スタートアップウィークエンドとは?
スタートアップウィークエンドは全世界の主要都市で行われている3日間がっつり「スタート
アップをやってみよう!っていうNPO運営のイベントです。参加費は7食付いて9000円。
今回は2013年5月10日(金)~12日(日)に行われました。
会場は@渋谷のサイバーエージェントの13F会議室。
今回、100名以上収容できるスペースを無償で解放してくれました。intelyの渡辺さん含め、関係者の皆様、ありがとうございました!

3日間「スタートアップ」をやるということ
「スタートアップ」は、「企画」や「ビジネスプランコンテスト」とは違います。
運営の李さんが閉会の挨拶でこんなことを述べていました。
「ほとんどのチームはスタートアップをしていなかった」
このコメントの意図を私なりに3つ例を交えて説明したいと思います。
プレゼンで勝つことを目標に定めると「スタートアップ」ではなくなる
プレゼンで勝つことを目標に定めると、都合の良いファクトを集め始めてしまいます。
例えば、アンケートを取るとしましょう。 今回も多くのチームがアンケートという仮説検証方法を採用していました。僕のところにも、アンケートを取るために数チームがやってきました。
ですが、誰ひとりとして顧客開発責任者ではありませんでした。
アンケートを取る際に、“問い”が発せられていないんですよ。
「あなたは顧客ですか?なぜ顧客なのですか?」という“問い”。
「顧客と非顧客を分ける境界条件は何なのか?」という“問い”。
アンケートに対して、私は顧客だったケースも、非顧客だったケースもありました。
ちょっと誇張になりますが、こんな感じなんですよ。
ⅰ)顧客だったケース
質問「サラダボウルにいくら払いますか?」
私「(選択肢を見て)う~ん、500円くらいかなぁ?」
質問「ありがとうございます。次の質問なんですが・・・」
おいおい、顧客が見つかったんですよ。オマエサン、顧客が見つかったんですよ!!!!
500円払ってくれるかもしれない顧客が見つかったんですよ!!!!
なのに、なんで、次の質問やねんw
「500円をなぜ支払ってくれるのか?」
「なぜ500円なのか?」
もっと深追いせんかい。 折角対面でコミュニケーションしてるんやから、“問い”を発し続けんかい。
深追いするとこういうことが聞けるかもしれないんです。
「三十路近くになったんで、やっぱ健康のこと、気使い始めましたねー。健康というよりお腹のあたりが気になり始めたんで、ダイエットしようと思い始めたんですわ。普段は、自分で亦く作らない全外食派なので、どうしてもカロリーが高くなってしまう。
今までは食べたいものを食べてたんですけど、最近、カロリーを考え始めましてね。カロリー考え始めると、カロリーに対する満足度という基準で食を選ぶようになるんですけど。一日2000kcalしか取れないので、その中で何食べれば満足度最大化するんだ?って考えるようになるんですよ。スナック菓子で350kcal、500mlのコーヒー飲料で250kcal、このあたりは満足度/calが低いんで、摂取しなくなりましたねー。
そういう基準を導入したら、SubwayがNo.1の選択肢になったんですよ。 大体、1つのサンドが300kcal~350kcal程度なんですけど、毎日得サブのメニューがあって、320円なんですね。高いサンドだと400円後半まであります。パンが付いてるからそれなりに腹が膨れる。食べ応えあります。ただ、野菜はそれなりに入ってるんですが、そんなにガッツリというわけではないので、たまに野菜多めに食べたくなる時はありますね。サブウェイのサンドの3倍、野菜入ってて、野菜のバリエーションも色々あって、500円だったら払いますね」
というあたりで、
値決めの基準(Subwayとの比較)
カロリーに対する満足度という基準
野菜に対するニーズ
が聞けたかもしれないんですね。これが全てではなく、私は、理屈っぽい&事業の意義とか
に共感して価値を感じる社会派の顧客タイプなんで、その点考慮に入れる必要あるんです
