僕は今ガラクタ整理師として先延ばしせずガラクタを整理する方法をアドバイスしています。
これらは先延ばし克服をして整理をがんばっているある方の実践の様子。
今年の5月まで、10年間整理を先延ばしにしてきて、全く整理が出来なかった彼女も、この5月からスタートしすでに873個のガラクタを整理されました。
「10年先延ばししていたガラクタ整理がとても楽しくて朝早く目が覚める。こんな気持ちは40才を過ぎて生まれて初めて。整理が終わったらどんな日々が待っているのだろうとワクワクする。」
そんな風に今の感動をおっしゃっています。
10年間出来なかったことができて、その数もなんと873個。当初は1日5個を目標にとおっしゃっていた生徒さんは当初目標の5倍の整理を実践されています!
このように僕は今先延ばしせずガラクタ整理することを指導しているのですが、
なぜできているかというと、実は僕自身が先延ばしの失敗を経験したから、なんです。
今日はそのお話をしたいと思います。
ずばり、借金です。
2016年3月の時点で約400万円。今は順調に返済をしていますが、この3月までただそれを先延ばししていました。
先延ばししている時は気づきませんでした。自分が先延ばしをしているなんて。
400万円もあるのに、先延ばしだと気付かなかったの???
って思われるかもしれませんが、本当に先延ばしだとは思わなかったんです。
今は返せないから、将来余裕ができたら返す。
そうとしか思えなかったのです。
この思考パターンは今思えば先延ばしの典型の考え方なのですが、当時は全く気づきませんでした!
でも3月のある日に届いた奨学金の返済に関する書類がきっかけで僕は先延ばしに気付くのでした。
僕は大学と大学院で奨学金を借りていて、その返済がまだ終わっていません。
しかし、アメリカでの婚約者との別れでお金も失ったり、自営業で収入がそれほど多くなかったため、返済猶予を申請していました。ここ数年、ほとんど何も考えず、「将来収入が増えたら返そう」と思って、猶予をただ申請していただけでした。
しかし、年度末に今年度の返済に関する書類が来ました。
来た時点で嫌でした。
「また奨学金の返済か。今はまだ収入も少ないし、無理だし。嫌だなあ。」
嫌な気持ちはありましたが、何とか封を開け中身を確認。そして、またいつも通り返済猶予を申請しようと書類に記入し始めた時、ある文字に目が留まりました。
「全額猶予をするよりも、減額申請をして半額でも返済したほうが返済がスムースに進みます。」
といった言葉が書いてあったのでした。
それを読んだとき、どこかピンと来るものがありました。
「たしかにそうだな。ただ全額猶予していても、いつになったら収入が増えて返せれるのかわからない。ちょっとずつでも返しておいたほうがいいんじゃないか」
そう思ったのでした。
自問自答がはじまりました。
「毎月の規定額全額返せなくても、半額の月○○円なら返せれるんじゃないか。」
「いやいや、でも今はまだ収入も安定しないし、そのお金を本当に生み出せるの?」
「いや、でもやっぱりちょっとでも返していかないと、将来もっとしんどくなるんじゃないの?」
そんな自問自答をしながら、でも自分のどこかで、「これってただの先延ばしじゃない。やっぱりやらなくちゃ!」
と気持ちが固まり、減額での返済を申請したのでした。
「じゃあ、この返済を可能にするには、月どのくらいお金をうみださなければいけないんだろう?」
そう思ってその額を考え始めると、今度は、まだ他にもあったいろんな借金を思い出し、奨学金とそれらの借りているお金の全額をまずまとめてみようとエクセルにまとめてみました。
すると、総額400万円弱。
本当に情けない話、僕は借金の全額も把握していませんでした。
奨学金の返済しなければいけないお金があることは知っていましたし、アメリカで生活をしていたころ、また、日本に帰国して生活を始めるときに友人から借金をしていたのも分かっていました。また返済を待ってもらっているこまごまとしたものもあったのもわかってしました。
しかし、その全体額をずっと把握せずに、放置していたのでした。
友人たちもすぐに返済しなくても、全額準備できたら返済してね、と言っていただけだったので締め切りもありませんでした。
