前編をおさらい
前編 28歳大学生サラーリマンからの受験挑戦を読んで頂いて誠にありがとうございます。
簡単におさらいすると、フツーの高卒サラリーマン営業職が葛藤の末に偏差値40からの大学受験を決意し、半年で国公立大学に受かるという体験記でした。
今編では、実際にあった体験記を描きます。
ノウハウ等は読みたい方がいらっしゃたら書こうと思いますので、
宜しくお願いします。
おかげさまで、全国書籍化決定致しました。
作こすげまさゆき 画よこたちさ
かんよう出版 2016年12月発売予定
現在は、アマゾンで先行予約をしております。
もしご興味があれば。
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大学の洗礼
大学に受かった3月、ぼくは腑抜けになっていた。
気力を果たして、10キロ痩せていた。
ジャストサイズのパーカーがよれよれと動く。
とにかく受かった。
10日程、家に引きこもって眠りたいだけ眠った。
そして、ある日、まだ入学式も始まっていない校舎の側の芝生まで電車で向かい、
横になった。
あの頃の強烈な体験が走馬灯のように走る。
28歳大学生。
入学式の朝が来た。
久しぶりにスーツを着て、
大学の入学式に臨んだ。
若い子達がまぶしい笑顔をふりまいて歩いてる。
入学式が終わって、
サークルの勧誘活動の道を通った。
誰1人声をかけてこない。
孤独を感じた。
考えれば、当たり前だけど、
28歳のおっさんが歩いていたら、
大学院生か4年生かOBと勘違いされるだろう。
これから始まる大学生活には不安しかなかった。
ただ、1番の不安は卒業後の進路だった。
ぼくは勉強したいので経営系の学部に入ったが、
結局その勉強が役に立つのだろうか。
思い切って、入学後すぐに、
大学の就職課に向かった。
トントン
「失礼します。」
「就活性ですか?」
女性の職員の方に聞かれた。
「いや、ちがいます」
「実は新入生です」
その時、はっきりと怪訝そうな顔が伝わった。
「はあ」
「どんな御用ですか」
「実は・・・」
ぼくは、サラリーマンから大学生になった事、
そして、就職が心配な事を伝えた。
「そういうことでしたら、少々お待ち下さい」
少し待っていると、違う会議室にとおされた。
そこには、気難しそうなおじさんが座っている。
あとで分かった事だが、就職課の偉い方で、
NECの人事にいて教授になった方らしかった。
「何か困っているのか?」
ぶっきらぼうに言われたので、
一瞬ムッとしたが、
「実は・・・・」
丁寧にいいままでやってきた事。
今年から新入生になった事、
正直、卒業後が心配な事を話した。
「新卒採用は受けれますか?」
ぼくはプライドもへったくれも無く直球で聞いた。
少し間があり、
おじさんは口を開いた。
「君は、、、、、、ないな。」
ぼくは唖然とした。
ある程度覚悟はしていたけど、
入学早々に「ない」と言われるとは。
ぼくは、その部屋を一目散に退出し、
ベンチに座っていた。
周りの新入生がまぶしかった。
孤独
入学して早々、就職先が無いと言われ、
また、授業でも孤独で受ける事が多かった。
精神的ストレスからか、
大学のトイレで何回か吐く事もあった。
その時に母との大学を卒業する約束、
サラリーマン時代に勉強したかった事を思い出して、
もし、この先ダメでも、勉強する時間をもらえたんだ、
たとえこの先、友達が出来なくても、
就職が無くても、
本気で勉強しようと決意した。
はじめは同じ授業を受けている学生のヒソヒソがきこえてしょうがなかった。
「あの人、なんでいるの」
「きも!」
などなど。
ただ、決断したので、
授業を熱心に聞く事だけに専念した。
孤独との戦い。
時が過ぎていき、1年生の前期が終わる頃、
「なんで大学はいったんですか?」
「社会人って大変なんですか?」
などなど、ありがたい事に、好奇心旺盛な新入生に声をかけられる事が多く、
次第に一緒に授業を受ける事が出来た。
今でも、連絡をとっているが、本当に感謝している。
よく、今の若い奴は草食でとか、さとり世代で、とか聞くけど、
実際に会ったかれらは眼が輝いて希望に満ちて、
ジェネレーションギャップは感じるものの、
非常に面白い話をいっぱいしてくれた。
まるで世代留学をしているようだった。
有意義な時間を感謝してる。
本当に彼らはデジタルネイティブで、
様々な社会問題や、色んな事に関心をもち、
逆に勉強させられた。
この場でお礼を言いたい。
ありがとう。
そして、ぼくの大学生活は非常に楽しくなった。
授業が終われば、色んな話をしてくれ友達が出来た。
ずっと、勉強したかった、会計や英語、
