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17/1/14

僕が精神科に入院するまでのほんとうのこと~入院顛末記~(7)

Image by Olia Gozha

元妻のゴスペルコンサートの後
この年日本は何や人員整理をしていた
おいらは口を減らすんやったら
生活の中から不要なものの口を
減らしていけばいいねんと思った
おいらはその日から口を減らすといいながら
家の中にある不用品の口を減らし始めた
不用品の口減らしはそれだけあふれたものを
整理することにあり
その産業が比較的不用なのかとか考えていた
昼夜を関係なく整理が始まり
まるでとりつかれたように行われた
ある日不用品をゴミ袋に入れて捨てるとき
ゴミがささやいた
ありがとう
私は耳を疑った
また部屋にある地蔵の置物を捨てるとき
わしも捨てるんかい
と聞こえた
私は耳を疑った
家の中にある神仏たちまで捨て始め
神々多くして喧嘩しているとばかりに
捨てていった
おいらの前からタバコが消え始めていた
おいらの前から薬が消え始めていた
整理して見えなくなっているのか
おいらの前から存在としての姿を消していった
ものが言葉を発し始めた時点で気がつかないといけない
しかし耳を疑うだけでそれはあるかと思った
食べ物もろくに食べなくなり始めていた
おいらはもうこの時点で断食まがいの事を始めていた
ゴスペルコンサートは東日本震災に対するものだった
おいらはこの震災は人のこころが起こしたものだと感じていた
地球は人間を回路のように感じているに違いない
地球は地球に住む動物を回路のように感じているに違いない
そしてその感情や様子の総量の意思が何らかのことを起こす
そう考えていたのだ
物の整理は終わることなく続いていた
衣類の整理もし始めたのだ
洗濯しては整理してを繰り返していた
おいらは完全に何かに憑かれていた
おいらの感情が高まったり妄想が始まったりし始めていた
昼夜は関係なく整理が行われた
おいらの周りからタバコが消え
そして薬も姿を消した
整理したからなのだろうが
わからなくなってしまっていた
部屋のブレーカーを落としてろうそくを立てた
深夜になり私は罪の意識に襲われた
東日本大震災はおいらの責任だ
おいらが憤怒にかられたからだ
おいらは東北のほうに向き正座し
そして土下座して大声で謝罪した
すみませんでした
すみませんでした
すみませんでした
涙を流しながら謝罪した
おいらは謝罪しそして泣いた
そうして意識を失ったのだろうか
おいらの世界は急激に変わるのである

パソコンをつけている自分がいる
そしてパソコンの中に自分の動画がある
動画の自分がパソコンをつけた自分に語りかける
おまえの暮らしでパソコンなんかもたれへんねん
パソコンなんかもつからこうなるねん
映像の自分が死んでいく
これからおまえに起こることや
おいらは意識を戻す
パソコンがある
そしてこの部屋だ
この部屋に死ににきたのか?
おいらは来ないはずの先生を思い出す
先生はどないしているんやろう
パソコンにソワカと入力する
ソワカと入力して検索すると
暗号文が流れ出す
そしてソワカ暗号文をして遊ぶ
インターネット通信の遊びだ
これも幻覚だった
意識を失って夢を見ていたのだろうか
意識が戻りタバコが吸いたくなる
しかしタバコはない
おいらは灰皿にある吸いカスのタバコから
まだすえるのを探し吸いはじめる
タバコをすいながら
正という字を書いている
正の字を分解している
一止
上と下と真ん中の棒を残し
正の短い線をいろんな場所に変えてみる
コタツの向こうに来るはずのない先生の
席を用意して
正という字について考える
意識を失う
先生が目の前にいる
笑顔だ
おいらは先生に笑顔で向かう
突然煙がもうもうと上がり
息が苦しくなる
先生は逃げていく
おいらは煙の中意識を失う
これは幻覚だった
目が覚めるとおいらはトイレの前に倒れていた
幻覚と意識を失うのと妄想が
セットのように襲ってきては
おいらをどうしようとしていたのだろう
おいらのパソコンの映像の意味は何だったのだろう
この地区では訳のわからない現象が起きている
意識を失っている方は確認してください
最初の言葉で組み分けをしてください
ヘルパー事務所の社長がいる
この人は生かしてくださいという
トイレの前で意識を戻す
幻覚が現れる
君一言いいなさい
おいらは何もいえない
しばらくして男の人が
君は悪
そういって去る
おいらは意識を戻す
悪に分類されてないている
意識が戻る
トイレの前で倒れている
おいらはよれよれになりながら
布団のほうに向かう
俺っていったい何なんだろう
俺はただ普通に暮らしたいだけやのに
涙が流れてきた

タバコが吸いたい
おいらはタバコと食べ物を買いにコンビニに向かった
家を出たらパトカーが通っている
おいらの名前を読んで危険だから
注意するように言っている
コンビニまで声が聞こえている
社長の声と高校の先生の声だ
何かを語りかけている
私は普通にしないとと思いながら買い物をする
コンビニの中で話し声が聞こえる
この物語ようわからん
ひとつの思いを叶えるために
こんなに世界が変わるのかぁ
俺の話か?
誰かが俺の話を書いているのか?
タバコとおにぎりを買い
店を出ようとする
店の店員の口がお歯黒だ
何か違う世界にきている
この世界も幻覚なのか
現実がわからないけれども
できるだけ普通に
おいらに起きていることは
気にしないように外出をした
先生と社長の声は聞こえる
後ろから兵隊さんがついてくる
軍靴が聞こえる
憑いて来ているのだ
おいらは部屋に戻る
先生と社長の声が消えない
幻聴の声を
違う世界に行ってくれるように作戦をする
声を違う世界に行ってもらうのだ
声とやり取りをしていく
どんなやり取りかは覚えていない
声が去っていく
なかなか去ろうとしないが去っていく
おいらはタバコにありつけた
幻覚と妄想と現実と意識を失いながら
できるだけ理性を保とうとしていた

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