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16/12/30

2月の1話 思うように進まない研究

Image by Olia Gozha

 1月初めに論文を読み終わった報告をした後、ボスが、私の研究に役に立ちそうなデータを集めるために、研究仲間にメールをしてくれた。(本当は私が考えてボスにお願いするべき箇所だったに違いないが、私はそれを思いつかないらしいと察してくれたに違いない、と今は思う。)

 それから1週間くらいの間に、5、6人くらいから返信が返ってきて、その内容を自分なりに頭に入れて、さあ、次どうしたらいいのか?と何もできずにいた。今思えば、データの取り扱い方も、データから意味を見出すことも何も知らなかったから、ただ、指示されたことをやって、1つ出来る度にボスに聞きにいく、という過ごし方をしていた。

 しかしその過程でも、サボっていたわけではない。データ処理をするプログラムを読み解くのに、結構必死だったのだ。

 複数日分の衛星データから、その平均値を計算して図に表すのに、既存のプログラムがあったので、それを使わせてもらえたのだが、プログラミングに使われている言語が特殊で、使えるようになるまでちょっと苦労が必要だった。どこで何をしているのかよく分からなかった。また、変数やコメントなど、フランス語で書かれていることも頻繁にあり、余計に推定しにくかった。先生に聞いても、「いつもそうしてるから」などとクリアな答えは返ってこない。インターネット上にヘルプ(英語)はあったのだが、イマイチ分かりにくかった。だから、自分で1つ1つ検証を繰り返して、そのプログラムを読み解いていた。

 そんなこんなで、自分としては頑張っているのだが、時間は刻々と過ぎていた。


 1つの救いは、3月に予定されている海上調査に一緒についていけることだった。旅費、飲食費まで全て研究所持ちだという。ボスが、調査の仲間の1人として加えてくれたからだった。このボスは、本当に、学生の気持ち(研究面、経済面、生活面も含めて)をよく気遣ってくれるボスだった。

 とりあえずその調査で取ってきたデータを使って、私の研究はぐぐっと進むはずだったので、しばらくはそんな地味な時期を過ごしていた。


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