてからも

足元で若い看護師が部長先生に怒られてずっと泣いてる・・とか

天井の模様が時間によって変わり、今は漢文が流れている・・3時になったら動物園に変わり猿がお尻を向けて尻尾を振っている・・5時になったら花見宴会が始まり、10時になったら歴代の総理大臣の遺影が流れる・・とか

意味不明な幻覚を真顔で私に訴えていました。

私が帰ろうとすると、再びスイッチが入り「部屋を替えろ!」騒ぎながら体に入っている管を抜こうとする熊さん。

それを見た看護師さんが、本人が納得するならと部屋を替えてくれました。


今日も

熊さん「ハルオがのぅ。死んどんのにわざわざ来てくれたんじゃ。へぇのに遠慮して部屋に入って来んかったんじゃ。」

と、2年前に亡くなった友人がお見舞いに来てくれたのに病室には入ってこなかったと。

ハルオさん!いっそのこと一緒に連れて行ってくれればよかったのに・・まったく!

助けてくれ!はこっちのセリフだぜ!!



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