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16/12/19

不惑を越えてなぜか相撲に魅せられた【其のニ】

Image by Olia Gozha

「柔能く剛を制す」という古代中国の兵法書に記された言葉。


しかしその言葉には続きがあり「剛能く柔を断つ」と合わせて一つの格言になるとかならないとか。


ただ、相撲の世界では前者の言葉がよく用いられますね。


元々身体が人並み以上に大きな力士達。その大きな力士の中でも小兵と呼ばれる者が、格段に大きな力士を負かす瞬間というのはやはり相撲の醍醐味の一つなのでしょう。


個人的な想いですが「小能く大を制す」と表現するとより相応しくなる感があります。


ジェシーこと高見山の時代もうっすら記憶にはありますが、大きすぎる怪物のような力士と問われれば真っ先に小錦を思い浮かべてしまう。そんな世代です。


「あんなに大きな体でなぜ『小』錦なのだろう?」


そんな疑問を抱いていたのは自身が中学生の頃だったかと。


身体が大きな外国人。特に偏見があったわけでもないのですが、単純に小さな者が大きな者を倒すということへの判官贔屓で小錦の対戦相手を応援していることがほとんどだったような気がします。


この当時はプロレスにガッツリハマっていた(今もですが)時代です。プロレス界はまだ日本人同士の対戦よりも日本人対外国人の対戦が目玉でしたので、自然と相撲もそのような目で見ていたのだろうと思います。


横綱・千代の富士や隆の里をなぎ倒す小錦。「黒船襲来」と呼ばれた理由もよくわかります。


ちゃんと相撲を見続ける生活を若い頃から行っていれば、舞の海との対戦なども記憶に刻まれていたのでしょうが、残念ながら当時は相撲への関心も浅く、たまたま見ているというレベル。


横綱・大関の四股名は覚えていてもそれ以外は…


ただ、なぜか平幕優勝を遂げた多賀竜(現・鏡山親方)の四股名だけは物凄く印象に残っているというのがなんとも不思議なところではありますが。


もっとも、あの優勝が蔵前国技館における最後の本場所優勝だということを知ったのは本当につい最近のことです。


相撲とは身近にありながらもそこまで近い関係ではない。少し親近感が湧いてくるのは誰もが相撲に注目するようになった筆者と同世代である若貴時代の到来を待つこととなります。




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