けども。
こういった、顧客/非顧客を深く知るということが、顧客開発の仕事であって、アンケートな
んてのは、人とコミュニケーションする際のExucuseでしかないのに、アンケートが目的化し
ちゃてたら、アンケートする側が“問い”を発していなければ、もう、それはスタートアップじゃ
ない。
「企画」だったらいいんですよ。予算確保することがまず目的なんだから、最悪、詳細は企画
通ってから考えたらいい。決裁者の判断基準に照らし合わせて、ササる構成、ササるファク
ト集めの方法を実践しさえすればOK。 ま、決裁者は顧客じゃないと思うんで、顧客じゃな
い人に「いいね!」と言ってもらってもほとんど意味ないんすけどね。
つまり、こういうことなんです。真実に向き合わず、世の中から都合の良いファクトだけを持
ってくるのも、スタートアップの成功にとってはほぼ意味がないんです。 審査員を喜ばせる
ことはゴールじゃない。
顧客開発責任者は、顧客を見つけて、彼らにとってのバリューを特定し、そのバリューを提
供するために、自社の経営資源の持ち方を大幅に変更するまであります。
ルイヴィトンは、正社員がレベルの高い接客をして、顧客接点での満足度を最大化します。
一方、ガソリンスタンドは無人のセルフスタンドなんてのを用意して、とにかく安い価格でサ
ービス提供しようとします。
QBハウスの例なんかもよく出てきますよね。髪は洗ってくれません。が、10分で出てこれま
す。
フレームワークとしては、元BCG社長で今は早稲田で教えてる内田和成先生の
「デコンストラクション」というコンセプトが役に経ちます。
なんか、スタートアップウィークエンドのテンションなので文章が長くなりすぎる。
もうちょっと付き合って下さいw
ⅱ)非顧客の場合
非顧客だからと言って、落胆する必要は全くないんですよ。
他のチームのアンケートで、creww的なサービスを考案していたチームがあるんですけど、
「スタートアップのメンバー集めるサービスで、メンバーと会うのにお金払いますか?」
という質問があったんです。
「う~ん、それにはお金払わないですね。ニーズは感じるんですけど、恋愛以外で人に会うのにお金払うっていう経験がないんで。0円ですねー。 それに、30人会って、1人スペック的にも環境的にもマッチする人が見つかるってくらいじゃないですかー。 Facebookでもコーヒーミーティングでも、コンタクト/アポは取れますし。」
と言うと、アンケートする側が、なんか落胆してる感じ。
creww系のサービスをインタビューするのであれば、僕からこういう情報を引き出せた可能性はありました。
スタートアップをやってるのでメンバーは探している
ランダムだと30人会って1人、スペック的にも環境的にもマッチする人がいるだろうという感覚
Facebookやtiwtterでメッセージを送って週に数人には会っている。こちらは選別をするので1/30より確率は高い。
一緒に、最高のプロダクト作ろうぜ!っていう挑戦が出来る人であれば、ピンポイントにこの人!ってのを紹介してくれた人には10万くらい払ってもいい。ビジョンへの共感がまず、何よりも大事。スペックではない。
人材紹介会社は使わない。年収の30%は高いし、年収は現状維持難しいから。
テキトーに10人紹介されて、もし見つかったら10万頂戴ねという五月雨方式は嫌。その体験であれば、Facebook/twitterで再現できるので。この体験が劇的に変わるのであればお金を払っても全然OK.
crewwには登録してる。今の段階では満足いく価値が受け取れていない
crewwが使いにくいのは同意。でも改善改善を重ねてるのは実感している。将来性には期待している。
この種のサービスはアーキテクチャ/文化に関する発明が必要だと思ってる。Facebook上でみんないい子ちゃんとして振る舞うように。 どうすれば人と人を繋げられるか?に関して考え抜くことが必要。 アーキテクトの仕事? あるいは、SWTのように超優秀なイベンターがいれば可能?
