私はずっと自分は特別だと思っていた。
小学生の時、全てにおいて1位だったから。身長は一番高く、夢はモデルだった。テストでも徒競走でもいつも1位で皆から羨ましがられていた。何をするにも1番で努力なんて1度もしたことがなかった。となりで一生懸命努力する人を見て心の中でバカにしていた。そんな私は地元では珍しく中学受験をし、都内の学校に通うことになった。
中学校に入っても私は何も変わらなかった。ただ周りは変わっていた。自分より背が高い人は沢山いるし、足が速い子もうじゃうじゃいる。気付いたら1番になることなんて全くなくなった。それなのに自分はみんなより出来ると過去の栄光に浸り余裕ぶっこいてた。高校生になり、周りの子はみんな努力して色々なことに挑戦しだした。遥かに下だと思っていた友達もスピーチや校外活動などで優秀な成績をおさめていた。ふと周りを見た時、私は焦った。その友達だけではなく、私以外のクラスメイト皆、何にかしら得意なもの、特別なものを持っていたのだ。それはみんなが努力した証だった。私は気づいた。私は人生で何か成し遂げたことがあっただろうか。人に自慢できることがひとつでもあるのだろうか。自分は天才だと信じていたが、努力も何も出来ない凡人なんじゃないかと。しかし、努力を全くしてこなかった私はどうやって努力したらいいのか、何をしたらいいのか、さっぱりわからなかった。周りで活躍してる友達を先生が褒めているところを見て嫉妬した。でも私には嫉妬する資格すら無かった。なんにもやっていなかった。同じ土俵にもたててないんだ。自分は特別なんかじゃない。ただの凡人なんだ。だから努力しないといけないんだ、皆みたいに。そして私はそんな凡人の自分を受けとめ、しっかり向き合っていこうと決めた。凡人という事実を受けとめ、自分なりに努力していった。いつか特別になれるように。そして来年、大学受験だ。今の私なら受かる気がする。凡人の私なら絶対。