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16/7/20

【第15話】離れて暮らしていた父の介護のこと、死んだときのこと、そしてお金のこと。

Image by Olia Gozha

施設からの連絡

見学・面談から10日ほど過ぎた頃だったか。

施設の担当員Nさんから連絡がきた。

Nさん「お父様の件ですが、会議の結果「受け入れ可能」ということになりました。」

「ありがとうございます!!」

Nさん「それでですね、当施設への入所日なのですが、4月10日の13時でお願いしたいと思います。その時に契約を結ぶので、少しヨシザワさんのお時間を頂戴できますか?」

「わかりました。あの…つかぬことをお伺いしますが、父は自力で歩けないと思うのですが、こういう場合、他の方はどうやって行ってますか…?」

Nさん「基本的にですね、施設まではご本人またはご家族様で来て頂くので、もしお車等がなければ介護タクシーを利用していただく形になりますね。」

「おお、そうなんですね!(←介護タクシーの存在を知らなかった)」

Nさん「入所の日時等、詳しいことは病院の相談員さんにお伝えしておきますね。介護タクシーの件も、相談員さんに伝えれば、手配してもらえると思いますよ。」

「ありがとうございます!」

こんなやり取りをした後、すぐに病院からも電話がきて、実際に介護タクシーも手配してもらえることになった(もちろん、料金はこちらが支払う)。


ついに退院だ!


ようやく、父と落ち着いてゆっくり話すことができる。

1ヶ月ほどの入院生活。

この間、父はずーーーっと小声でヒソヒソ話してた。

父なりの周囲への気遣いなのだろうけれども、認知症のせいもあるのか、話が不明瞭な時もあって、なかなか意思の疎通が大変だったのだ。


トイレやお風呂や食事を心配しなくてもいい。

急病の患者さんがいるわけではないから、夜もきっと今より静かな環境で寝てもらえる。

デイルームで一緒にご飯を食べられる。

申請して許可が出れば、外出だってできる!!


父の年金より月額費用がかかること、もし体調を崩して入院になったらその日に出なければいけないこと…不安もあったけれど、それを上回る期待と安堵だった。


そして、4月10日。

父は病院を出て、老健での生活をスタートさせた。


つづく

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