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16/8/23

自殺未遂日記 第一回

Image by Olia Gozha

平成27年 10月16日 20時54分


死に場所・方法を模索して二日目。

今はとある商業施設の川沿いでこれを書いている。


酒を煽り正常な判断が出来ない状態にし、その勢いで自殺を再度決行しようと思うが相変わらず実行できない。


ーーーーーーーーーーーーーーー


「もう死のう」


そう思った初日は急遽勤務中の職場を逃げ出した。「早退させてくれ」と無理を通して。

その時は1分でも1秒でも早くその場から離れたかった。


職場を飛び出した後、とにかく自分の思考や周りの事や直近の起こした行動諸々全ての事を直視したくなかった。見たくなかった。これ以上考えたくなかった。


その思いから近所のコンビニで酒を買いネガティブな思考や負の感情がぐるぐる回り続ける頭が壊れる事を願い慣れない酒を一気に流し込む。


一本飲み干した後少し散策してまた別のコンビニで酒を追加購入。

その時に頭では「死のう」と思っているのにも拘わらず必要のない食料までも買い込む。

こんな時でも腹は減るし、酒を無理して飲んでいる気持ち悪さを

「少しでも楽にしたい。」

という思いがあった。


「酒の力で思考を麻痺させたい。泥酔・酩酊状態になって一時的にでも頭を壊したい」と思っているのに、

まるで一貫性がない。


自分自身の矛盾を感じ自己嫌悪を抱き、それを払拭するかのようにこれでもかと酒を飲み続ける。


そうすると個人的な、自己中心的な、抑えていた感情が溢れてきた。


涙がポツポツと流れてきて止まる気配がなくそれどころか、どんどんどんどん流れてきて嗚咽を漏らしながら鼻水も涎も垂れ流しになり歩き続けることすらままならず体がフラフラして、足を引きずる様にとぼとぼと歩き「ゔゔぅ」と泣き呻いた。


次第に心と体全身が溢れてくる感情で一杯になって歩けなくなり、込み入った住宅街の中で電柱に寄り添う形で座り込んでしまった。


人目を気にしつつも自分の中で「もう、、無理だ」とどこか悟ったかのような感覚になり、その時持っていたメモ帳に遺書めいたものを書き出した。


職場を飛び出して酒を飲みながら思い浮かんできた事だけを書こうと思った。


「迷惑かけるけど死にます」


だがいざ書き始めると「これだけ書こう」という内容で終わらず次々に溢れてくる。


「もうぐるぐるぐるぐるぐるぐると考えることを辞めたい。生きていると考えが止まることはない。なら辞めるためには死ぬしかない」


涙と鼻水と涎を更に垂らしあげながら書き進めていく。


「生きている以上、万が一、今の悩みが解決しても、また新しい悩みが出てくる。一生終わらない。あらゆる困難や壁を自分は乗り越えれない。もうこれ以上は嫌だ」


そこから負の勢いが益々激しさを増してきた。文字が乱れ漢字が書けなくなりながらもひたすらに書き殴っていく。


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