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13/5/13

姉の話 第四回

Image by Olia Gozha

世間体と姉の話。この時のことばかりは思い出してみると胸糞が良い話ではない。

小学校に上がる直前、祖父の会社関係でパーティが開催されるとのことで家族で京都の某ホテルへ行った。

外出時、姉の場合は神経が昂ぶって発作を起こしたりすることもしばしばあったが、今回の場合は彼女も非常に落ち着いており特に騒がしくもせず、コース料理をミキサーにかけたペーストを喜んで食べていた。

そして歓談の時間になり、母と姉は別室へ案内され、兄や従兄弟と会社の人に挨拶廻りをしていた。某銀行の頭取や議員先生方にもご挨拶をしたが、事前に祖父の秘書から僕たちは2人兄弟という事にしてくれという話を聞いており、当時は疑問に思いながらもそのような体で祖父との関係を話していたのを覚えている。

彼女達が帰ってこないままパーティの最後には祖父に従兄弟と2人で花束を渡したが、その時には既に母と姉は車で家に帰っていたことを知り、当時僕が家に帰ってから母に激怒した。

今考えると、祖父の世代の人間にとって障害者が身内にいるということが都合が悪いことであったのは想像に難くないし、特に会社の取引先等がいる席ではそれを隠そうとするのは無理のないことであると思えるが、小学生の時に彼女の存在が恥と認識されていたことを理解した時には祖父との絶縁を考えたほどてある。

つい最近聞いたことによれば、パーティ自体に姉は招待されておらず、父母が無理矢理出席姉を出席させたそうだが、その時の父は鬼も逃げ出すような形相だったそうだ。


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