ビジネスモデル云々ではなく、まずその価値を如何に生み出すか?が重要だと思う。二度目になるが、Facebook/twitterでの体験は10人に1人会って、仲間が見つかればいいなーくらいの感覚。
そこを超えられるのであれば、お金を払ってもいいとは思う。
今の段階ではお金を払うつもりはない。 価値を見せられないと、金を払う価値があるものなのか、判断できない。
ソーシャルパワーが無い人間が、Facebook/twitter経由でメッセージ送っても、「アイデア厨乙www」ということになるのが大半。 日本人は「ソト」の人に対して厳しい民族なので、うまいコラボレーションのさせ方、人と人の繋げ方に関する発明には意義がある
日本でのハスラーの立場ってのは弱い。ハスラーの僕らからすると、顧客開発を真剣に考えない、気難しい技術命のエンジニアは僕らと組むとめっちゃ得する、お互いの足りない部分を最効率で補い合う、最高のコラボレーションに繋がると思ったりもするんだけど、基本、自分が最も分からない領域、自分が見えてない領域の価値は評価しようが無いので、お互いdisってる状態はなかなか解消されないとは思う。実際アイデア厨は多い。
それで言うと、このstorys.jpみたいな、物語で人が分かるサービスのアーキテクチャには可能性があるんじゃないかと思ってる。スタートアップやりたいなと思ってるエンジニアが、僕のストーリー見てくれて、「アイデア厨じゃない、面白いヤツやなぁ、声かけてみるべか」と思ってくれたら、良いコミュニケーションが生まれるだろうという仮説。
お金を払わないだろうという意味では非顧客である。
金払わないというアンケート結果だから落胆ということではマインドセット、ダメです。
非顧客が顧客になるにはどういうハードルがあるか、それを特定しなきゃ。
やってるゲームを変えないといけないんです。
・アイデアを肯定するファクトが見つかる⇒喜び
・アイデアを否定するファクトが見つかる⇒落胆
ではなくて、
・顧客を見つける
顧客/非顧客について深く知る。
僕みたいに言語化得意な人であれば、非顧客でもあれこれ聞いてみるといいでしょう。
ただ、サービスによっては、マジョリティは、なんとなくで決めることが多いというのも頭に
入れておかなくてはいけませんけどね。
・アプリの絵がかわいかったからー
・みんなが使ってるからー
・うーん、難しいことは分かんないけどー、なんとなく?
価値がどうだ!と堅い頭でやってると、そこらへんは拾いきれません。
ただ、そういった曖昧な情報も、仮説に変換して検証する必要があるケースもあって、それ
は科学的にやらないといけないみたいな話もありそうです。
コミュニティファクトリーの松本さんとかは、この間、「あのカワイイでいきましょう」みたいに、カワイイという言葉を分解してる的な話をしていました。
・カワイイA
・カワイイB
・カワイイC
このユーザー層にはカワイイCがササるんじゃない?みたいな感じなのかな。
カワイイという価値も深く深く、理解する=分ける、ということをやると、そういうことになって
いくみたいですよ。
ゲームの世界とかは既にそういうことになってますね。ゲーム性の分類が、脳の報酬系と関
連で語られている。
これなんかがそれですね。 でも、研究者になるのではないから、ここまでやるのは起業家としてはtoo muchですけどね。
そういう役割を担うのは、起業家が作り上げたモデルを最適化するフェーズで出てくる人達です。起業家のスキルセットとは違う。
さて、最後の話にいきましょう。
ⅲ)審査員の場合
審査員がぴったり顧客であるケースもありますけど、大半は顧客じゃないですよ。
審査員もかわいそうで、どのプランに対しても何か言わないといけないという役割を与えられ
ているから、「ダメ出しというか視点出しの質問」を色々してたと思うんですけど、大抵のプラ
ンに対して「分からない」が正直なところだと思うんですよ。
予測に関しては最も秀逸なエントリーを載せておきます。
