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17/2/8

縁は異なもの味なもの

Image by Olia Gozha

本来は男女の機微で用いられるこの言葉。


「縁は異なもの味なもの」


入院患者と看護師。先生と生徒。etc


何がキッカケで繋がるかわからないもの。それがご縁でしょうか。


先日書かせていただいた【誰も助けてくれない!?】の中で、男女の縁ではないにしろたまたまその場を通りかかったという理由だけで手を貸すことができたという話に触れました。


本来ならそこで完結したはずの一期一会のお話。


しかし、この話にまさか続きがあろうとは…


駅の改札に向かう際、スーパーの中を抜けていくと近道になるのでいつもそのルートを利用しているのですが、スーパーの入口に差し掛かったところで店内になかなか入ることができない女性が。


足元が震えており前に進むことができない様子だったのですが、その後姿でピンと来ました。


「もしかしたらこの前横断歩道で転んでしまった人では…?」


近づいてみると案の定先日の女性。


店内に入るためにどこかにつかまるか壁伝いに行ければよいのですが、壁際はつかまるのに不安定な掲示物で埋まっておりそういうわけにはいかなかったのです。


怖がられないように「この手につかまってください」とそっと声をかけ、何とか店内まで誘導しました。


店内に入ったまではよいですが、次に考えたことはこの状態で買い物ができるのかということ。


そんな思案をしていると彼女がか細い声で何かを伝えてきました。「かごを」と言っているようです。


彼女を店内のつかまれる場所に残しかごを取りに行きました。


(でもこのかごを持って一人でどうするのだろう…?)


すると彼女はある場所を見つめ「あそこへ」と呟きました。


目線の先にはサービスカウンターがありました。


(なるほど。サービスカウンターに行けば店員さんがサポートをしてくれるということか。)


再び彼女を置いて、サービスカウンターに行き簡単に事情を説明しました。すると店員さんは即座に状況を察したようで、彼女のところに駆け寄り店内にある車椅子を用意し、彼女の杖を預かり、膝の上にかごを載せてあげて、車椅子を押す準備をテキパキと済ませました。


(ここまで手際がよいということは、彼女は常連のお客様で店員さんも熟知しているのだな。)


彼女は私に向かって「ありがとう」と口を動かしながらそのまま買い物へ。


大したことをしたわけでもないので妙な照れ臭さもありましたが、感謝の言葉をいただけるのは嬉しいものです。


それにしても見ず知らずだった方に二度手を貸すことになるというのも何かの縁かもしれません。


(またどこかでお見かけするのかな。)


そう思いながら改札へと向かいました。


ただ、この日はこれだけで終わらなかったのです。何かちょっとした出来事が起きると案外色んなことが続くものですね。


続きはまた近いうちに。



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Image by Jukka Aalho

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