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13/4/25

あなたのHLAの型が患者さんと一致しました

Image by Olia Gozha

10 月ころのことだったと思う。
骨髄バンクから大きめの封筒が届いた。
開封してみると、「HLAの型が一致した」とある。
骨髄バンクには10 年くらい前に献血のついでに登録した。
19 歳の時に友人を白血病で失っているというのも理由にあったが、そんなに深い意味は無く軽い気持ちだった。
どうやら私の白血球の型と同じ患者さんがどこかにいるらしい。
特に断る理由も無く、患者さんが助かればいいなと思い骨髄移植を承諾したが、結構面倒な手続きのようだった。
間にコーディネーターという方が入り、意思確認をしつこくしてきて、家族(両親や兄弟、配偶者など)の同意も不可欠だ。(聞くところによると、トラブルも結構多いらしい)
さらに血液検査や健康状態の確認、手術などに関する説明、自己血採取、手術(全身麻酔のため2~3 泊)、その後の後遺症や健康状況の確認などを含めると、6~7 回くらい病院に行かなくてはならない。
おまけに地元には手術の指定病院が無く、別の都市まで自己血採取と手術(入院)しに行かなくてはならなかった。
まぁ、いずれにしても患者さんの状況を考えると他に選択肢は無かった。
幸いな事に、家族も関係各所もこのことを受け入れてくれた。
ところが、、、である。
事前の血液検査で「不適格」となったのである。
理由はγ-GTP の数値。175 くらいだったろうか…。
あれほど手続きの説明をしていたコーディネーターからは何の連絡も無かった。
用無し、ということか…。
「不適格」を知らせる骨髄バンクの書類にも、「今後ドナー登録を保留します」とある。
なんともいえない、暗い気持ちになった。
患者さんがこのことを知っていたら、さぞ落胆するんじゃないだろうか。
他に健康なドナーはいたのだろうか(最大5 人まで同時進行するらしい)。
もし、助からない病気だったら私が最後の望みだったのではないか。
ドナーにはそのへんの情報を何も教えてもらえないので、何もわからない。
わかったところで、落胆が大きくなるだけかも知れないが…。



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