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17/2/9

私の夢はウルトラマンになること

Image by Olia Gozha

私の夢はウルトラマンになること。幼稚園の頃、平成のウルトラマン、ティガと出逢い、ダイナ、ガイア、コスモス… とその優しさや強さがキラキラ輝いて見えていました。いつかウルトラマンになりたい。そんな願望を持ち続けていました。


今、私はマラソンランナーとして神戸を拠点に、日本全国の大会や、世界各国の大会に出場をしています。そして、昨年2016年11月には鉄人レースと呼ばれるアイアンマン・トライアスロンinマレーシア・ランカウイ島に挑戦をしてきました。これはスイム3.8km,バイク180km,ランニング42.195kmという距離を自分の脚で完走を目指す競技です。まさに鉄人です。

初出場の私はトレーニングを積み重ねて挑戦をするも、バイクの150km地点で後方を走る選手に衝突され転倒。その瞬間でした。脚の痙攣が始まり、悶絶。大声を出さないと痛みに耐えられない… けど完走がしたい。激痛で涙が溢れる中、必死で中継地点で待つ彼女のこと、日本に居る両親のことを頭に思い浮かべて、レース再開。160km地点でそれまで快晴だった天気が一転。突然のスコール。目の前が見えなくなるくらいの大雨にも会いながら、なんとか中継地点(トランジット)にたどり着く… が、自転車から降りた瞬間から再び悶絶。ここでドクターストップにかかる訳にはいかない。と明らかに足を引きずりながらも、ランニングパートへ。私の中では全速力で走っているつもりでしたが、ほぼウォーキングよりも遅いスピード。マラソンランナーとして一番自信のあるパートだったが、身体は全く動かない。それでも一歩ずつ一歩ずつ前に身体を運んでいく。何度も何度も痙攣が発生し、気力さえも奪われていく。日も落ちて夜になると身体が冷えて寒気がする。

もうダメかもしれない。いや頑張るんだ‼ 諦めようかな。完走をするんだ‼ 天使と悪魔が交互に会話を始める。肉体と精神がぶつかり合いの戦いを始める。ゴールまであと少し。ここを乗り越えなければ… と思った34km地点。身体は言うことを聞かなくなり、ドクターストップ。すぐさま救急車で運ばれ、気付くと医療室で寝ていた。

情けない。こんな弱い自分。最低な自分。自分の弱さを攻め続けた。彼女が居る目の前で、カッコ悪い姿を見せてしまった。完走ができなかったこと。本当に悔しい。鉄人レース、まさに鉄人。半端じゃない世界。人生において、これほど苦しい競技に出逢えるものだろうか。これはスゴい競技を知ってしまった。二度と走りたくない。運動すらしたくない。そんな気持ちにもなったのたが、、、翌日には心のモヤモヤが自分を動かし、必ずリベンジするんだ‼という気持ちになった。


それから数日、アイアンマン・トライアスロンについて調べていると、友人からこんなことを言われた。アイアンマンを越える超人レース。ウルトラマン・トライアスロンがあるんだけど一緒に出てみないか?あの憧れのウルトラマンになれるの!?形は違うかもしれないが、ウルトラマンという言葉、響きに感動。必ず挑戦することを約束した。そう今、私の夢はウルトラマンになること。内面はウルトラマンのように優しく、強く、思いやりがあって頼れる存在。具体的には、ウルトラマントライアスロンに挑戦すること。カナダ、もしくはオーストラリアで予選会。そしてハワイのコナで世界選手権が毎年開催されている。全部を合わせると3日間にかけて戦う超人レースはスイム10km、バイク450km、ランニング84km。

私の挑戦は始まったばかり。夢を追い駆け、実現させる。あのゴールゲートを通過するその日まで。私は戦い続ける。いつまでも。

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