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16/11/4

華やかゲイライフ〜Gの世界〜 第2話【ラスベガスと医者】

Image by Olia Gozha

舞台はラスベガス。



ヒロです。どうも。


アメリカに交換留学中、女友達2人とラスベガスに行こうってことになった。

ロサンゼルスの大学に通っていたので、バスで約6時間の道のり。

まぁ一生にいけるかいけないかだし、行っておくかと。自分を含め友達全員お金に余裕はなかったため、3人で1部屋を借りることに。2泊3日で一人あたり30ドル、バスも往復で50ドル。なんてお得な旅なんだろうか。



初日は女友達2人と、ジェットコースターや観光地を周り、楽しんだ。



2日目。女友達2人は途中で離れたところのショッピングモールに行きたいということで、別行動に。


自分はギャンブルなんかもしないし、お酒もタバコもしないから、ラスベガスで楽しめることなんて特になくて、夢のラスベガスで、暇になってしまった。せっかくだし地元のゲイの人たちと交流するかな。ということで、ゲイ御用達Grindr(世界中のゲイが使用するゲイアプリ。位置情報もついてるので、近くのゲイをリストアップし、チャットもできるすぐれもの)。



やはり観光地。南米からアジアまで世界中のゲイが大集合。なかには、ウリ専(ゲイに体を売る方々)もいらっしゃって、まぁそりゃあもうイケメンいっぱいで。



お金はないからウリ専はなし。アメリカ人もチンコがでかすぎるから嫌だ。やっぱアジア人がいいなー。とリストを片っ端からチェックしていると、一人からメッセージが。

チャック「こんにちは」

ヒロ「こんにちは」

チャック「観光ですか?」

ヒロ「はい。友達と旅行できています。」

チャック「そうなんですか。案内しましょうか?」

ヒロ「え、いいんですか?嬉しいです。会いましょう!」

チャック「では、ホテルまで伺いますね。」

えぇ。話がはやくてうれしい。

まぁ、ただゲイの「会う」という行為は「ヤりましょう」という意思表示とニアリーイコールですから。きっとGrindrのプロフィールと顔写真で自分のことを気に入ってくれたんですね。

うれしいうれしい。

相手のプロフィールは・・・

30歳、フィリピン人、ウケ。となぁ。

画像もそこそこかわいい感じ。校閲ガールのゲイ役、俳優の和田正人くんにそっくり。




ゲイの世界では、ウケ(英語ではbottom)、タチ(top)、どっちも(vers)が存在していて、自分は別にこだわりはないので、どっちも大丈夫なんですけど、ウケとタチがマッチすると話がはやい。


これはセックスするな。と思ったので、シャワーを浴びることに。

きちんとおしゃれをして、ホテルの前で待っていると。


8人乗りのでっかい黒いメルセデスベンツ・・・。



車の下からうすく青い光を発してる。


ヒロ「(絶対金持ちだ...)」

チャック「こんにちは、チャックです。よろしく。君は?」

ヒロ「ヒロです。日本から来ました。」

チャック「そうなんだ!俺はフィリピン人なんだけど、この場所に住んでるんだ。」

ヒロ「ラスベガスに住んでるんすか。お金持ちなんですね。それにこの車・・・。」

チャック「いや、ラスベガスってね。アメリカの中でもお金持ちのところだから、税金がほぼかからなくて、住みやすい土地なんだ。」

ヒロ「お仕事は、なにをなされてるんですか?」

チャック「俺は医者だよ。主に後期高齢者を診てるんだ。」

ヒロ「どおりで....。」

チャック「ところで、ラスベガスの看板には行ったかい?」

ヒロ「ラスベガスの看板?」

チャック「君知らないのか!なら、つれてってあげるよ。」

ということで、あのかの有名なWelcome to Las Vegasの看板(俺は知らなかったけど)へつれていってもらい、記念写真をとりました。おいしいご飯もおごってもらい、他のいろんな観光地をめぐり...。



