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16/11/2

「運」だけは持っている男(2)

Image by Olia Gozha

幼少期(小学校入学前)

 厳格な菓子職人の家に生まれ、賄いの叔母さんの手伝いや掃除を幼い姉と共にしていた(物心つくまで「普通」だと思って)昭和40年代、東京オリンピックも終わって高度成長の頃です。

菓子工房兼3階建て自宅の掃除を、住み込みの若い衆が忙しく働く中「普通に」掃除していました。

そんな6歳の春、近所に住む祖父母(創業者)の自宅へ「賄いの夕食」を届ける日課。

夕方頃でしょうか?何時もの道を、いつものように歩いて向かいます。

体は大きい方でしたが、まだ6歳。爺ちゃん達の「夕食」が入った籠はかなりの重量でした。

信号のない横断歩道、路線バスのすぐ後ろを渡るのは大人でも危険!

当時の少年が分る筈もなく、普通に渡って・・・・・ガチャン!

その数秒前に戻ります。

頻繁に渋滞している市内の幹線道路、バス同志がすれ違うのはギリギリ。

片側に路上駐車が一台止まって買い物でもしようものなら、商店街は大渋滞。

そんな田舎町・三島の商店街で事故にあいます。

渋滞の中、横断歩道に車は無く大人も数人一緒に渡っています。

向こうからすれ違ったオジサンが「今なら大丈夫、あのおばさんの後ろに着いていきな!」と、

おばさんには乗用車は見えていたのでしょう、小走りで渡り切ってしまいます。

後ろを付いて行っている少年は重たい荷物・・・「運」悪くバスの後ろで乗用車には大人しか見えていない、狭い商店街を渋滞でイライラした青年の乗用車がスピードを出して向かってきます(少年には見えてません)数秒後・・・・ヒュ~っと空飛ぶ少年。(十数メートル飛んだようです)



なぜ?こんなにも鮮明に覚えているのか?

病院で警官に事情を聴かれている時の自分の様子。

病院の看護婦さんに友達のお母さんが居たこと。

プラモデルやおもちゃに囲まれた病室。(事故を起こした青年が毎日のように届けてくれました)

幼稚園の保母さん、園長さんがお見舞いに来てくれたことなどなど、その後の大事件(2年後)まで繋がる事なので鮮明に覚えているし小学6年生の自伝(ルーツ)にも使ったネタなので50を迎えた今でも鮮明に覚えています。

その後、商店街の人々が「あの時はさ~ぁ」って、話してくれていたからと言うのもあるでしょう。

実際に、「救急車、遅くなるから」(渋滞で)と、商店街の人達が手分けして、自宅へ連絡する人、配達用のバンに毛布を敷いて載せる人、付き合ってくれる人、お店の方(母親)に連絡する人…本当に商店街で助けられたんです。

実際のケガも「脳に異常なし」で、軽い打撲とかすり傷程度でした。

誰かが後に言ってましたが「ララは柔道一家だから」って、父や伯父、親戚は柔道家ですが少年は柔道してないし、受け見とれる訳ないじゃん。

カッコ付けついでに、事故にあいながら病院への車の中で「お爺ちゃん達のお弁当は?」と、すっ飛んだ賄いの食事籠の心配をしていたらしいです。(笑:ここは本人は覚えてません)

次回は、その事故から2年後の人生に影響を与えるもっと大きな「運」・・・悲運


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