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16/10/13

素顔10代な平凡OLが銀座ホステスとして売れっ子になるまで(9)

Image by Olia Gozha

店を変える

銀座の中にも、いちおう職歴というものはある。

どこそこの店で働いていたとか、夜の仕事を何年やっているのだとか。


ただ、地方都市で夜の仕事の経験があるというだけでは平凡な女性はなかなか雇ってもらえない。それだけ、銀座の店はシビアで間口の狭い独特な空気をもっているのだ。特にどこどこの店で、というのはポイントになる。広いように見えてあちこちでつながっている銀座の店々は、意外とトップ同士でつながっていることも多い。


だから私がその、大通りに面したクラブに入店できたのは幸運だったという他はない。

新しく面接に行った店は、銀座八丁目の並木通りに面しているクラブだった。いつかアイの店に

行ったときに通った道沿いにある、名前はクラブプラネット。そこでの採用が決まり、私は心躍っていた。

ママは気さくで親しみやすい着物美人で、面接にいたチイママはシャープな印象の驚くべき美形だった。

季節はもう11月も終わりに差し掛かっていて、銀座の街路樹にもあちこちに電飾がともり始めていた。私は24歳だった。ちょうど、半年の間夢中になっていたネットワークビジネスの熱さから覚め始めていて、元の現実世界に意識が戻りつつある時期だった。



新しい店、プラネットはちょうどママが交代して2年という新しいお店で、

帆船の中のような作りの店内は、明るくて昼間かと思うようないいエネルギーに満ちていた。カラオケはなく、お客が談笑しながら楽しくお酒を飲んでいる様子を、ぐるっとすべて見渡せるような店内が、とても心地よく感じた。


そこで、私は運命的な出会いをした。運命ってもっとロマンティックなものもあるのだろうけれど、人生の中で必然的に出会うという決められた出会いというものは、自分が真剣に生きだしたら向こうからやってくるのだと、今でも思っている。それだけ、その出会いは運命としか言いようのない出会いだったのだ。


マヤ「いらっしゃいませ」

入店してから4カ月。ある木曜日の晩に、そのお客はやってきた。



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