ドラッカー、コトラー、ポーターなどの経営学者の本、
ケーススタディ、むちゃくちゃ楽しかった。
一生懸命勉強してるのが。
この時間が永遠に続くものだと思っていた。
それは、大学3年の時期にもろくも崩された。
就活の始まりであった。
理想と現実
頭に就職課のおじさんの言葉がよみがえった。
「君は、ないな。」
そうその時、ぼくは31歳就活生。
あるわけがない。
とりあえず、
どうしようかものすごく考えた。
この話はまた、別の機会にしますが、
とにかく、ありとあらゆる就活構造について勉強した。
ただ、ヤフー知恵袋にさえ答えは無かった。
まず、就活はインターンがある。
外資系などは早い。
外資系の説明会や、面接が先に始まり、
周りの友達にもリクルーターがつき内定者が出ていた。
嬉しかった。
嫉妬もあるけど、やはり彼らがいなければ、
ぼくは孤独だったので、純粋にお祝いをした。
そして、日系企業の始まりは当時はこんな流れだ。
2月説明会・エントリーシート
3月〜4月面接
5月頃内定
ちょうど、時は2月、
はじめての説明会に参加した。
いわゆるIT系の上場企業。
説明会場に着くと、
色んな社内の事や質疑応答があった。
ぼくは、個別の質疑応答の時に、
応募してもいいんですかと聞いた。
「卒業したら、中途採用のフォームに応募して下さい」
要は、案に断られた。
意外にも「まあ、そうだろう」と思っていたので、
ダメージは無かった。
ただ、エントリーシートを出すのをどうしようかなと。
常識は思い込み
正直、悩んだが、
10社にエントリーシートを出した。
IT系、メーカー、BtoBなどなど。
これで返ってこなければ、
どうしようもないと思って、
腹をくくった。
時は3月になった。
なぜだか、8社にとおった。
「へ?!」
正直、想定外だった。
完全なる想定外。1社通れば、もうけもんだと思っていたのに。
そしてSPIやGAB,CABも無事に通り、
初めての1次面接を迎える。
ドクンドクン
待合室で心臓の音が聞こえる。
1対4なので周りの眼が気になった。
そこは割り切るしか無い。
そして面接室で、
面接官は明らかに20代後半、
ぼくより若かった。
面接官も気づいているのか、
やけに目を合わさない。
そして、自己紹介が始まった。
周りの大学生が凄い自己紹介をしている。
練習してるんだろうな、って思った。
そしてぼくの番だ、
ありったけの自己紹介をした。
ただ、面接官は下をみてる。
一言きかれた、
「ぼくより年上ですよね、判断できないですよ。それでもいいですか?」
「はい」
と答えるしか無かった。
たぶん、その面接官も、
直前まで、年上の就活性がいる事を知らなかったんだろう。
直感で落とされた。
と思った。
帰り道にどうでも良くなって、
居酒屋で1人でお酒を飲んだ。
楽しかった大学時代、サラリーマン時代を思い出す。
後悔はしていない。
覚悟は決めていた。
1週間後、携帯に電話がかかってきた。
「2次試験に来て下さい」
なぜ?!嬉しかったが、わからなかった。
たぶん、判断を上にゆだねたのだろうと思い、
2次試験に行った。
そして、1週間後
「3次試験に来て下さい」
その1週間後
「最終試験に来て下さい」
なにがなんだか、わからなかったが、
役員の最終試験にたどり着いた。
もちろん、もしかしたら受かるんじゃないかなって仮説を
たてて対策したのが効いたのかもしれない。
そして、最終試験を迎える。
「しつれいします。」
「君は新卒じゃないだろ?」
「はい」
「なんで誰も落としてないんだ、若くて育成を出来る人を採用したい」
「はい」
「なので、なしだ。おつかれさま」
役員は出て行こうとした。
その時、自分でも思ってない行動にでた。
「待って下さい」
とっさに出た言葉と、
ぼくの腕は彼の腕を掴んでいた。
「話を聞いてから、落として下さい」
役員は観念したのか、
座って、30分間話を聞いてくれた。
ぼくは、ぼくなりの考えを思いっきり話した。
30分後。
役員から出た言葉、
「君は素晴らしい、内定だ。」
耳を疑った、素晴らしい!?
32歳新卒が?!
情熱が通じたのか、
役員は満面の笑みで答えてくれた。
「ありがとうございました、しつれいします。」
その後、
ぼくは6社から内定を頂いた。
時は6月になっていた。
「君は、ないな。」
就職課のおじさんが言った言葉が消えていく。
常識は、思い込みで始まってるのかもしれない。
チャレンジしたら、リスクはある。
でも、それを超える瞬間もある。
こうして僕の32歳就職活動は幕を閉じた。
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