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13/5/9

すべてのコーヒーにストーリーがある ⑤ ~焙煎のはなし~

Image by Olia Gozha

焙煎とは

 コーヒー豆は通常、グリーンな生の状態で出荷される。麻袋に詰められ、適度のな温度、湿度を保ち、船に乗ってやってくる(大部分のコーヒー豆ということだが)。

 その船に乗せるまでが生産国の仕事で、多くの自家焙煎コーヒー店はそのグリーンな豆を仕入れて、各々の店で焙煎し、提供する。まれに、自身で買い付けを行う、ダイレクトトレードをしている店もあるが、まだ少数派である。

 ともあれ、コーヒー豆の栽培が極めて困難な日本において、コーヒー店が手をかけられるのは焙煎から、ということになる。

 生豆の状態をグリーン、それに火を通していき、徐々にシナモンロースト(以下ロースト略)、ミディアム、ハイ、シティ、フルシティ、フレンチ、イタリアンと段階を踏んで深煎りになっていく。浅煎りであるほど酸味が強調され、深煎りになるほど苦みが強調される。

 焙煎というものは人それぞれに持論があり、目指すべき味が違うので、どれが優れているとか、どれが正しい焙煎ということは言えない。作る人と飲む人の価値観が合えば、それが正解なのだ。

私の焙煎に対する持論

ということで私の持論を語ろうと思う。

 私の持論。それはコーヒーは果実からできている。だからコーヒーは果汁のような甘みと、とろっとした質感、そして程良い酸味が必要であると考える。

 ということで、私が目指す焙煎はハイローストとシティの中間。酸味が少し和らぎ、甘みが十分に引き出された段階である。

 これも私の持論だが、深煎りの苦みは「焦げ」であって、コーヒー豆の持っている味ではない。過度に深く煎ってしまうと、コーヒーが本来持っている果実の成分を飛ばしてしまい、黒く、苦い液体になる。これが好きという人もいる。

 焼き肉を食べに行って肉を焦がした方が好き、と言っているのと同じ感覚。激レアの生肉のようなのも、過度の浅煎り豆と同じ。ちょうど良い焼き加減というものがあるのだ。

 というのが私の持論。これが全てではないし、正しいわけでもない。深煎りのコーヒーでもおいしいものはないわけではない。

 大事なのはそのコーヒーにフルーツを感じられるか、ということ。

 それを焙煎で表現することが、一生懸命コーヒーチェリーを育てたコーヒー農家の人たちへの敬意である、と私は考えている。


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