「わたしの話,聴いてないでしょ!」と妻が言います。
夫であるあなたは内心,『聴いてるよ』とつぶやきます。
しかし,あなたが聞いたことは,妻が話したこととは違うようです。
それで,また口げんかになります。
そうした衝突を避けることはできます。
そのためにはまず,相手の話の大切な点を
なぜ聞き逃してしまうのかを知る必要があります。
聴いていると思っていても,聴いていない場合があるのです。
◆◆なぜそうなるのか◆◆
◆別のことを考えていたり,疲れていたりする。
夫が家に帰って来ます。
妻が話しかけます。今日の出来事について事細かに聞かせようとします。
子どもたちは叫び声を上げ走り回ります。
テレビ番組の音声がガンガン響いています。
あなたは職場で起きた問題について考えています。
妻は「ねー聞いてる」と聞いてきます。
あなたは,「うん,うん」とうなずきますが,
何を言われたか本当に分かっていません。
◆思い込みをする。
これをすると間違いを犯すことがあります。勘違いしてしまうことです。
配偶者が言おうとしているのは、きっとこう言うことだ,
と決めつけるのです。先走るといいます、
例えば,「最近はずいぶん残業が多いのね」という妻の言葉を皮肉と解釈し,
「僕のせいじゃないよ!残業しなければならないのは,
君が無駄遣いするからだ」と言います。
妻は,「何で私のせいになるの!」と怒ります。
◆性急に解決策を見つけようとする。
ある妻の声
「自分の気持ちを聞いてほしいだけの時もあります。
でも夫は,どのように解決したらよいかを話そうとします。
わたしは,別に解決策を求めているのではなく,
どう感じているかを知ってもらいたいだけなのです」。
そのため,妻の話の一部は聞き逃してしまうのです。
では,どうすれば相手の話をよく聴くことができるでしょうか。
◆◆ どうすればよいか ◆◆
◆注意を払って聞く。
誰かが大切なことを話そうとする時、いつも聞く姿勢になっていますか。
心から耳を傾けるにはこちらの心が真剣でなければなりません。
また、相手に愛や敬意を感じていなければなりません。
あなたが別のことを考えている最中だとしたら,
聴くふりをしてはなりません。
できれば,今している事柄を脇に置いて,注意を払って聞きましょう。
あるいは,話を聞けるようになるまで待ってくれるかどうか,
尋ねてみてもよいでしょう。
聞くことに速く,語ることに遅く,憤ることに遅くあるべきです
◆交互に話す。
自分が聴く番の時は,
話を遮ったり反論したくなったりする気持ちを抑えてください。
後で話すことができます。
最後までその人のいう事に耳を傾けてください。
聞かないうちに返事をするなら,それはその人の愚かさであり,恥辱である。
◆質問をする。
聞き上手はまず質問力の問題です。
質問をすると,配偶者の話を理解しやすくなります。
相手の考えを引き出すのに質問をします。
どう思いますか。
要はこういう事ですか。
ある妻の声
「夫が質問してくれると,うれしくなります。
わたしの言おうとしている事柄に関心を
持っていることの表われだからです」。
◆単に言葉を聴くのでなく,真意をくみ取る。
相手の目を見て話してください。心と心の対話を求めて下さい。
相手から目をそらさないで下さい。
身ぶり,目の動き,口調に気を配りましょう。
相手が「いいです」と言って時は,「嫌」という意味かもしれません。
それくらい汲み取れますね。
また,「家族が誰も助けてくれない」という時は,
実際には,「みんなから避けられている」「愛情が無いんだ」
という意味なのかもしれません。
ですから,言葉に表われていない真意をくみ取るようにしましょう。
そうしなければ,相手の意図に注意を払わずに,
その言葉を真に受けて言い争ってしまうかもしれません。
心をくみ上げて下さい。しかも、好意的に受け止めて下さい。
◆常に耳を傾ける。
基本的に自分の意見は言わずに、最後まで相手の話を聞くこと。
何か言われて不快に感じるとしても,
無視したり,怒ったり、逃げ腰になってはなりません。
相手が怒っていても耳を傾けましょう。
配偶者の言葉を誠実に考慮する必要があります。
苦々しい思いを持っていると、その人にとって
どの日もみな悪い日になってしまいます。
しかし,心が善良であれば、動機が正しいのでいつも平安があります。
人の声は良い動機で耳を傾けましょう。
◆誠実な関心を払う。
人の話を誠実に聞くことは、
その人に対して愛と敬意を抱いている事の証拠です。
それは、単なる技術ではなく,愛の表われです。
配偶者の語ることに誠実な関心を払うと,
聴くことは嫌々ではなく自然に行なえるようになります。
「おのおの,自分のことばかりでなく,他人のことも考えなさい」。
聖書のアドバイス
「聞くことに速く,語ることに遅く,憤ることに遅くあるべきです」。
「聞かないうちに返事をするなら,それはその人の愚かさであり,恥辱である」。
「賢い者たちの耳は知識を見いだそうと努める」。
何かを話そうとする場合、聞いてほしいと思う時には、
相手の注意を引いて、必ず聞いてもらえるかどうかを見極める。
別の都合の良い時に話すほうがよいかも知れません。ペテロ第一3:8。
唐突に話してもその人が耳を傾けやすい状況になっていないなら,
どんな大切な情報でも伝わりません。
聞くことに速くです。