http://www.seojapan.com/blog/startup-predictions
ニーズがない非顧客は当然いるんだから、その理由が分かればそれでいいんですよ。 そ
の人たちは顧客として取り込みに行かなくてもOKでしょう。
そして、実際に自分事になってみないと、そのプロダクト/サービスを買うのかどうか?と
いう判断基準を因数分解して、上に乗せたSubwayの話みたいなことを深く考えたり、日々
の生活の中に選択肢を探してみたりしないので、あんまり、意見は参考にならない。
審査員の方々は実績もあり、優秀ですし、彼らの疑問/質問は鋭いんですけど、単にそれ
らに対して、仮説や方針を持っておけばいいだけで、彼らの評価はどうでもいいんです。
メディアの人となるとまた付き合い方変わってくるんでしょうけど。
僕らの「レコメン」というサービスに対して、審査員の方々の反応はこんな感じでした。
ⅰ)「結婚相手を相談するだなんて、40中頃の私の周りの人達にそんな提案したら殺されますよ」
この感想が我々に与えてくれるヒントは、「ターゲットとする年齢層、ちゃんと考えたんです
か?」です。
女性で言えば、我々のMVPによる実験において、20代中頃~30代中頃あたりのユーザー
にニーズを見つけることが出来ました。まずはそこらへんがボリュームゾーンではないかと思
います。
これから、夏に向けて、飲み会セッティング頑張りますw
誰が顧客になり得るか、実験をこれからも続けて行くのでOKです。あの時間内では検証
出来なかったのですが、40代ではあまりヒットしないんじゃないかなという仮説は持ってま
す。それも確かめなければなりませんね。これから。
ⅱ)「私の娘には使わせられないですね。悪意は存在するでしょうから」
これは、Facebook上では、みんないい子ちゃんとして振る舞っている点や、2chで誹謗中傷
がたくさん集まった板もある点などを考えてみるといいと思います。
アーキテクチャや文化の作り方によって、悪意ある行動を引き出しやすくなる、というのがあ
ります。
逆に、いい人部分を引き出しやすいサービスというのも作ることが出来ます。
クックパッドなんかは、そういう点で物凄く優れているし、ジャックマーが最近引退コメント
で言ってましたが、タオバオやアリババなんていう、あれだけ普及したサービスにおいて、自
分の利に寄せることが大好きな中国人がネット経由で信頼をベースにした取引がやれてる
んですよ。これは恐るべきことです。
あるいは、カウチサーフィンが善意のやり取りを生み出すプラットフォームとして成功している
という事例もあります。
悪意は、やり方次第では、最大限に減らすことができるかもしれません。
比較の問題になりますが、レコメンは、既存のいずれの出会いよりも、信頼性の高い出会い
を生みだすプラットフォームになる可能性もあります。
人と会う以上、リスク0は無理ですね。
友達経由の出会いだからといって、紹介した男が二股しないとも限りません。
自身が紹介した女性に対して、二股する不誠実な男は、絶交しますけど。
僕を利用してそういうことをする男がいないとも限りません。
運営してる中で、そういったトラブルは、確率論的に発生してくるでしょう。
どういうアーキテクチャであれば、ルーリングであれば、そういったトラブルの発生確率を
減らしていけるのか? それは、継続的な改善にかかってくるでしょう。
なので、ⅱ)のコメントはこういう風に捉えておけばいいのです。
「悪意が表出しにくくする仕組みは考えてますか?文化作りとして何をしますか?どういうア
ーキテクチャを選択すればそれが可能になりますか?継続的に改善していくチームをどのよ
うにビルドしますか?(もちろん常駐チームを用意するならば、費用がかかります。どの程度
ケア出来るかは売上とのバランスで考えなければなりませんよ)」
このあたりは李さんが言ってた、ビジネスモデルまで考えられてないでしょ!という部分です
が、5分のプレゼンで盛り込むのは無理なのと。
