先日、お仕事中に、ある御一行さん(お母さん2名と女の子3名)と仲良くなった。
その御一行さんは和歌山から来られていて、東京に来た理由を尋ねてみると、「卓球の全国大会に出るために来た」と言っていた。
majica!?その年齢で全国大会!?スゲーなぁ、おい!?
僕は小学生のとき、サッカーの区選抜チームに選ばれて(控えのGK選手として)、それだけで「あと何年かすれば日本代表になれる」という大いなる勘違いをしていた。
だってあの頃の自分にとっては、日々を過ごしていた学区内が、世界のすべてだったんだもの。
クラスで一番足が早ければトップクラスのモテ男だったし、部活動で活躍すればヒーロー扱い。悪くない。そこで満足してしまった僕は、一切の努力をしなくなった。
中学、そして高校と、学区の範囲が広がっていく度に、様々な人がいることを知り、それと同時に、己の非力さを知った。
世界は広かった。
サッカー、野球、テニス、空手、和太鼓など、様々な部活動で絶え間ない努力を積み重ねて活躍する同級生たちは、次々と全国大会に出場し、全生徒が集まる朝礼で表彰されていた。
彼らに当たる朝日が、良い具合にスポットライトとなっていて、眩しかった。
そんな輝かしい同級生たちを横目に、僕はその居心地の悪さから軽い不登校児になった。
卓球の全国大会に出場するために和歌山からやってきた御一行さんと話していて、ふとそんな過去のことを思い出した。
偶然にも、ひとりのお母さんが僕と同じ広島(そのお母さんは庄原)出身ということで話が盛り上がり、広島弁で他愛ない話をしていると、どうやら僕のことを気に入ってくれたようで、サインを求めてきた。子どもたちもそれに同調してきた。
「サインちょーだい」
恥ずかしかった。心の底から本当に。
僕にサインを求めてくる子どもたちは、もしかすると、あと5年や10年すれば卓球の日本代表選手になっていたりするかもしれない。
そう思った僕は、お仕事のパンフレットに、卓球少女たちの名前を書いてもらった。
Hちゃん、Rちゃん、Sちゃん。
大切にしますよ。


