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16/11/29

【おしゃべりな胎児22 ~うまれる~】子宮と胎児が教えてくれたちょっぴり不思議でおもしろい妊娠と出産のおはなし

Image by Olia Gozha


◆第二十一話◆ ~うまれる~




胎児(ペルたん)「もう、いいでしょ」



おしゃべりな胎児による”破水スイッチ”で始まった出産。

陣痛開始から分娩までは約6時間半でした。




初産で6時間半というと一般的には安産な方とも言われますが

楽なだけのお産ではありませんでした。


本当に本当に、ペルたんと私の身体が一体になるのを体感しました。





破水が起きてすぐに始まった陣痛。

助産師さんを含め、お産のベテランさん達にこれまでに聞いた言葉が頭の中で再生されました。



助産師さん「陣痛が来てもすぐには産まれないから大丈夫!陣痛が規則的に10分間隔になったら連絡してね。」



きっと陣痛があって規則的になるまで

しばらくは余裕があるんだろうと若干高をくくっていました。



「陣痛中に赤富士描いてベビ待ちさんにプレゼントすると縁起がいいってジンクスあるし陣痛が弱い内に描いておこうかな。」


そんなことを思ったのもつかの間

最初に時間を測り始めた時からいきなり5分間隔。ほぼ規則的。




いきなりペルたんズンドコ祭りーーー!?





すぐに助産院に連絡して1時間後くらいに行くことになったんですが…

自宅を出る頃には大体2分間隔


陣痛と陣痛の波の間は1分ないくらいでした。



余裕なし。赤富士とかムリー(笑)

と、怒涛の勢いで始まった私とペルたんのお産。





「ぁあ〜〜〜〜〜ぁっっっ!!!いーだーいーーーーっ!!!」


陣痛の波とともにめちゃめちゃ叫ぶ。叫ぶ。


自分の中のものを声と一緒に出し切っていた感覚です。

まさにデトックス。




お産の間は自分の中で、次々といろんな声が聞こえ、感情が溢れてきました。



「もうすぐペルたんに会えるんだ!。:.゚ヽ(´∀`。)ノ゚.:。+゚」


という喜び





「そこに手置くと余計痛くなるんだよ!」


「こっちは命がけなのに眠そうにしてんじゃないよ!!!(゚Д゚#)」


寄り添ってくれている旦那さんへの理不尽な怒り(笑)





なかなかお産が進まない時には


「こんなの産めないよ。もう無理だよ。(´□`。)」


という哀しみ




ようやく生まれてきてくれた時の

なんとも言えない心の底からの喜びと幸福感




次から次へと感情が湧き出てくる喜怒哀楽のジェットコースターのようでした。





子宮口が最大まで開くまではすごく早くてあっという間だったんだけれど

そこからペルたんが産道を通って出てくるまでが時間かかったのです。



初産の私の産道が少々硬かったのもあるし

ペルたんにへその緒もひと巻きしてました。



さらには通常出産した後に剥がれる胎盤が、分娩の最後の方に早く剥がれてしまったらしく

最後の数分は十分にペルたんに酸素が行き届いていない状態だったのです。

(※常位胎盤早期剥離に当たります。)

この原因は不明なのですが、あと少し早く剥がれていたら母子ともに危なかったのだとか。


 

 

だから最後はペルたん苦しい状態だった。

私の身体もしんどかった。




それでも。

全身全霊で「うまれる」と決めて出てきてくれました。




余裕がないなりに、分娩中に子宮さんに意識を向けてみたのです。


子宮&身体の声「産む!!!産むんだ!!!」


この言葉しか聞こえなかった。

最後はペルたんと私の身体中の細胞が一致団結して全神経を産むことに集中していたのです。




産まれてすぐ助産師さんたちが適切な判断と処置を施してくださったので

結果的に母子ともに無事に出産を終えることができました。

本当に感謝しかありません。





最初に私の胸の上に乗ってくれた時のうにうにするペルたんの動きが

お腹の中での動きと全く同じで


「この踵だーーー♡」



愛おしさを感じるとはまさにこういうことなのでしょう。







いろんな事があったけれど全部ひっくるめての「感じるお産」だった。

胎児のチカラ・身体のチカラを感じ、信じるお産でした。





出産は命がけって本当だね。

どんな出産も素晴らしいって本当だね。






うまれてきてくれて、
ありがとう。







——

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◆このお話は、私の妊娠中の時感じていたお腹の中の胎児「ペルたん」とのやり取りを綴っています。

よろしければプロローグからお読みくださいませ◆

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