奨学金の返済も最大10年間猶予が出来るので、まだ猶予期間は長く残っていたので、まだ大丈夫とただ思って、金額も計算していませんでした。
それが400万円弱。自分が思っていたよりも大きな額で驚きました。
しかし、とにかくちょっとでも返さないと何も始まらないぞ、と思い、
エクセルに全体額を元に何年間で返済するか計画をまとめ、月々の返済金額を決めました。
その月々の返済金額をみた時に、
「本当にできるかな?」
という気持ちが生まれましたが、
「でも、これを目指すことに意味がある。できるかできないかじゃなくて、まず目標にして努力してみよう。」
と僕の借金返済は本格的にスタートしたのでした。
それまではただ先延ばしをしていただけでした。
どんな気持ちだったかというと、
「まだ収入が低いから返せない。お金の余裕ができたら返そう」
と、いい時期が来たら返そうと思っていました。
そして、
「今は収入が厳しいけど、いつか増える時が来るのを祈ろう。神様も助けてくれるかもしれない。」
と思っていました。
しかし、神様は全く助けてくれず、ただそのまま借金は残り、数年あっという間にたっていたのでした。
収入の余裕のある月は少しずつ借金に回しましたが、それも微々たる額。
数年間ほとんど返済が進まないまま時間がたっただけでした。
また、
「収入もまだ安定していなくて、家賃を支払うのも難しいことすらあるのに、さらに借金のことまで考えるなんて出来ない。考えたら頭痛になる。ストレスで借金地獄だ。」
そう思って、とにかく借金のことは考えないようにしました。
考えるとただ気持ちが落ち込むだけだったのです。
しかし、先ほどの奨学金返済の手紙にあった言葉をきっかけに、やるぞ!とようやく向き合えた僕。
全体額を把握し、計画を作り、とにかく自分が出来そうと思える返済額を設定して返すことにしました。
それをまとめ、実際に行動を起こし始めました。
仕事のブラッシュアップ、新規講座の企画。
それまでやっていた英語教室がなあなあになっていた部分もあったので、もっと生徒さんの成果にコミットする指導方法に変えました。
新しくどんな事業が出来るか考え、企画をまとめていきました。
やりながら、ふと、先延ばしについてインターネットを検索したところ、忘れられない言葉に出合いました。
「Eat that frog. あのかえるを食べろ」
ブライアントレイシーの言葉。
彼が言っていたことは、
かえるは気持ち悪くて、だれも食べたくないもの。
でもその一番大きな、一番気持ちの悪いかえるから食べなさい。
つまり、「不快なものからやりなさい」ということでした。
不快な借金。でも返済の先延ばしをやめやろうと努力し始めていた僕。
それはまさしく不快なことからやる、ということで、彼が言っていることの意味がとてもよくわかりました。
そして、とにかく不快でしょうがなかった借金から手をつけようとルールを決め、毎日あさイチで借金返済のための仕事にてをつけるようにしました。
とにかく毎日、ちょっとでもいいから、その「不快な仕事」から手をつけるようにしました。
全部やろうと思うと圧倒されるのですが、
小さく分けてやってみたところ、本当にうまくいきました。
借金全体を考えていたときは、
「向き合いたくない」
「今の僕には返済できない」
としか思えなかったのに、
具体的な小さな目標額に変えると
「できる、目指そう」
と思えたのでした。
圧倒されると人は手を付けなくなるようです。
そして時期が来たらやろう、と先延ばしし始めます。
僕はとにかく、あさイチに不快なことから。それを繰り返しました。
ブログも書いていますが、ブログも正直書くのには時間がかかりますし、内容を考えるのが面倒くさい時があります。
でもそう思った時には、
「不快だな、よし、やろう」
とその不快なブログからあさイチにやるようにしました。
新規事業を考える時もうまく考えが整理できなくて、
「今日は考えるのが嫌だな。また明日にしようかな。」
と思ったら、
「不快だからやったほうがいいな」
と思って手をつけるようにしました。
このように、とにかく不快なことからあさイチで手をつけるということを徹底していったところ、
僕の人生がどんどん変わり始めました。
