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13/5/3

スペインに留学へ行くと言ってとある離島に1年間住んだ話 1週間過ぎる辺りまで

Image by Olia Gozha

お祭り三昧…

 着いたその日の夜のこと…

ホストマザー「今日はお祭りがあるから行きましょう!」

「はい!行きます!」


時期はちょうど9月の初旬

ヨーロッパの人々はそろそろ仕事始め、学校始めのためにそれぞれの地域へ戻ってくる頃。

なぜだかわからないのですが、この島ではやたらとお祭りが…。


次の日


ホストマザー「今日は島の反対側でホストシスターとホストブラザーがお祭りで歌いに行くから着いて来なさい!」

「あ、行きます!」

その次の日


ホストマザー「今日の夜もプラザ(町の中心部)にある教会へ行くわよ!」

「え、今日も?」

ホストマザー「どうしたの?行きたくないの?」

「あ、いや。行きます!いろいろ知りたいです!」

そのまた次の日


ホストマザー「今日はデビルっていうお祭りがあるんだけれどもどうする?」

「ごめんなさい。今日は流石に疲れたからもう休ませて…」

ホストマザー「わかったわ。ゆっくり休んで。」

(ちなみにコレは全て拙いスペイン語、またはボディーランゲージである)


だが、これらのお祭りはまだまだ序の口だったことを半年後に知ることとなる。

念願の…!

さてさて、お祭りといえど夜だけなのでそれ以外は

いろいろな手続をしていた。

この日は初めてTijarafeの村役場に行き、住民票みたいなものを登録しに行った。

なんとも洋風(当たり前)で綺麗な役場だ。


家は村外れにあるのだが中心部は山間の中にある。

車がなければ非常に不便だが、静かで良い田舎だ。

しかし、この村には高校へ当たる教育機関がなかった。

そのため、隣の村の学校までバスで通うことになった。


市役所で手続きを終えて、そのまま学校の方にも手続きへ。


この村も非常にのどかでいいのだが、いかんせん標高が高く北側にあるので若干寒い(とはいえ冬の最低気温で10度程度)。

学校ではどのような課目があるのか説明され、何を取るのかという選択まで迫られました。


「すみません。Dibujo technicoってなんですか?」

先生「うーん。なんと説明したらいいのでしょうね…。絵とか書いたりする授業ですよ。」

「ふーん。じゃあこれは?」

先生「それは生物ね。」

「(生物か…)じゃあDibujo technicoにします。」

こんなかんじに会話が流れ…



「え、哲学(teoría)って必須なんですか?」

先生「ええ。当然でしょう。」

「えー。(嫌だなぁ、俺倫理苦手なんだよなぁ)」

という文化の違いにも直面しました。

だが、文化の違いはこれだけではなかったことに後々衝撃を受けます。

そんなこんなで選択したのは、数学、化学物理、Dibujo technicoという謎の授業でした。後々、この選択で助かったと知るよしもないのですが…。

(ちなみに僕は日本でも理系で大学受験は数学と小論文で入るという留学していた人とは思えない様な人です。現にfacebookでは留学してたんですか?という疑問が飛んできていました。)

まさかのまさか…

 さてはて、いろいろな諸手続きを終わって家に帰ってきたら若いお兄さんが家の下でサッカーボールを蹴っていました。


「あ、いいなぁ…」

お兄さん「一緒にやるかい?」

「え、いいの?」

という感じでまぁサッカーボールを蹴りながら話を始めました。

お兄さん「君は何人?」

「日本人だよ」

お兄さん「ほぅ。この家にホームステイに来たのか?」

「そうそう!お兄さんは?」

お兄さん「僕はここのサッカーチームに来たんだよ。」

「ホント!?今度練習見に行かせて!」

お兄さん「おー!明日16時半からだから連れて行くよ!」

まぁかなり省略していますが、要するにこのお兄さんホームステイ先の家で間借りして住んでいたプロサッカー選手(!?)でして…

後で解ったことなのですがこの地域のサッカーチームのオーナーさん、実はお父さんの従兄弟だったのですw

だから、他の地域から来た選手に間借りさせていたのですねw

16時になって…


お兄さん「よし行くぞ!」

「そういえばお名前は?」

お兄さん「アディオッセって言うんだ。アディオと呼んで!」

「OK!僕はしょうっていうんだ。宜しく!」

アディオッセ「チョー?」

「いやいや、ショウだってば!」

アディオッセ「まぁどっちでもいいか!」

こういうわけで初めてのお友達が出来て…


「いやー!面白いなぁ!ボール蹴りたい!」

アディオッセ「ほれ!これで遊びな!」

「ありがとう!」

他の人々「おい、あいつなんか凄いぞ…」

「あー、楽しかった!」

アディオッセ「明日も練習あるからとりあえず荷物持ってきとけよ。」

「?わかった!」

他の人々「あいつ、Lolo parque(隣の島にある水族館)のfoca(海驢)みたいなことやってたな…」

次の日


「今日も練習見学かな〜」

ユースのコーチ「おい、お前。ちょっと来い。」

「え、俺?」

ユースのコーチ「スパイク持ってきたよな?」

「とりあえずある…。」

ユースのコーチ「着替えろ!」

「はぁ?」

ユースのコーチ「練習参加しろ!」

そのまま流されるままに着替えを済まして練習へ…


ユースのコーチ「今日から日本人がこのチームに加わった。ドナト(ホストファザーの名前)のところの子だ。」

他の選手「ほぅ。」

「ショウです。宜しく。」

そんなこんなでスペインに着いて1週間目にして、サッカーチームに入団することが叶ってしまいました。(選手登録はあと1週間掛かったのですが)


この早くからチームに入れたおかげで後々学校で得をすることとなりました。



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