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術後1日目の午後、人工呼吸器が外れ、ICUから個室に戻ってきました。
声をかけると、しっかり目を開けて
熊さん「ありがとう・・・よう・・・」
と私の手を握りしめました。
なつこ「おとうさん!喋れるん?声が出せるんじゃな!」
と感動したのもつかの間
ハアハアと荒い息づかいの合間、合間に、喋るわ喋るわ
熊さん「手術室に入る廊下が長こうて、このまま火葬場に運ばれる気がしたで!」
熊さん「この先生は、ワシが年寄りじゃけぇ、失敗して死んでもよかろうと思うて手術したんじゃ」
仕事が終わって面会に来た太郎に
熊さん「おかあさんがおらんかったら、おじいちゃんは死んどったんじゃ。おかあさんには、この1ヶ月ホンマに世話になったんじゃ」
こら!助けてくれた先生に失礼なこと言うなよ!
私が世話したのは、この1ヶ月だけかよ!もう何十年も面倒みてやってるだろうが!
と、いつものように心でツッコミを入れている私。
なつこ「おとうさん!しんどくなるからもう喋らん方がええよ」
熊太郎、生還!緊張の糸が切れて本当にホッとしました。今夜は私も眠れそうです。
ただ・・・まだ生きるのね・・・と思ってしまったのも本当です。
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