フレームワークに沿って、3日という限られた時間を、それぞれの要素にバランス良いリソー
ス配分をすることは捨てて、顧客開発の部分に、全精力つぎ込んだわけで、そこらへんが
我々の判断でした。
「スタートアップする」というのは我々にとってはそういうことだったんですね。
スタートアップをやるということ
「スタートアップ」は、常識を疑い、自分達の目で、足で、何がうまくいくのか?を徹底的に追
求し、因果律を見つけ、それを再現可能な仕組みとして実装していく、そういう試みです。
面白いです。
ただ、しんどいです。
スタートアップは、主に投資や、エクセレントなことをやるための人というリソースを先にがっ
つり集める以上、急成長しなければならないという運命を背負うので、ワークライフバランス
とか言ってられなくなる。
前にブログにも書きましたが、この3日間の盛り上がりというのは、リアルなスタートアップ
とは違うんですね。
以下引用
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
【ビジコンは茶番】
最近スタートアップ界隈が盛り上がっています。
新しい何かを発想するというのは、本来的に物凄く楽しいものです。
Startup Weekend的なイベントが流行っておりまして、週末3日ほどで8000円くらいの料金設定なのですが、毎回定員が埋まるという状況になっているようです。
また、賞金付きのビジコンも、結構開催されておりまして。プランが数百集まるものもあります。
そういった遊びは楽しい。
ですが、所詮遊びです。
といいますのも・・・そういった楽しい時間は事業作りの1%に過ぎません。
残りの99%以上の時間には長くキツイ坂道が待っています。
なので、既に事業作りをやっている私としては息抜き程度のものとしか感じられなかったんですね。
ビジコンで優勝するという体験
http://rodohoing.blogspot.jp/2013/03/blog-post_22.html
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
それでもやりますか?
スタートアップをやり切るモチベーションは人それぞれです。
「金が欲しい」という「欲」でもいいと思うんです。最近そういうタイプの起業家は少なくなりま
したが、欲というのはエネルギーです。
あるいは、新しい因果律を見つけるというあたりでは、「知的好奇心」、「探究心」あたりをく
すぐるでしょう。
「美」。 僕はこれが強いんですけど、美しいアーキテクチャを生み出したいというのがありま
すね。
「笑顔」。 ユーザーが喜んでくれて嬉しい。これは多くの人に共通にあると思います。だい
たいのサービスは、そんなに笑顔をもたらさないんですけどね。 人間、慣れちゃうし。 WE
B系のサービスの提供価値は・・・運営側としては実感しにくいところはありますけどねー。
「切実な問題を解決したい」・・・今回のスタートアップウィークエンドでも、社会派なプランが
結構あって、僕は嬉しかったんですよ。
もちろん・・・急成長、今儲かりやすいというところを狙ったプランが、ほとんど無かった。 や
っぱり、日本人は、資本主義社会というルールで世の中を回すことにマッチしてない民族性
なんだろうなーと思ったりもしたんですけど、その話は長くなるので置いといて、自分が「価
値」だと思えるところにFocusしたサービスが多かったことに関しては純粋に、嬉しかった。
その問題解決に人生捧げるんだという匂いを感じる人はほとんどいなかったんだけど。
今のマーケットは関係なく問題にFocusしてる人という意味ですけどね。
それに、いたら既に始めてるはずです。
あんまこの種のイベントには来ないでしょう。
僕みたいに熱気に触れるために覗きに来る人がたまにいるくらいかな。
リブセンスの村上さんとかも来てくれたらいいんだけど、呼んだら来るのかな。
今度運営手伝いすることがあったら声掛けて見ましょうかね。
エネルギー持って粛々とやっていくこと
