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16/7/19

【第13話】離れて暮らしていた父の介護のこと、死んだときのこと、そしてお金のこと。

Image by Olia Gozha

施設見学

翌日、施設に見学予約の電話。土日でも見学が可能とのことだったので

その週の土曜に見学予約をお願いした。

そして姉と一緒に施設へ。

かなりゆったりとしたスペースの入居室。

多床室(4人部屋)でも、小さめながらチェストと棚が個別にある。

デイルームも広々としていて、面会に来た人と一緒にご飯を食べたりもできる。

その他、寝たきりの人でも入浴可能な浴場なんかも見せていただいた。

「ああ、ここなら、父も少し落ち着いて過ごせるかな」

当然だけれど、いわゆる急性期病院は回復が目的で「そこで暮らす」ことが目的ではない。

トイレ等、必要な時以外はずっとベッドにいるしかない父。

何か話そうとしても同室の方がきになるのか、なかなか話さないこともあった。

ここだったら、デイルームで「家族水入らず」もできる。

何より、私達が通いやすい立地なのも良い。

ここがいいな。

私の思いは傾いていた。


でも、お高いんでしょう?

施設見学の後は、担当の方と面談。

家族構成や、生活環境など、かなり細かくヒアリングされる。

そして、実際に申し込む(支払う)のは誰か等、具体的なことも。

さらには、費用も細かく教えてもらう。

月額の入居費用に加え、オプションがいくつかある。ざっと思いつくものは

・洗濯物の委託

・タオル等のレンタル

・TVのレンタル

・毎月2回の特別食(ちょっと豪華な食事になる)

・理容代(これは申し込んだ時のみ)

といったところだろうか。

このオプションを選択していくと、大体15万円程度になった。

父の年金額は、月にすると約12万円弱

つまりは4万円程度は、私が負担しなければいけない。

「(ちょっと厳しいな…)」

そんな思いを察したのか、担当者さんからこんな一言が。

担当者さん「ここと同じ系列の老健が墨田区にもあるんですよ。そちらだと少しだけど費用が安くなるかもしれないです。そちらも見学してみますか?」

「はい、ぜひお願いします!!」

二つ返事でお願いすることにした。

というか、見学して、できればその日に契約したいと伝えたように思う。

墨田区のほうの担当者さんの都合がつかなかったため、そのまま見学とはいかず

日を改めて見学をすることになった。


不動産屋と同じ?

こういった施設はどこもそうなのだが、基本的に

「申込順に受入審査をする」

ため、「今は空いてますが、既に見学の予約が多数あるので、埋まってしまうかもしれません」と言われることが多い。よく部屋を探してる時に不動産屋に言われるアレと同じだ。

ただ、実際に見学する方は多く、すぐ埋まってしまうのは多分嘘ではない。


私としては、費用が唯一気がかりだったが、立地、設備等を考慮すれば

ここで決めたいという気持ちが強く、

担当者(Nさん)の空いてる最短の日程でお願いした。

平日の火曜だったが、翌週末まで待つのが不安だったのだ。


そして、火曜日。

ハンコを準備し、墨田区の老健へ向かった。


つづく


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