top of page

16/6/13

流れに任せて遊んでいたら、大好きなNYに住めるようになった話。#2 【乗り継ぎ時間60分!?北京空港で焦りまくる】

Image by Olia Gozha

この話は、ニューヨークに恋をしたわたしが、ニューヨークに住むようになるまでの物語です……が!この物語を書いている地点では、まだニューヨークに住めるには至っていません。


わたしは、「思い描いた未来は、それが本当の望みなら必ず実現する」と信じています。


なので、「絶対ニューヨークに住む」と心の中で未来を決め、今を思いっきり楽しんだ結果、どんなシンクロニシティが起こって住めるようになるのか。その実験結果をここにおもしろおかしく書いていきます。


決めた未来に現在を引っ張って行ってもらう。そんな感覚で生きるわたしの物語を楽しんでください。



〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜



3時間半のフライトを経て北京空港へ。乗り換え時間はまさかの1時間。短い乗り換え時間を考慮して、中国国際空港の男性係員の好意により、降りやすい一番前の席にしてもらっていた。







飛行機が止まるやいなや、立ち上がって荷物を持つ。客室乗務員からの指示があればすぐにでも出れるよう準備を整え一番先頭に並ぶ。



待つこと数分、降りてもいいとのサインが出たので、早足で出口へと向かうと………
















ない















ない





























ない




































空港と飛行機をつなぐブリッジがない



























ま、まさかの………。























これ!!!!!!!















そんで、、、
















これ!!!!!!!!!!





























前の席だった意味がまるでない











結局みんな同じバスに揺られながら空港内へと向かう。



焦りを通り越してもはや笑いたいくらいだ。





しばらくしてバスが空港の建物内に到着。ニューヨークの乗り継ぎはどこへ行けばできるのかまったくわからないわたしは、あるひとりの白人男性に目をつけた。なぜなら彼はわたし同様そわそわしており、案の定、バスが空港に到着すると同時に小走りに駆け出して行ったのだ。



間違いない!彼はニューヨーク行きの便に向かっている!




遅れを取るまいと一生懸命彼について行った。






数分歩き、彼が列に並んだ。ここか!乗り換えの列は!




まだ彼が完全にニューヨーク行きの便に乗ると決まったわけではないので(というかまったく何の確証もないので)、彼に聞いてみることにした。





わたし「すみません!ここはえっと…ノリカエの列ですか?」

「え?すみません、なんですか?」



焦りのためTransit(乗り換え)という単語が出てこない。




えーっと、なんて聞いたらいいんだろう。。。。












わたし:「あなたどこ出身ですか?!」











し、しまったー!なんでそんなこと聞いてんだ!この列はニューヨーク乗り換えの列なのか聞きたいだけなのに、なんで初対面の人の出身国を聞いてんだー!?




あきらかに不審なわたしを変な目で見ることもなく、彼は「僕はスペイン出身ですよ」と答えてくれた。




す、すぺいん?


わたしはてっきりアメリカ人が日本へ行った帰りなのかと思っていたのだが、どうやら違うらしい。



わたし「え?じゃああなたはスペインへ行くんですか?ここはニューヨークの乗り換え場所じゃないんですか?」

「いいえ、ここは違います。きっとあっちだと思いますよ。」



彼は優しく教えてくれた。






ありがとうございます!と、彼が指差す方向に駆け出すわたし。「take care!」と声をかけてくれる彼に手を振りながら、あ〜よかった聞いておいて!と思った。









彼の示す方向へ行くと、空港の職員だと思われる人がいた。






わたし「ニューヨークに乗り継ぎたいんですけど!こっちでいいですか!?」

職員「……………(無言で頷く)」




無言だろうが無表情だろうが、頷いてくれただけありがたい!よし、あっちの方向へ急げー!



と再び駆け出そうとするわたしを仏頂面の職員が制する。




な、なんだ?





















職員「……………(ペタ)」













ん?なんか無言でシール貼られたぞ。








よくみると、これは中国国際航空のロゴだ。








そうか!これはわたしが「中国国際航空の乗客ですよ=急いで乗り継ぎしないといけない人ですよ」というサイン!この先のゲートの係員にわかるようにしてくれたのだ!




ありがとう!なんかこれでなんだか大丈夫な気がしてきたー!





小さなシールに大きな勇気をもらいながら、さらに先へと進む。なんだかラスボスが待つ場所まで難関を越えながら向かうRPGの主人公みたいだ。さあ次はどんな試練が待ち受けているんだ?かかってこーい!







次に現れたのは、第一のゲートだった。そこでパスポートを見せる。どきどきしながら待つ事数秒。すんなりパスポートを返され、通っていいとの許可が出る。







おっしゃー!ちょろいちょろい!さあ次はなんだ?!





