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17/1/19

僕が精神科に入院するまでのほんとうのこと~入院顛末記~(9)

Image by Olia Gozha

朝を迎えた
おいらの体は動くようになった
おいらはなぜか歯を確認した
歯が全部生えていた
おかしい
おいらの歯は何本かないのだ
おいらはおかしいと思い鏡に向かった
鏡に向かっても歯がある
おいらはこの世界は現実でないと思った
こんな世界はおかしい
ある映像が浮かぶ
人は本来自然からきかないといけない
自然は人間に語りかけどうありたいかをいう
森の番人は森の声を聞く
そうやって森を作る
川の番人は川の声を聞く
そうやって川を作る
自然は自然の声を聞き
あるべき形に姿を変えないといけない
おいらは監視されている
そこに現れる女性は
最後の女性になる
そして意識を失っていた
気がつくと便器に腰を下ろして
夕日が差し込んだ部屋で目を覚ました
台所がトイレから見え
夕日の光がオレンジに光っている
すごく静かで
おいらは取り残されたような気分になった
意識を戻してトイレに座っている
夕方だ
誰か来ると思い玄関に向かう
玄関を開けるとそこに誰かの姿があるのではと
そう思った
玄関を開けた
誰もいない
錯覚でもいいから姿が見えると
それが現実になるのではないかと思った
もう一度玄関を開けた
誰もいない
おいらは取り残された気分になった
台所の前でおいらはうろうろし始めた
台所を確認する母の映像が見えた
ちゃんとしているかを確認しているのだ
おいらは台所でうろうろしていた
台所でうろうろして何かを考えていた
台所の床がきれいだ
食器が輝いている
台所を確認する母の姿は若い
部屋に戻った
部屋に戻って聞こえてくる音が
誰かが作っている効果音のように感じられた
車が走っていく
飛行機の音が聞こえる
何かの音が聞こえる
効果音か
おいらが部屋に戻ったころには夜になっていた
おいらは何かをリピートしていたのだろう
朝から晩までの記憶が飛んでいるのだ
リピートの最後だけ再生して
途中は記憶を失ってもいいように
リピートに対して願っていたのだ
おいらはトイレに向かった
歯は生えていなかった
現実に戻ったと思った
トイレの電気をつけずに
鏡を見ていた
暗い自分の顔が闇に埋もれていく感じがした
鏡に移る自分の姿が変化するのではと
恐怖を感じた
ブレーカーを落としていたから
夜が深まるにつけ
ユニットバスのその場所は真っ暗になる
おいらはすごい恐怖を思い出し
わぁっとなった
震え始めた
暗闇に恐怖を感じた
玄関を開けて外の景色を見た
外の見えるマンションの一室から
こちらを見ているような姿を確認した
その人が生きていないように感じた
恐ろしくなって部屋に戻った
夜になり恐怖が支配し始めた
ブレーカーを入れた
部屋を明るくした
大事なものを探しコタツの上に並べた
さびしくない
おいらは元妻ではなく彼女にskypeを入れた
彼女はskypeに応答してくれた
おいらは状況を説明できない
でも明らかにおかしいことは彼女もわかったのだろう
短い会話をしてはskypeをきり
またしばらくしたらskypeを送るということをした
いったい何なのと彼女は切れた
一言二言はなしてはskypeを切りまたかけるのだ
普通ではないと彼女も感じていたのだろう
Skypeで連絡がとれなくなった
おいらはタバコを吸い
またもとの世界に戻れるように願った
今はまともじゃない
まともな世界に戻ったとき
バカなおいらはわかばを吸って
ばかわわかばっていうんだと決めた
私はなぜか彼女の家へと向かった
ブレーカーをまた落として彼女の家に向かった
なぜなのかはわからない
すごくさびしくなったのだろう
彼女の家に向かう
途中に地蔵と不動明王像があり
それに手を合わせようとした
不動明王像が赤く光ってるように見えた
そして声が聞こえた
ソワカをするな
ソワカをするな?
おいらは彼女の家に向かった
家に向かう途中から
彼女の家がどこかわからなくなり始めた
まっすぐに向かっていないのだ
知らない道を走っている
キリスト教の教会の前をなぜか走っている
ここは自分は知らない
どこに向かっているのかわからなくなってくる
公園で楽器を演奏している子がいる
その音がバ~カボンボンと聞こえる
どこに向かっているのだろう
彼女の家に向かうすべての道しるべが消えた
私は迷子になっている
彼女の家に向かうときに通る道ではない
どこに向かっているのだろう
おいらは混乱した
混乱しながら進み
もうわけがわからなくなり
ココだろうとブレーキを踏んだ
偶然にも彼女の家のマンションの前に止まった
不思議だった
私はそこでソワカを宣言した
ソワカを宣言すると叫んだ
彼女の部屋に向かった
ベルを鳴らし玄関を開けた
彼女が仁王立ちしている
覚悟を決めていたらしい
おいらはそれを見てわかった
ペットは大丈夫かといって戻ることにした
彼女の隣人がいやな奴に感じていたから
なぜかそいつらの玄関を殴ってから
家を後にした
帰りの道は迷わなかった
しかし町がトランスフォーメーションしていると
なんとなく感じた
おいらはこの差別の国日本と叫んでいた
まっすぐに自宅にたどり着いた
そして布団に横になった
世界が変わっているはずだ
この町を最後に世界は変わる
世界はまわりから変わり
そして最後にこの町が変わる
雄叫びが少しずつ広がり
一気に全員が雄叫びを上げるのだ
すべてが変わる
すべてが変わる
そのときがきている
朝を迎えたときすべてが変わるはずだ
朝を迎えようとしていた
何も変わらない
朝を迎えようとしていた
何も変わらない
何も変わらない
終わったな
何も変わらなかった
そうあきらめかけたとき
おいらの体が痙攣を始めた
痙攣がとまらない
全身に銃弾を浴びているように痙攣する
妄想が起きる
俺は身代わりになっているんやな
銃弾を浴びて痙攣を繰り返す
誰かがもう一回やらしてという
もう一回やり直し?
もう一回だけやで
痙攣を繰り返す
無数の銃弾を浴びる
もう一回やり直させて?
もう一回だけやで
何度も痙攣する
何者かがまた
もう一回やり直させてという
もう一回だけやでという
痙攣がとまらない
無数の銃弾を浴びて痛い
やり直しは何回も要求された
おいらは痛くてたまらない
痙攣を繰り返す
もう無量大数回繰り返している
もう後がない
無限になってしまう
痙攣を繰り返し銃弾を浴びて痛い
意識を失ってしまう
私はまた意識を失った
薬を飲まなかったことで 
こうなったのだろうか
ほとんど寝ていなかったことで  
こうなったのだろうか
食事をほとんど採らなかったことで
こうなったのだろうか
意識を失った
そして強烈な痙攣と激痛だった
意識を失った

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