チャック「今日はどこに泊まってくの?」

ヒロ「ホテル借りてるから...」

チャック「うちくる?」

ヒロ「いいの?(よっしゃ)」

チャック「おいで。」

ヒロ「そんなー。全然そんな気なかったんだけど!少しだけお邪魔しちゃおうかな!笑」

おうちは、泊まってたホテルから車で10分ちょっとのところにあった。ラスベガス郊外にある一軒家。車が他に2台置いてあって、2階建。そしてめちゃくちゃでかい。



ヒロ「ここ一人で住んでるの?」

チャック「いや、猫のミッツィーと2人だよ笑」

ヒロ「かわいいね笑 寂しくない?」

チャック「寂しいね。仕事も忙しいから、いつも一人で遊んでるんだ。」

ヒロ「彼氏とかは?」

チャック「数ヶ月前にいたんだけど、悪い人でね。」

ヒロ「悪い人?」

チャック「犯罪者だったんだ。刑務所に何度もはいって、その度に俺が保釈金を払って。」

ヒロ「やばいね...なんでそんな子と付き合ってたの?」

チャック「かっこよかったんだよね。彼20歳で若かったし。でも気づいたんだよね。彼が銃を俺の名義で買ってほしいとか言われたときに、いよいよヤバいと思って別れたんだ。」

ヒロ「(気づくの遅いだろ。てか10歳下と付き合うとか。)」

ヒロ「そうなんだ。災難だったね。」

ヒロ「もう慣れたけどね。こっちおいで。」

ヒロ「え?」

でっかいソファに座りぽんぽんと俺を招く。

いよいよか。


にしても、でかい家だな。この家の猫になりたい。外にプールがあるし、映画館にいるかのようなサウンド機器、でっかいテレビに。この家の猫になりたい。


チャック「どうしたの?」

ヒロ「いや、なんか恥ずかしくって笑(フィリピン人なのにアメリカ市民ってことはものすごいお金を政府に払ってVISAを手に入れた勝ち組ってことか)」

チャック「かわいいね笑」

ヒロ「あっ。んんん。(急なキスびびるわー。金持ちのキスってこんな感じなのかー。ほーっ。)」

急に襲われ、嫌がるフリをする俺。向こうがその嫌がる俺を見て興奮するのを感じながら、こいつの財産はいくらくらいなんだろうと良からぬことを頭の中でずっと考える俺。



そっからは、今後の人生に影響のある人間かもしれないという思惑から頭の中でお金の計算をしながら、アメリカンなセックスをはじめる。


いままでないくらい激しいセックスをした。


二人で裸になり、リビング、キッチン、階段、2階のリビング。そんでゲストルーム。ゲストルームは全部で3つあって全部にシャワーとトイレがついている。そのひとつひとつのゲストルームでオーガズムを越えるという謎なプレイを展開。




ヒロ「チャック、元気だね笑」

チャック「こんなの久しぶりだよ。」

ヒロ「泊まっていっていい?ちょっと友達に連絡するね。」

チャック「うん、もちろん。」

ヒロ「もしもし、ごめん俺だけど、今日帰れないわ。ワケは後日話すね。」

美菜子「もしもし、ヒロくん?え?どういうこと?ちょっと!」

ヒロ「オッケー。もうちょっとやろ笑」

チャック「よっしゃ笑」

やっぱりお金持ち。イッた後のアフターケアはすべてモフモフのタオル。しかもそれは使用後に捨てるという、彼自身ものすごい潔癖性な感じもする。スペックが高い。その日は二人で仲良く寝て、次の朝にデートをしようと言ってくれた。


まぁでも、デートプランをいろいろ考えてくれてたみたいだけど、もう大学の寮に戻らないといけなかったので、バイバイしてまた会おうねと約束。


その後どうなったかというと、何度も連絡をくれ、ニューヨークに一緒にいってくれないかとか、ヘリコプターをチャーターしたから、一緒に夜景を観に行こうなど、リッチなお誘いをしてくれたのだが、結局断ってしまった。


理由はバスで6時間もまた揺られていきたくないのと、彼のことはそこまでタイプではなかった。性格も肩書きも右に出るものはいないし、素晴らしかったけど、やっぱ見た目が好きになれなかったから、どうしようもなかった。それと、その頃、自分にはハリウッドで好きな人できていたのだ。次はその人のお話を。



次回へと続く。






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