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13/5/6

形容

Image by Olia Gozha

丘洋子さんのストーリーを読んで、

前職をやめた時のことを思い出したので、書き連ねてみる。


退職という節目

イケメン「「どうして前の職を辞めたの?」」

とよく聞かれる。やめた当時はなんの迷いもなく辞めた。

まぁよくブラック企業として名高いところも有り、様々な面を体験し、体験談を聞き、それなりに不満もあり、様々に積み重なって辞めたんだけど、最終的に得た結論は、これだった。

「「このまま30歳、35歳を迎えたくなかったから」」

勿論、キャリアアップでもしかしたら海外に行くかもしれないし、本部勤務になってちがう世界が見れるかもしれない。もしくは進んでいくうちにマネジメントを生かして独立するかもしれない。

福利厚生もしっかりしていて、今後キャリアを繋げていけば、年収もついてくる。これだけ大企業でも、判断基準を揃え(ようとして)ていて、悪いことは悪いと声を通しやすくしている企業ってあまり聞かない。

仕事の内容はばりばりドラッカーのマネジメント。正直言えば楽しい。至らない点ばかりだったけど、楽しかった。迷惑しかかけてない。でも楽しかった。労働時が240時間でも、全員経営宜しく、バイト、準社員、社員、全社の一体感をもって取り組んでいる感覚はちょっとした高揚感もあった。


でも辞めた。


「この半年で結果が出なかったら辞める」

と決めていたので、半年後に結果が出なかったので、辞めた、というのも理由だけど、極々小さなきっかけ。自分で決めたこととはいえ、「半年後に路頭に迷う」のはかなり不安であり、でも逃げ道を作りたくもなく、転職活動は一切しなかった。転職サイトに登録さえしなかった。自分で自分を試していた。

そんな追いつめられた状況にいたら、今の仕事の枠を超えて色々見るようになった。(生まれてから今まで、何に興味を持ち、歩んできたのか。今の興味は何か。大切にしたい価値観は何か。今触れたい人、モノ、コトは何か。どうして私はここにくる選択をしたのか?)

今まで僕が置いてきた点を改めて振り返ったとき、その点と点が「繋がってしまった」と思った。迷いつつふらふらとした道のりではあったけど、でもけもの道くらいにはなっていた。

2010年12月末の結果に向け、予想しながらも、振り返り、今立っている場所を見つめ、再び前を見たときに、道は1本しかなかった。この先にある30歳、35歳・・・と歩んでいく先は、ここにはなかった。

だから、明るく「これで辞めます」と言っていた。

(優柔不断な自分がここまでブレないのも凄いなとメタ自分でも感心してた。)


困る問いかけ

結果はシンプル。

でも辞めた理由はそれ以上に複雑に絡まっている。

辞めたときに周りを見渡すと、働きかたについての話題に耐えない時期だった。

フリーランスだ、ノマドだ、ブラック企業だ、2,3年で仕事を辞めたと色んな話が飛んでいた。

少年「「どうして前の職を辞めたん?」」

正直すごく困る質問。

「「このまま30歳、35歳を迎えたくなかったんよ」」

と答えると続くのは、

少年「どういうことなん?」

となる、よね、そりゃ。曖昧すぎる回答故に仕方ないんだけど、この後のことって、正直あんまり語りたくない。

すると

青年「あれやろ、ノマドとかやろ?ブラックで大変やったん?」

となったりする。

僕の「辞めたこと」が形容されやすい時流にのってしまう。

そして、安易にその文脈で形容され、語られやすい。自分も、語ってしまう。あら


少しずつ、少しずつ、その理由も変化している。

でも簡単に「これです。」と言葉にしたくない。

決めつけたくない。この曖昧さが答えなんよ。

やけん、これに至ったまでのストーリーなら、少しくらいなら、語れる気がする。


結論、理由、具体例を学んだとしても、これだけは、できひんわ笑


明確な答えや回答を持っている訳ではないことを上手く言えれば良いのだけれど、丘さんのSTORYを見て、

「安易に形容されたくないな。分かりやすくするって、自分にも影響を与えてくるから怖いよな。」

と思いたち、こんな長文に、、、でも、書いて良かった。


肩書きを付けない、形容しない自分

言葉にすること、明確にすることはすごく大事なことで、人に協力を求めて、大きな仕事を実現する上で必要な面が多いけど、曖昧さをもって進んでいきながら、形作って、物語っていくことも面白いんだけどな。

社会にコミットしていく手段の1つではあるけど、コミットする社会は選んでも良いと思う。自分が何者か分からないままでも、肩書き等無くても、アイデアを元に人が集まって、作り上げていくことは楽しい。

手ののばせる範囲で、作れるものを作っていくとき、自分が何者なのかって関係なくて、

「取りあえずこれなら出来るよね」

とスキル、素材を持ち寄って、1つずつ解決していく。文殊の知恵を期待はしなくとも、そういう社会との繋がり、生き方もあるよな、と最近忘れかけていたことを、ここに書き留めておく。

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