スタートアップの大変さってのはまず忍耐が求められるってのがありますね。
井戸を掘ろうと思って始めても、掘ってる時は、誰も寄ってこないわけですよ。
井戸を掘ることの価値を伝播させるのも、井戸掘りながらだと結構難しい。
とか書くと、家入さんなんかに、「メリット提供出来てないんですよ。井戸掘りの物語の登場
人物になることの価値を伝えられていないんすよ」
なんて言われるんですけど。
でも結構大変ではあるんですよ。実際。
ソーシャルで知名度資産がない人とか、新しい業界で何やらやってくってのは。
ソーシャルで知名度資産を既に獲得した人や、業界であの人がやるんだったら面白い!と
いう評価を既に獲得した人とはやり方が変わってきはしますね。
でもだからこそ、シビアな因果律を見つける探索が出来るし、そこでうまくいくやり方が見つ
かったらそれは、相当強いし、より、自然科学に近い形でやれるんで、悪いことばっかじゃな
いということは言えますけれども。
それに、Workするプロダクトが出来あがった後には、彼らの知名度資産を借りて、レバレッ
ジかけることはできるとは思いますしね。
だから、やっぱり最初は、少人数のチームで井戸掘りを徹底的にやり続けましょう。
どこよりも先に行っちゃいましょう。
そのうち、どっかの講演で話したり、LaunchPadななんかで話した後の、審査員/有識者の
コメントに対して、「既に考えたし、その種の仮説に関しては、検証済みですね」っていうフェ
ーズが来ます。 誰よりも考え抜くと、実績ある人がぱっと思いつく質問に対して、
「いい質問だなー。この人凄いわー。でも、僕も考えて検証しましたよ。半年前に。」
って思うようになります。
次には、チームの人を除いて、サービスのあれこれに関しては、ほとんどの人と話が合わな
くなっていきます。 「チープなこと聞かれてるなー」となっていく。
今度は組織運営とかを考えるようになって、CA藤田さんの「起業家」読んだり、曽山さんの
「サイバーエージェント流の成長のしかけ」読んだり、リンモチの本読んだり、ドラッカー読ん
だり、ビジョナリーカンパニー読んだりし出すんですよね。
というあたりのフェーズは、僕は経営者には向いてないと思ってるので、やるかどうかは分
からないけど、スタートアップやるからには「CEO変わった方がいいんじゃないか?」と真剣
に検討するフェーズまでは行きたいですね。
人生かけてこの問題解決したいと思うに至ったら、やったらいいと思うんです。
ちなみに、誰がスタートアップをやり始め、その後もやり続けるのか?ってことに関して、
僕は、10年くらいその界隈の人を見続けて来てるんで、大体分かるんですけど、あの100人
ちょいの人々の中だと、5%くらいいました。
6人くらいやるんじゃないかなー。
ちなみにこの10年WEB界隈にいたことで、どういう人を見てきたかっていうと
・ユーグレナ出雲さん
エネルギー量は違いましたよね。
この人はやるな!と思ってました。 学生時代、ハマコーとの対談本出したり、ライブドアキャ
リア含め3社くらいの経営にコミットしてたり、その後、DreamGateで1万人くらいの起業相談
にのってたんじゃないですかね。過剰すぎる人はどう転んでも何かやりますね。
・リブセンス村上さん(大学の後輩)
やっぱエネルギー持ってましたよ。 自分の目で見て判断するんだ、常識外れだけど、
これは絶対うまく行くはずだっ、うまく行かせる道を見つけるんだ!っていう自分の信念を持
ってましたね。 その種の信念を持ってる起業家ってだいたいふてぶてしくて態度悪いんで
すけど、彼の場合は謙虚に「宮川さん!」って感じで、いつもニコニコ。 誠実で愛されキャラ
でもありました。
・佐俣ANRIさん/奈緒子さん
京都のビジコンの時にたくさんコミュニケーションさせて頂いたんですけど。
ANRIさんは、学生の時から、このドメインでやるんだってことで、VCの歴史から何やら、
海外サービスやら何やらに関しては生き字引でしたからね。
