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家族のコミュニケーション-その7  たたかれる妻―その1

Image by Olia Gozha

たたかれる妻―その背後にあるのは何か

 

今回のコラムは聖書研究を中心にして、この問題を考えてみませんか。

 

■妻を殴るのはどんな種類の人ですか

家庭内暴力というと,粗暴な飲んだくれを連想しがちです。

しかし,家族内の暴力がそのような人に限られている訳ではありません。

 

「知的報告」というコラムはこう述べています。

「家庭内の暴力は,人種,階級,そして背景の別なくその影響を及ぼしている。

それは広く行き渡っており,中流階級の上層部でも,

下層階級と同じほどのひん度で起きている」。

(パレード誌,1977年10月16日号,18ページ)

 

「殴られる妻:静かな危機」という本は次の点を指摘しています。

「たたかれた婦人たちの同僚の話によると,

その被害者の中には,医師,弁護士,大学教授,

果ては僧職者などの夫人もいる。

配偶者虐待に関するゲレス博士の調査によると,

暴力行為の最も多い家族は,収入の最も多い家族である」―7ページ。

 

家族内の暴力があらゆる種類の家族をそこない得るのは,

そして実際にそこなっているのはなぜでしょうか。

ほとんどの社会学者の見過ごしている,根本的な理由があります。

 

それを知っていれば,ご自分の家族について考えていようと,

親しい友人や親族の家族について考えていようと,

問題の根源を識別するのに役立ちます。

 

 

■■家族生活に何が起こったのか■■

 

家族生活を扱った最古の記録である聖書の中には,

最初の人間夫婦が完全なものだったことを示しています。

 

最初の人間であったアダムとその妻エバ(イブ)には不完全さ(罪)が

ありませんでした。

つまり二人の考え,行動,そして感情は,正しく釣り合いの取れた状態に

あったことを示しています。

ところが,その後二人は神にそむいたために,当然の結果として不完全に

なってしまった。と聖書は記録しています。

 

これはどのような事なのでしょうか。

神の導きなしに人間は幸福にはなれないと聖書は指摘しています。

最初の夫婦はその神の導きを嫌って、独立の道を歩み始めたのです。

 

その不従順の結果の一つとして,神の保護の無い生活がどうなるかを示して、

神は女にこう語られました。

「あなたは夫を慕い求めるが,彼はあなたを支配するだろう」。(創世3:16,新)

 

夫婦の関係はバランスを失いました。妻は夫に依存する,夫は自分の頭としての

権威を間違った仕方で行使し,妻を殴る暴君になることを予知されました。

 

ですから,家族内の暴力のすべての事例に共通する要素は何ですか。

それは人間の不完全さです。

 

ですから,家庭で暴力を振るうようになる邪悪な種は,

貧富の差や学問のあるなしにかかわらず,わたしたちすべての内

(不完全さ)にあるのです。

ですから誰でも、どの家庭でも問題を抱えていると言えるでしょう。

 

 

■家庭内暴力の発芽と開花を促すもの

欲求不満,アルコール,意思の疎通の欠如,嫉妬,疎外感,あるいは不安などは,

暴力の種の発芽を促す水の中の養分のようなものです。

これらの要因がどのように問題を引き起こしているかを見てみましょう。

 

 

■欲求不満の男性―暴力を振るう男性?

一人の医師はこう論評しています。

「我々は妻を殴るという行為を,多大の欲求不満と緊張の見られる社会という

背景に照らし合わせて見なければならない。

現在、多くの人は経済上の緊張と失業が深刻化する,異常な時代に住んでいる。

こうした種類の圧力は,必然的に,家族にもいつの間にか影響を及ぼす」。

 

場面を想像してみて下さい。

神経の張り詰めた主人が仕事から帰って来ます。相当疲れています。

その主人は朝,出勤するときすでに疲れていたかもしれず,交通渋滞や地下鉄の騒音

にうんざりしていたかもしれません。

職場では,再三再四顧客や上司に責められました。

しかし,そのうっぷんを内に秘めておかねばなりません。

そして,やっと家へたどり着いたと思うと,子供は泣きわめいているし,

妻は待ってましたとばかりにもっともらしい不平を並べ立てるといった具合です。

さて,どんなことが起きるでしょうか。

時には,欲求不満と緊張が高じて,暴力の形で爆発する場合もあるかも知れません。

 

職を失う恐れがあるので上司を殴り付けることはできませんし,

交通渋滞をたたくわけにもゆきません。

しかし,その妻子こそいい迷惑です。

 

ある結婚問題相談家はこう述べています。「男は怒っても泣くべきではない。

握りこぶしで壁をぶち抜くほうが男らしい。

ただ,その壁が自分の妻になってしまうことがあるのだ」。

 

何か大きな争いがあって初めて暴力沙汰になるのですか。

いいえほとんどの場合、ごくささいな事柄かもしれません。

 

例えば,夕食が時間通りに準備されていなかったり,

妻の態度が横着で反抗的だと思ったり、

妻が勝手に何かの契約をしてしまったり。大きな買い物が届いていたり、

趣味の習い事をしたいと言い出したり,

性の営みを持ちたくないと言ったりすることです。

 

緊張して,欲求不満の高じた夫は,そのような要素を自分の権威に対する挑戦と

みなすかもしれません。

そこで,怒りを爆発させて,暴力を振るうのです。

 

箴言14章29節はこう述べています。

「怒ることに遅い者は識別力に富む。しかし短気な者は愚かさを高めている」。

 

怒りにまかせて自分の妻子をたたき,積り積ったうっぷんを晴らしてしまうと,

それは二度目の殴打へつながります。

 

二人の法律学者は,虐待された妻やそうした問題を扱う役人を聞き取り調査しました。

「妻をたたくことは,一度だけの不幸な怒りの爆発ではなく,

慢性的様相を呈する傾向がある。

二人が話し合った婦人の[95%]は,結婚して一年以内にもう殴られ,

その暴行は年を経るにつれてひん度を増し,一層暴力的になる傾向が見られる。

抑制されなければ,最終的には死という結果を招いたかもしれない。

 

……多くの場合,怒りを燃え上がらせたのは,比較的にささいな問題だった。

それは明らかに,より根深い憤りや以前からのうっぷんを爆発させるきっかけに

すぎなかった」。

結婚一年目は,新たな圧力がうっ積しやすいので,特に危険な時期です。

 

夫婦双方が互いに相手に合わせようとすることに加え,夫のほうは今や経済上の負担が重くなるのを感じます。

そして妻が妊娠すれば,それは夫への圧力を増大させますし,

妻が妊娠、出産に感動を覚え,赤ちゃんのお世話に掛かりきりになって

夫の欲求を満たすことが出来なくなります。

夫の怒りやねたみを引き起こすことになるのです。

それが暴力につながります。

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