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16/7/31

母がアルコール依存症だと気づいてから10日間地獄を見た話。9日目。

Image by Olia Gozha

宴会


宴会の準備が終わり、母は久しぶりに身だしなみを整え、

軽くお化粧をし、小綺麗な格好をしていた。


その姿を見てほっとした。

つい数日前からは想像がつかない、いつもの母に戻っていたから。


近所に住む母の幼馴染が、宴会に顔を出しに来ていた。

私はその人に、宴会の間母がお酒を飲まないように見ていて欲しいと頼んだ。


母はもうお酒を飲んではいけないんだ、と説明した。


今日飲むとまた元の木阿弥。

せっかく回復してきたのに今までの苦労が水の泡。


数回説明したが、母の幼馴染はあまり母の重篤度がわかっていないようだった。


宴会が終わって


宴会の間、私と父は部屋中のお酒を隠した。

宴会で飲んできたらまた飲みが始まってしまうと思ったからだ。


宴会が終わり、幼馴染と一緒に部屋に帰ってきた母。


幼馴染は、さっきの宴会では飲まなかったよ。

と私の必死のお願いを聞いていてくれていた。

とてもありがたかった。



そんな矢先

隠していたのにどこからかビールを見つけ出して

母はビールをコップに注ぎだした。


これはいかん、とビールを取り上げる。

抵抗する母。


「どうしてそんな意地悪するの?飲んだって、いいじゃない。」


「これが明日への活力になるじゃない。」

「ほらっ。お父さんも飲みなさいっ。」

大声で叫んでいた。

駄々をこねて暴れ出した。

えーんと泣いていた。


しばらく黙って見ていると、

母は一口ビールを口にした。

すぐにぺっと吐き出した。


「…なんか、まずい。美味しくない。」



よく分からなかったけど、母は飲めないようになっていた。


そういえばお酒が嫌になる薬も出しますよとかなんとか

医師が言ってた気がする。


お酒、飲まないでこれから過ごせるかもしれない。


希望が見えた気がした。


このやりとりを見て母の幼馴染は

ことの重篤さをやっと理解してくれたようだった。


今後も、もし母が飲みそうになるのを見かけたら、

注意して欲しいいとお願いした。

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