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16/12/10

曲がった左手の親指 その2

Image by Olia Gozha

会社を辞めた経緯

勤めていた会社は、医薬品や日用雑貨などを扱う物流卸でした。

ドラッグストアチェーンを主な顧客とし、業界でもトップシェアを

争う一部上場企業であり、その業界内で他社を吸収しながら現在の

規模にまでなった会社。でも入社したのは別の会社。


私が幹部候補として入社した会社は、ユニークなネーミングで有名

な製薬会社(実際は化学系)のグループ会社で、3PLの物流子会社。

結果から言えば、親会社はこの物流子会社を含めた商事物流部門を

売却する予定だった。私が入社した時点で既にその流れだった。

その売却にあたり高い評価(つまり高く売却する)を得る為に、様々

な改革を行なっていた。拠点の統廃合なども行っていた。

その為に、既存のメンバーでは改革が進まない状況から幹部候補

として採用を進めていた、と後から理解できた。

だから、最終的に現在の企業名になるまでに、吸収された会社の

社員を中心とした早期退職募集(リストラ)も後々行われていく。

様々な企業を吸収してきた会社らしく、勝ち組と負け組が混在した

何とも言えない雰囲気があった。

それでも勤務先として、企業規模、福利厚生、待遇も悪くないと思った。

サラリーマンとして徹すれば、安定した収入を得られ、健康であれば

65歳まで働けたと思う。あくまでも健康であれば、、、。


親指が曲がった日の事

私が勤務していたのは、あるドラッグストアチェーン向の専用物流センター。

営業部門も同居し、物流社員25人、400人ものパートが現場で働く規模。

4層構造の、ほぼ24時間稼働のセンターで、日勤と夜勤のシフト勤務。

辞めた当時、私は最上階の返品、加工部門のフロアー長でした。部門として

小さいけど、機械化された作業ラインの調整も必要な重要なフロアー。

部下社員、パートの労務管理、業務管理、同居している営業部門との対応、

顧客担当者、関係者との応対。くだらない週3回の会議も。


確か11月だった。急に顧客対応で物量が急激に増える状況になり、当然、

物量増加に対応する準備を進める筈が、物流では必須のオリコンが不足。

その原因は顧客側で勝手に(つまり契約違反)取り込んで使用しているから。

なのに、こちら側で何とか対応しようと。急遽、午後に対応検討して、

(物流に携わる人以外はどういう状況かイメージ出来ないかも、、、)

その結果、営業部門に応援要請して、使用中のオリコンを詰め替える作業

つまりダンボールに中身を詰め替え、オリコンを確保するという人海戦術。

それも急に決定して、夕方から営業部門から30人程応援来るから対応しろ、

と言われ、作業スペースの確保、作業動線の確保、資材の準備。

当然ながら、通常の業務しながら、応援もない状況下で準備が間に合わず。

予定数が3,000箱分の準備が簡単にできる筈ないのに、、、。


夕方になり、営業部門の応援がやって来た。ガヤガヤ言いながら来るなり、

(応援に来てやったの雰囲気が丸出しで)、

「早よ片付けようや、、」「早よ指示して」


まだ準備が出来ていないから、もう少し待って欲しいと言うと、

「せっかく応援来たのに時間がもったいない、、」

「準備しながら指示してくれや、、」


何とか対応しながら作業してると、イライラ感丸出しで

「段取りが悪い、、ちゃんと指示しろ、、」

「応援来た我々に準備不足の謝罪しろ、、」


これを書きながら、今でも怒りがこみ上げてくる。

そもそもの原因は、営業部門の担当者が顧客と折衝して解決すべき

問題なのに、契約通り速やかにオリコン返却してれば発生しない事

なのに、物流現場に責任全てを押し付けて。

どんな業界でも、結局は現場にしわ寄せがいく、その典型例。

そんな状況が4時間続き、それでも22時頃には作業が終わった。

そして誰もいなくなった作業フロアーで、1人残って残務処理を始めた。










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