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17/1/21

ハタチの出発

Image by Olia Gozha

40歳を超え、人生の折り返しを過ぎた今、振り返ればハタチが"私"の出発点だった。

19歳、2年続けた大学受験を失敗に終え、今にしてみると自分でも笑ってしまうのだが、その時は「人生終わった」としか思えなかった。

中学・高校と成績優秀を貫き、一流大学進学を当然と思っていた(思い込んでいた)私は、自失呆然・無気力状態に陥り、飯を食っては惰眠を貪る毎日を過ごした。

そんな私を見かねた親が、本人の意志とは関係なく郵便配達のバイトを決めてきて、生活力のない小僧は言われるがまま、雨ノ日も風ノ日も郵便物を配ってまわった。

なにも真面目に取り組んだわけではない。ただただ目の前の郵便物をさばいていただけなのだが、配達先の方から感謝されることがしばしばあった。

その時は無気力状態であったこともあり、素直に感謝の言葉を受け入れることができず、とりあえず頭を下げて逃げるようにその場を離れたりした。

このように決して前向きな行動ではなかったものの、割り当てられた郵便物を毎日配り切り、小さな事だが1日1日の目標をクリアし、時に感謝の言葉もいただく日々の積み重ねは、荒んだ若者の心を癒すクスリになった。

そしてハタチの春、成り行きに近い形でそのまま職員として働き始め、大小の失敗を繰り返しつつ、ジャンプアップの転職を経ながら、今に至ることができた。

自ら考えることを放棄し、流れのままに目の前のことを黙々と行っていただけのハタチは格好良さと正反対のものだが、私にとって掛け替えのない出発点だ。

この文章を読んでいる若者の君が、今、物事が上手くいかずお先真っ暗の気持ちでいたら、ものは試し、考えることを止め、無理に頑張ることはせず、流れに身を委ねてみてはどうだろうか。

サーフィンは力を抜いて波に身を委ねることが必要であり、繰り返しのなかで、いつの日か波長が合いロングライドができるようになる。

人生の波乗りも同じだと私は信じている。




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