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16/12/28

アメリカ留学した17歳のはなしpart.1

Image by Olia Gozha

高校生になった私は

学校である通知を目にした。

「アメリカの姉妹都市への交換留学生募集」

の張り紙。


中学生の頃、アメリカ映画が大好きで

休みの日はレンタルビデオを1日中見て過ごしていた。

中でも、「天使にラブソングを 2」

が大好きで、アメリカの高校生活に憧れを抱いてた。


そんな私はすぐに

「行きたい!!」

と思って、応募することに即決した。


なんせ、住んでいる市の友好都市事業なので

無料でいけるのだ。



募集人数は2人。

募集がはじまると、私を含めて7人の応募があった。

やる気だけは人1倍あるので、

その辺が良かったのか無事その2人に選ばれ、

交換留学に行けることになった。





そんなこんなで出発したのは高2の夏。

7月と8月は留学先は夏休みなので、9月から市が提携している高校に通うことに。

そこから翌年6月までの10ヶ月間の中期留学。


不安と期待で胸いっぱいの私はドキドキしながら飛行機に乗った。



2回ほど飛行機を乗り継ぎ、

留学先の空港にたどり着いた。


空港にはこれからお世話になるホストファミリーが迎えに来てくれていた。

アフリカ系アメリカ人の母娘2人の家族だった。

ホストマザーはアフリカ系の中年の女性の典型的なぽっちゃりがっちりした体型。

白髪交じりの髪は木ノ実ナナ風のふんわり具合いでボブにした感じ。

性格が強くて包容力がある雰囲気だ。


ホストシスターは私の1歳年下で16歳。

同じ高校に通う子らしい。




インターネットもあまり普及していなかった1996年のこと。

何の前情報もなくホストファミリーは決まってるよ。くらいの

情報量で渡米したので、

「どんな人なのかな〜?いい人だといいな〜・・」

と思いながら飛行機に乗っていた。



2人が暖かく迎えてくれたのでホッと安心した。

車で家まで大きなトヨタのランドクルーザーで連れて行ってくれた。

海外で日本車にのれてなんだか誇らしい気持ちになった。


私は、ブラックミュージックが大好きで、

特にモータウンサウンドが好きだった。


車の中ではたどたどしい英語で、

「サムクックが好き。」

(サムクックとはソウルミュージックの黄金期に活躍したとっても有名なソウルシンガー。)

と伝えた。



すると、

16歳のホストシスターは無反応で、

中年のホストシスターがとても喜んだ。



日本では、ブラックミュージックが好きなのは

いけてる高校生だと思っていた私は

その反応が意外に感じた。


ソウルミュージックは昭和の歌謡曲のような扱いだった。



家に着くと、ホストマザーがトマトパスタを作ってくれた。

お腹が空いていたので嬉しくて、

「thank you!」

といって喜んで食べたら、意外にも激マズだった・・・・


まぁ、残すわけにはいかないので、

完食し、「どう?」と聞かれ、

感想を詳細に伝える英語力もない私は

「Delicious!!」(美味です)

と知ってる単語で乗り切った。


ホストマザーは

「She said 'Delicious'!!」

といって予想以上に喜んでいた。



何でこの単語でこんなに喜ぶのか違和感を感じていたけど

後でわかった。



英語で

「おいしいです〜。」

という時は、大抵

「Good」

という単語をつかう。

「It's good」とか。



日本の学校で習う、「おいしい」の意味

「Delicious!」

という単語は、現地の感覚をそのまま訳すると、

「めちゃくちゃ美味しい!!」

という感じの仰々しい単語。

しかも高級料理にぴったりで、家庭料理に対してはあまり使わない。



そんな単語をのうのうとつかってしまった私は、

ホストマザーをものすごく喜ばせることができ、結果的には良かったのかな(笑)



日本の学校で習った英語って本当に使えないんだな〜

としみじみと感じた初日だった。


























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