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受験学(10)
第九章
私は英語の資格をとる過程で、39通の「不合格通知」と「合格通知」を受け取った。これは、普通の意味ではかなりカッコ悪いと思う。高校生に交じってセンター試験を受けたために、三重大の入り口で“侵入”を阻止されたし、京都大学を7回受ける時は、京都からすまホテルの送迎バスで
「保護者は乗れません」
と、止められた。
普通の意味では、どれだけ恥ずかしい思いをしたのか分からない。しかし、私はそういう異常事態を楽しく過ごしてきた。英語講師が数学講師に転換するわけだから、
「どうせ中途半端」
と軽んじられもした。しかし、私のプライドや自意識などどうでもよかった。そんなことより、娘たちの生活の方がずっと大切。いくらでも恥をかく用意があった。娘たちの生活を守るためなら何でもできるからね。
自分のためだけに勉強している生徒は伸びない。
「医者になって苦しんでいる人を救いたい」
とか
「親の期待に応えてやりたい」
とか、自分以外の人のことを考えている生徒は強い。
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