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17/2/6

【2話】家で亡くなると警察が来て事情聴取を受ける。遺体発見後、1時間経つ間に聴取された話。

Image by Olia Gozha

遺体は裸で安置されていて、それを見た私は号泣した。



警察の準備が整ったあと、

母の遺体を見に安置場所まで向かった。

母は、布だけかけられて全裸であった。


警察が数人いる中、体の傷を見るために裸にされていた。


あまりにその姿を見るのが辛く、

私は号泣した。


母は、浴槽の中で亡くなった。

遺体が発見されるまでに数日間の時間がかかっていた。


たまたま親戚が発見して、

救急車を呼んだが既に手遅れ。

私が母の家に着いた頃には、警察の調査が始まっていた。


私も、母が亡くなったということを知ったのが15分前。

でもいきなり、警察へ行って事情を聞かせてくださいということになった。

まだその時、母の遺体を見ていなかった。

警官「いやあね、これも仕事なので不快に思うことも聞いちゃうかもだけど、よろしくね」

と一言言われ、母や父のことをまず聞かれた。


はじめ、母の年齢や電話番号、住所など当たり障りのないことを聞かれた。


「お母さん、保険に入ってた?」

「いえ、母は大きな疾病を抱えてるので入れないんです。(きっと保険金殺人とかもありえるからなんだろうな。)」

父と母とは離婚しているとはいったものの、職務上細かく聞く必要があるらしく、

「父の電話番号や年齢は?」

「電話番号は○○・・・、年齢は大体母の10年下くらいかと。」

「今はなんの仕事をしてるの?」

「運転手です。(水商売の、とは言えない(笑))」

「会社名は?」

「(会社とかそういうのじゃない気がする(笑))個人だと思うのですが、わかりません。」

「じゃあ、電話で聞いてみてよ。」

父に電話。


警察は代わってほしいというので、

代わって直接話してもらった。


「離婚した理由は?・・・・ほー。はははは」

「(何を答えてるんだろう・・・)」

「暴力団ね。どこの組だったの?」

「(え?!なんの話よ汗)」


というように、しまいには、元ヤクザだということを言ったらしい。

電話を切ると、お父さんは元暴力団だったそうでね、と話をした。

すると、同席してた親戚は、

「そんなことを聞いていたら結婚させなかったのに・・・」

と呟いた。

「(というか、今更知ったの?!!)」

私は、なんとなく知っていた。

というのも、小さい頃に背中の大きな刺青を見ていたので、

違和感なく受け入れた。自分とは相反する反応にビビる私だった。


そのままの流れで、母の出生から生い立ちを聞かれた。

母は、もともと今住んでるところや、歌舞伎町とは違うところの出身。

中学生で仕事をし、高校生は中退して働きに出た。


なんでかというと、とてもとても貧しかったから。

兄弟も多い中で、早くに働かなければならなかった。

(ただ、実はとっても成績が良く勉強ができた子だった。)

しばらくして、銀座のホステス、つまり水商売を始めた。


その後二度結婚。

うち1人は、水商売で会った人だそう。

その後、今の私の父と歌舞伎町の雀荘で出会う。


その2人が歌舞伎町で出会ったことを伝えると、

警察の人もドラマの世界と思ったのか、思わず笑っていた(笑)

今いるところは、実は片田舎でもあり、

この警察の人にとっても、なかなかない経験だろうな(笑)


では、と私の話になり、住所や電話番号、会社名を聞かれた。


「高校はどこだった?」

「東京の○○高校です。中退しましたが。」

「ふーん。大学は?」

「…上智大学です。」

と、私が答えた瞬間、今日1番の驚きを見せた。

「え?!」


そこからの質問ぜめ。

なにを勉強してたの?

なんで福祉なの?

どう勉強したの?

お金はどうしたの?


あれ、これって母の状況を聞くためのものでは?汗


まぁ、そんな感じで話が進んだあと、

最後に会ったときの話を聞かれる。

ここで私は今まで平然と話していた風だったけど、

思い出して、大きな声で泣いてしまった。

警察の人も気を使ってくれて、ちょっと休憩しようかといってくれた。


休憩後は、遺体発見時の話を親戚の人がしてくれた。

私はまた涙であふれた。


その後の、遺体確認。

ずっと涙が止まらなかった。


事情を聞かれた後は、

事件性はないけど、電話でも確認があることが伝えられた。

あと、お医者さんが検死をするために、

病院に4万円から5万円を持っていく必要があることがわかった。


家で亡くなるととても大変なことがよくわかった。

なにより、遺体を警察に預けなければならないのは、とても辛いことだな、と思う。

みなさんにとっても、何かの参考にしていただければと思います。

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Image by Jukka Aalho

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