top of page

17/1/10

受験学(12)

Image by Olia Gozha

受験学(12)

 第十一章

  「ガリレオ」の中で、湯川先生はいつも言う。

「仮説は実証されなければ、真実ではない」

  学問、科学というものはすべからくそういうもののはずだ。「受験学」というからには、主張に実証が伴わなければならない。

  たとえば、「私は英語ができる」を実証するにはどうすればいいのだろう。私の実証方法は、英検1級や通訳ガイドの国家試験であり、アメリカでの教師経験であった。

  「数学を指導することができる」という主張の実証は、京大を受けて成績開示をすることだった。

  京大の成績開示。

  「私のアドバイスどおりにやってもらうと、京都大学に合格できる」

  を実証するには、合格実績を出すしかない。私は名古屋の大規模予備校で勤務している時に、実証の方法が「駅前ビルを建てる」「有名タレントを使ってCMを流す」という状況に疑問を抱いていた。

  同僚の講師も、おかしな服装や髪形で生徒に媚びていて、「バカか」と思っていた。だから、塾や予備校業界はあやしい業種と思われるのだ。健全な職種と認められるには、まともな実証が必要だ。

2016年度
 京都大学「医学部」、京都大学「理学部」、大阪大学「人間科学部」、名古屋大学「経済学部」、名古屋市立大学「医学部」、神戸大学「経済学部」、御茶ノ水大学「理学部」

  もちろん、選択は生徒の方や保護者の方がするわけで、「アニメで宣伝しているから、あの塾」という選択をされる方もいるだろうし、そういう方を否定するつもりもない。

  お蔭様で、ネットを通じて「通信生」を募集したら北海道から九州まで応募があり、合格者も増加中だ。地元の優秀な生徒の占有率は、実は自分でも驚いている。

  四日市高校には、「いなべ市」の5つの中学校はどこも毎年1人か2人しか合格できない。現在、四日市高校の2年生は5名在席している。他に、桑高、川越、暁6年制といった進学校から来てもらい高校生クラスは常時満席だ。

←前の物語
つづきの物語→

PODCAST

​あなたも物語を
話してみませんか?

Image by Jukka Aalho

高校進学を言葉がさっぱりわからない国でしてみたら思ってたよりも遥かに波乱万丈な3年間になった話【その0:プロローグ】

2009年末、当時中学3年生。受験シーズンも真っ只中に差し掛かったというとき、私は父の母国であるスペインに旅立つことを決意しました。理由は語...

paperboy&co.創業記 VOL.1: ペパボ創業からバイアウトまで

12年前、22歳の時に福岡の片田舎で、ペパボことpaperboy&co.を立ち上げた。その時は別に会社を大きくしたいとか全く考えてな...

社長が逮捕されて上場廃止になっても会社はつぶれず、意志は継続するという話(1)

※諸説、色々あると思いますが、1平社員の目から見たお話として御覧ください。(2014/8/20 宝島社より書籍化されました!ありがとうござい...

【バカヤン】もし元とび職の不良が世界の名門大学に入学したら・・・こうなった。カルフォルニア大学バークレー校、通称UCバークレーでの「ぼくのやったこと」

初めて警察に捕まったのは13歳の時だった。神奈川県川崎市の宮前警察署に連行され、やたら長い調書をとった。「朝起きたところから捕まるまでの過程...

ハイスクール・ドロップアウト・トラベリング 高校さぼって旅にでた。

旅、前日なんでもない日常のなんでもないある日。寝る前、明日の朝に旅立つことを決めた。高校2年生の梅雨の季節。明日、突然いなくなる。親も先生も...

急に旦那が死ぬことになった!その時の私の心情と行動のまとめ1(発生事実・前編)

暗い話ですいません。最初に謝っておきます。暗い話です。嫌な話です。ですが死は誰にでも訪れ、それはどのタイミングでやってくるのかわかりません。...

bottom of page