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13/5/5

SPINNING(R)(スピニング):渡米

Image by Olia Gozha

LAXロサンゼルス国際空港はとても大きい。




Keith Kostman「僕は迎えに行けないから、弟のクリスを行かせるよ」


そういう内容のメールを最後に、マスターのキースとは連絡が取れない。

今と違って空港でネットに繋がるなんて出来ないからね。


で、荷物を持ってお迎えの人が待ってるところに出てきたんだけど、



館兄「おれ、クリスの顔を知らない」


と言うことに、この時点で気づく。


しょうが無いので荷物を抱えて椅子に座って待つ。とてつもなく不安な時間。



館兄「クリスは、俺の顔を知ってるの?」


不安は倍増していく。



思わず、目の前に座ってる兄さんの所に、思い切って近づいて聞いてみた。



館兄「クリスさんですか?」

お兄さん「違うよ」

館兄「ごめんなさい」


椅子に戻って、辺りを見回す。



1時間くらいそうしていただろうか、僕の方にまっすぐ歩いてくる人が現れた。



クリス「クニ?」

館兄「そうです」

クリス「クリスだよ」

やっときた〜〜〜〜〜。


あとで、わかるのだが、クリスは本当に忙しい。この遅れはしょうがないなって思う。



クリスの車に乗り込むと、一路車はクリスの部屋へ。


そして部屋に入ると、




クリス「ここは好きに使って良いから。俺は、彼女の所に泊まるよ」


と、明日の時間の約束をしてクリスは出かけてしまった。



館兄「ええと…」

しばし固まる。

とりあえず、寝床とトイレを確認。有線LANにNECのポケットギアを接続してみる。



お!ローミングでメールが取れる。いくつかのメールに返信して、荷物を開ける。


しかし、ぽつんと一人。


窓の外は真っ暗。表に出るにも恐すぎる。



いや〜〜〜〜、なんだ、この状況。


横にはなったけど眠れないまま、一晩を過ごしぼんやり起きていたら、ほぼ約束の時間にクリスがやってきた。



クリス「起きた?」

館兄「いや、あまり寝てない」

クリス「ジェットラグだな」

館兄「うん」

クリス「ライドに行くぜ」


クリスの車、サターンに乗り込んで移動開始。到着したのはボディーインモーションというスポーツクラブ。いくつかの支店を持つチェーン店のようだ。


クリスはここの「ロードレーサー」というサイクリングクラスのスタジオディレクターをしているそうだ。

詳しく聞いてみると、SPINNING(R)(スピニング)のオリジナル開発メンバーの一人なのだそうだ。実際、一番初めに作られたSPINNING(R)(スピニング)のビデオに出演している。


今は自分の考えをバイクエクササイズに投影したくて、SPINNING(R)(スピニング)の開発陣から離れて居るそうだ。


そんなクリスのクラスは朝から大盛況だ。40台もあるバイクがほぼ満員。



自分の現状と照らし合わせて、圧倒的な力の差を感じてしまう。



音楽の力を強く押し出したクラスは、朝一のエクササイズとしてはかなり強度が高いのではないだろうか。


「それじゃあ、いつものベーグルショップで!」


と、訳もわからず連れて行かれると、なんと朝食だ。



参加者の何人かもここに来て朝食をとり、そして仕事に向かっていった。


アメリカのフィットネス事情のど真ん中に、いきなり放り込まれてビックリするしかない。



クリス「彼女は妊娠五ヶ月なんだよ」


クリスにそう言われて視線を伸ばした先には、スピニングバイクを2台積んだワゴンが停まっていた。



女性インストラクター「ホームスピンというパーソナルクラスを、クライアントさんの家に伺って行っているの」


そのスピナーは足回りに板が張ってあり、汗が床に直接落ちないように工夫されていた。



館兄「そうか、車に積んで回って、SPINNING(R)(スピニング)を行う、というやり方もあるのか」


これが後に「正屋SPINNING(R)(スピニング)」や「Kenji屋SPINNING(R)(スピニング)」へと繋がって行くのです。


クリスはアメリカ大陸横断自転車レースの選手で、それがSPINNING(R)(スピニング)創始者のジョニーGと出会うきっかけだったそう。そして今はいくつかの耐久系自転車イベントの主催者でもある。いろんな事に関わっているので本当に忙しいのだ。


その大会のTシャツが出来たらしいので取りに行くことになった。



クリス「良い出来だね。一枚あげるよ」


と、一枚Tシャツをくれた。


そんな忙しいクリスなのだが、師匠のキースが迎えにきてくれるまでの一週間、本当に面倒を見てくれた。


彼が関わっているサイクリングエクササイズのクラスには、クラブの質を問わず全部連れて行ってくれた。寝床は彼のマンションだったし、食事も全部面倒見てくれた。


バイクショップにも連れて行ってくれたな。



のんびり見ていたら、多くの人がバイクエクササイズを始めるんだ、とシューズを買いに来ているのが印象的だった。日本もそうなって欲しいな、と思ったモノだ。



クリスが、あの当時の僕に与えてくれた影響には、本当に感謝している。



そういえば、クリスとクリスの彼女と一緒にLAのダウンタウンに食事に行ったとき、そのレストランの前が映画館でどうやら封切りの日だったらしい。舞台挨拶があるとかで、映画館の前は騒然としていたのだけど、なぜかパトカーと一緒に消防車も居た。あれ、何だったんだろうな。


明日は、いよいよ師匠のキースが迎えにきてくれる。




クリスは僕を和食の店「三島」に連れて行ってくれた。


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Image by Jukka Aalho

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