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16/9/19

偏差値35だった僕が名門大学に入学し 在学中に公認会計士試験に合格した話。4

Image by Olia Gozha

やけ酒

鈴鹿に流れ着いた僕は居酒屋に入りました。

そこで一人で泣いてしました。

「大丈夫、自分、どうしたん?」

「一人?若いけどなんでこんなとこにおるん?」

居酒屋の店員さんが声をかけてくれて、 僕の話を優しく聞いてくれました。

「そうかあ、まあ人生いろいろやな」

しばらくすると店員さんは姿を消し、私服に着替えて出てきました。

「どこ行くんですか?」 「いや、バイト終わったんで帰ります。」

僕はてっきりもうすこしつきあってくれると思ったのですが その辺はシビアでした。

でも 人間ってそんなもんだよな

と妙に納得し、

よし僕も勉強頑張ろう!

と居酒屋を後にしました。

悪夢!55万の請求書

居酒屋を出て、フラフラ歩いているといつの間にか繁華街から外れ、

いかにもいかがわしい界隈に足を踏み入れていました。

キャッチのお兄さんに声をかけられました。

「君どうしたの?話聞くよ」

連れて行かれたお店の中はほとんど真っ暗。 女の人の店員さんが若いのかベテランなのかも判別できませんでした。

年齢不詳の女の人に「鏡月」のボトルに入っている「謎の液体」をガンガン飲まされました。 受験勉強ばかりしていた僕は、ほとんどお酒も飲んだことがありません。 いつの間にか気を失っていました。

目が覚めると、店内の明かりが煌々とついていました。

目の前にはパンチパーマでラッシャー木村風の怖いオジさん。

お会計は55万円。 財布の中には一万円しかないと正直に言いました。 「だったら学生証か免許証出して」

学生じゃないし。

学生になれなかったし。

受験で免許なんて取る暇なかったし。

「両方ともありません」

「じゃあ電話番号教えろ」

こういう人はその場でかけてくると、ヤンキーの先輩を見ていて知っていたので 正直に書きました。

案の定、その場で僕の携帯が鳴りました。

「よし」

とラッシャー木村がうなずくと、 律儀に54万円と書き直した請求書を僕に押しつけ、

「いいか、君ね、絶対に返すんだよ」 となぜか優しく言われて送り出されました。 携帯は次の日速攻解約し、そこからラッシャー木村とは音信不通です。

マイナスはマイナスを呼ぶ

次に目覚めると僕は外にいて、 どうやらバス停の椅子で寝てしまっていたのでした。

何度ももどしていたみたいで、服も靴もボロボロで、 持っていたカバンも消えていました。

ママチャリは捨て、僕は電車で帰りました。

ぼったくりにあったお店は、今でも鮮明に覚えています。 酔っ払いながら向かったはずなのに、不思議に駅までの道のりがわかるんです。

悪夢の夜でしたが、これで吹っ切れたのも確かです。

「あんまり悩んでもしょうがないかな」

そう思って次の日にはまた予備校に通いだしました。

今になってみると、あの時お店に行かなかったら僕は 2浪せずに暗い人生を歩んでいたかもしれません。

マイナスのことを考えていたから、マイナスのことが起きた。 あの鈴鹿の夜があったから、

「マイナス思考はダメなんだな」

と這い上がることができました。 そんなこんなで、前向きに2浪目がスタートしました。(5へ続く)

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