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16/12/17

曲がった左手の親指 その4

Image by Olia Gozha

親指を見て思ったこと

腫れ上がった親指を湿布で覆い、いつものように会社へ。

何人かに湿布した指の事を聞かれたが、曖昧に応えて濁す。

現場のマネージャーという立場だから、基本的に事務作業が

中心だが、パートさん達の休憩時間の間も搬送ラインは稼働

だから、その間は現場に入って作業した。


専用カッターを右手に、搬送ラインに流れて来る商品ケース

を作業台に移し、左手で商品ケースを反時計回りに回しながら

カッターで上部をカットして、再び搬送ラインに戻す。

いつもならラインが詰まらないように、素早く次々とカット

してるのに、親指が使えない上、激痛が走ってうまく出来ない。

3ライン順番に移動しながら、搬送ライン上に商品ケースが滞留

しないように頑張るが、追いつかない。それでもあがいてみる。

"ここまで会社に忠誠を尽くす必要があるのか?"

そんな事を考えながらも、搬送ラインの流れが滞る事ないように

必死で作業してる自分は、周りからどう見えるのか、、、。

いや、この際どう見られているか、何て意味がない。

大切なのは自分自身の気持ちは、どうなのか?納得してるのか?

答えは、出ている。もうとっくに出てるのに誤魔化していただけ。

ただ、踏ん切りがつかず悶々と日々を過ごして、休日も何となく

気が重い、特に夕方の憂鬱さは尋常じゃない。


この状態で60歳、いや65歳まで働くのか、いや働けるのか?

こんな環境に心身が耐えられるのか?

この仕事は、心身に負担をかける価値、意味があるのか?

この仕事は、一体誰の役に立っているのか?

その見返りとして、何を得ているのか?

人生の終わりの日に、走馬灯のように流れるという過去の

映像に、この仕事をしている景色はあるのか、、、。

そもそも、本当にしたい仕事はこれなのか?

そもそも、お前が生きたいと思える人生を、生きてるのか?

腫れが徐々に引いていくにつれて、時間が経過するにつれて、

この思いが強く、はっきりと、誤魔化せない事として明確に。


50歳の自分は折り返しの坂道を下っている、という事実。

これから先、衰えるスピードが増していく中で、生きる現実。

今、答えを出しておかないと、きっと後悔する。きっと。




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