奈緒子さんも、あ、この人、やりよるだろうよというのはありましたね。
・SkylandVentures木下さん
僕が、学生時代に創業したガクーっていう会社があるんですけど、学生向けの就活塾事業
のMVP的なことをやっていた時期から、勉強会に参加してくれてました。今はそのMVPが
「内定塾」として業界No.1になってるんですけど、彼のような何に対してもイノベーターポジシ
ョンで突っ込んでみるっていう度胸ある人がいてくれることでMVPという実験が成功するみ
たいな話はありましたねー。 イノベーターポジション取り続けて、度胸とやり切る徹底っぷり
で、最近では早朝6時!のピッチイベント仕掛けたりして、これも継続してて、すげぇなと思う
次第。 人と会い続けて、どのキャピタリストにも無いバリューを持つ人間になるんだろうな
と。応援というと失礼な上からの物言いかもしれないんでうけど、応援してるんですよね。
スタートアップ界隈の皆さんが知っていて分かるのはこのあたりですかね。
ソーシャルでの発信はあんましないけど、彼らと同等の力持ってる人も僕の頭の中にはいる
んですけど、今のところ、OPENしないようにしときましょう。
ほんとは全員書きたいですけど、ただでさえ長いのでw
そして、消えて行く人の特性というのもあって、その境界条件は、愛されるかどうか?という
部分が超重要だというのを観察してきたんですけど、これはまたの機会にお話しします。
成功しやすいパーソナリティってのは面白いテーマではあるんですけど。
スタートアップを続ける根本的な動機
スタートアップは大変なんで、「なんであなたがそれをやるんだ?」っていうところ、じっ
くりと考え抜いてみること、超オススメします。
過去にいじめられたことが原因になってることもるでしょうし、僕なんかだと、「真に友達と呼
べるヤツ、ほとんどいないわー」っていうあたりが今やってるスタートアップの理由です。
たぶん、やりはじめてもうまくいかないんですよ。これは、過去統計的に真なんですね。
で、今は、ピポットとかっていう便利な言葉があって、浮かれスタートアップ野郎どもは、カテ
ゴリ適応的な戦略選択肢チョイスをやるんすよ。 うまくいかない⇒ピポットという機械的判
断(だって過去の有名サービスは大抵ピポットして成功してるじゃん)。
今後、もっと増えるだろうなー。
“問い”を発せずにやるから、なんかやったけど、うまくいかんかった、次行くか。で終わっちま
う。 次にやるのは儲かりそうな模倣サービスです。 これだと、世界は変わっていかない。
何に対してコミットしたいのか?明確にしてないと、どんどんブレていきます。
3年スタートアップをやり続ければ、なんで上手く行かないか?見えてきます。
何が突破できないか?を知り尽くしておくと、それはテクノロジーの進化によって数年後に出
来る環境が整うかもしれないし、問題解決のタイミングってのは案外そんなものです。
これでいうと、ぐるなびの創業者の話がまさにそれですね。
まだ上手く行ってないけど、スタートアップをやり続けている。
僕はそういう人とは一生の友達になれると思うし、そういう人には、僕が割と大きなお金を
突っ込んでしてきた失敗の話とか、うまくいく話とか全部します。
加えて、僕がもし、お金持ってたら、その先の物語も知りたいから、続けて下さいっていって
お金渡すと思います。寄付ではなく、投資だと思いますけどw
最後に
今回、スタートアップウィークエンドで残念だったことは、一生かけてこの問題を解決
するんだという志に出会えなかったことかなぁ。 ま、シャイな人も多いから、誰が初対面の
人にそんな深い話するかよってのもあるとは思いますけどね。
「企画」ではなく、「スタートアップ」は、やり始めると、大変ですが。
もし、挑戦するとしたら、あなたは同志です。
世界を変えましょうぜぃ。
長すぎましたw
スタートアップやろうとしてる人、 昨日、李さんが言ってたことが腹落ちしなかった人は読ん
でくれたら少しは役に立つのかなーなんてところで、筆を置きます。
まったねー。