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17/1/5

受験学(2)

Image by Olia Gozha

受験学(2)

 

第一章

 塾の関係者というと、同級生と先生だけです。同級生は、自分と同等かそれ以上の学力がある子が望ましい。だから、高校からは事実上「学力別」にランクが付けられています。大学のランキングは、もっとハッキリしている。

 生徒は「入試」を経て厳しく選抜されるので問題はない。

 問題は、先生にある。大学進学率が50%前後になった現代では学校の教師がどういう種類の人間か保護者の半数はご存知のはず。

「同級生で教師になったのは、イマイチの子たち」

 という事実がバレてしまった。学年のトップクラスの子たちは、大企業に勤務したり官僚になったり弁護士や研究職に就いたりしているはず。だから、英語の先生が英語が話せないなんて当たり前になっている。

 数学の先生もイマイチだから、「円周率を3として教える」とか「7.1+1.9=9.0としたら減点された」と話題になったりする。数学の素養に欠けたまま授業やテストを行っているわけだ。

 

 文部科学省は先ごろ、「英語教育改善実施状況調査」の結果をまとめ、中央教育審議会等に報告した。
 同省が15 年3 月に打ち出した「『英語が使える日本人』の育成のための行動計画」で示した各目標の達成状況について、各都道府県・指定都市教育委員会及び管下の公立中学・高校を対象に16 年2 月に調査。

 行動計画の目標の一つである英語教員の英検準1 級以上取得については、中学が10.96%、高校が19.60%に留まっていることなどがわかった。

 

  私の優秀な塾生の中には、高校で英検準1級に合格した子もいたし、中学校で1級を持っている子もいた。私に言わせると、この文科省の報告が事実なら(事実だが)

「中学校の英語の先生の9割、高校の英語の先生の8割は不適格」

 といわざるをえない。

「何をえらっそうに!」

 と言われると思う。そのとおりで、自分も不適格だったと思う。それで、英検1級、京大を7回受けるという勉強をせざるをえなくなったわけだ。

 悪い生徒は想定していない。体罰禁止で手足を縛られたら、悪い生徒を押えつけることなどできない。努力した講師は

「怠けた生徒を相手にするために努力をしてきたわけではないのだ」

 と考えるし。 

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