少し歩くとそこには階段の下からずらりと伸びた行列ができていた。



げ!やばい!階段の下はどうなっているかよく見えないけれど、結構混んでいそう…。もしかしたら列を抜けて先に行かせてくれるかもしれないと思い、近くにいた係員にシールをアピール。



彼はシールをちらりと確認したが、無言で目をそらしてしまう。えー…先に行かせてくれないのかよ……めちゃくちゃ時間かかったらどうしよう…。






待つ事数分、階段を下るところまで列が進んだ。下の階では第二のゲートがあり、そこに人がうじゃうじゃと並んでいた。



下の階にいる係員に「中国国際航空の便なんですけど、わたし急がなくて大丈夫ですか!?(列に並ばずにゲートとおりたいんですけどっ!?)」と聞くと、いいからこのまま並んでて、と言われてしまう。


係員がこのままで大丈夫って言うのなら、そんなに時間はかからないかもしれないけれど…。不安なまま、何度も時計を確認しながら待った。





ゲートは複数あったため、人が分散されて比較的すぐに順番が回ってきた。簡単なパスポートチェックを終えると次は荷物検査だ。




いろんな国を回ってきたけれど、北京空港のチェックはまあまあ厳しかったように思う。2度の持ち物検査のやり直しとボディチェックを受け、ようやく搭乗ゲートに向かうことができた。






電光掲示板によれば、ニューヨーク行きの便はゲート51だった。ゲート51を探して看板を頼りに歩く。





「ゲート1〜70→」












「ゲート35〜70→」

















「ゲート45〜70→」

















「ゲート50〜70→」









…………






















ぜんぜんたどり着かない。








時間はギリギリではないが、決して余裕があるわけではない。搭乗ゲート探しに手間取って乗り遅れたなんてことになったら最悪だ。



そう思いながら少し小走りでゲートを探して歩いていると、人と荷物を運ぶ車のようなものに乗ったおっちゃんが「乗るかい?」と声をかけてきた。









え!いいの?!めっちゃ優しいやん!



勢おいよく飛び乗って「51番ゲートまでよろしく!」と言うと、「あいよっ」とノリのいいおっちゃん。




あー助かった!これに乗っていれば安心だわ。
















おっちゃん「そういえばお金いるけどいい?」



























お 金 い る ん か い











「ムリムリムリ!」と弾けるように降りる私をおっちゃんは苦笑いで見つめる。



ったく。乗り換えのために来た中国のお金なんて持ってないよ!






走り去ろうとするおっちゃんに、「そういえば51ゲートってどこ?」と聞くと、「あっちだよ」と方向を教えてくれた。





ありがとう!じゃあ!とその場を離れようとするわたしに、おっちゃんがボソッと一言、「遠いよ」とつぶやいた。




















絶対乗らなかったの根にもってるなおっちゃん……














そこからは小走りを中走りに切り替えて51番ゲートへと急ぐ。本当に端の端までやってきたようだ。まだボーディングタイムはギリギリ過ぎておらず、何はともあれ、短い乗り継ぎ時間をなんとかクリアすることができた。









あとは14時間のフライトを経て、ニューヨークに行くだけ!入国の不安はまだあるけれど、それはまた、次の話。






つづく。


PODCAST

​あなたも物語を
話してみませんか?

Image by Jukka Aalho

高校進学を言葉がさっぱりわからない国でしてみたら思ってたよりも遥かに波乱万丈な3年間になった話【その0:プロローグ】

2009年末、当時中学3年生。受験シーズンも真っ只中に差し掛かったというとき、私は父の母国であるスペインに旅立つことを決意しました。理由は語...

paperboy&co.創業記 VOL.1: ペパボ創業からバイアウトまで

12年前、22歳の時に福岡の片田舎で、ペパボことpaperboy&co.を立ち上げた。その時は別に会社を大きくしたいとか全く考えてな...

社長が逮捕されて上場廃止になっても会社はつぶれず、意志は継続するという話(1)

※諸説、色々あると思いますが、1平社員の目から見たお話として御覧ください。(2014/8/20 宝島社より書籍化されました!ありがとうござい...

【バカヤン】もし元とび職の不良が世界の名門大学に入学したら・・・こうなった。カルフォルニア大学バークレー校、通称UCバークレーでの「ぼくのやったこと」

初めて警察に捕まったのは13歳の時だった。神奈川県川崎市の宮前警察署に連行され、やたら長い調書をとった。「朝起きたところから捕まるまでの過程...

ハイスクール・ドロップアウト・トラベリング 高校さぼって旅にでた。

旅、前日なんでもない日常のなんでもないある日。寝る前、明日の朝に旅立つことを決めた。高校2年生の梅雨の季節。明日、突然いなくなる。親も先生も...

急に旦那が死ぬことになった!その時の私の心情と行動のまとめ1(発生事実・前編)

暗い話ですいません。最初に謝っておきます。暗い話です。嫌な話です。ですが死は誰にでも訪れ、それはどのタイミングでやってくるのかわかりません。...

bottom of page