まず一つには臨時収入が入るようになりました。
例えば英語教室のブラッシュアップを考えた時、急にある方から、「娘の受験のために英語を教えてほしい」と依頼されたのでした。
そしてその謝礼もこちらから提示する額よりももっと多い額をお支払いくださり、僕にはとても大きな臨時収入になりました。
それは本当にありがたく、借金返済に回すことができました。
やり始める前はとにかく嫌でいやでしょうがなかった借金返済。
「お金のことを考えて毎日生きるなんてしんどい。」
「ストレスで頭痛になっちゃう。」
と思っていたのに、
いざはじめてみると、頭痛も全くありませんでした。
むしろ逆に、目標がはっきりして、集中力が高まり、朝も早く起きられるようになりました。
「よし、やるぞ!」という気持ちで朝目が覚めるのです。
ちょっとずつ仕事の流れもよくなっていき、返済もできるようになると、
「やった!できた!」
「あんなにできなかったことができるようになった!」
と、成功体験に喜びを感じるようになりました。
そうすると、
「もっとやりたい!もっと高い目標額を達成しよう!」
とどんどん意欲がわくのです。
自然にわくのです。
あんなに嫌だった借金返済、頭痛になるって心配していたのに、
それはただのいいわけだったんですね。
3月初めにスタートした借金返済。気付けば、3月はこれまでの自営業で得た事がない額の収入になりました。最低時期の約3倍。
たった1ヶ月「不快なことからあさイチにやる」ということを徹底しただけで、こんなに即効性があるとは自分でもビックリでした。
しかし、考えてみると納得する部分もありました。
私達にとって大切なことややらなければいけない大きなことって不快です。
ですからそれをできるだけやらないで、先延ばししたい、という気持ちになるのはある意味当然かもしれません。
でもその不快な、大切な、やらなければならないことから手をつけるようになれば、つまりはそれは自然に大切なことに自分を集中させることになり、成果も上がるわけです。
ちなみに、本当に大切なやらなくてはいけないことは目の前から消えないので、ずっと気になり続けるだけです。
1年経っても、2年経っても、やらない限り気になり続け、自分を悩ませるだけ。
大切ではないものは目の前から消えてくれますが、大切なものは絶対に消えません。
僕の借金が正にそうでした。大切だから、絶対に消えてくれなかったです!(当たり前と言えば当たり前なのですが。汗)
だから、その大切なことをどれだけ早く手をつけられるか、それから始められるかがキーなのです。
それに気づきました。
本当にちょっとしたトリックで、
不快→だからやらない
を、
不快→だからやる
に変える。
ただこれだけ。
これにすれば、どんどん不快な、すなわち大切で重要なことに手をつけるようになるため、成果がどんどん上がるわけです。
特にこの不快なことから手をつけるということで、僕の印象に残っている大きなことは、
8月に企画した地元岡山県津山市でのLGBTs講座です。
今僕は杉並区で すぎせく 杉並性的マイノリティ共生の会というボランティア団体の共同代表をし、杉並からLGBT(性的マイノリティ)のことを伝える活動をしています。
東京や札幌でも講座をしたことがあります。
しかし、地元岡山県津山市ではやったことがありませんでした。
いつも口では、
「都会よりも田舎のほうが悩んでいる性的マイノリティは多い。田舎の人に正しい知識を知ってもらうことこそ一番大切。」
と言いながら、田舎での活動にはずっと躊躇していた僕でした。
特に親との関係や親戚との関係を考えた時、心配なことしか思い浮かばなかったからです。
「僕が田舎で講座してしまったら、周りのご近所の人に知られて、親に情報が入って、きっと親は怒るだろうな。反対するだろうな。」
「親戚の人はびっくりして、内の実家に電話をかけてきて、親は困るだろうな。」
そんな考えしか出てこず、自分は一番大切だと言っていた田舎での活動には全く踏み出せないのでした。
しかし、ある友人が地方の田舎で性的マイノリティのグループを作ってがんばっている姿を見て、僕もやっぱりやろうと少し気持ちがわいて来ました。
「田舎で講座をやるのはとっても不快。でもそれってつまりはやったほうがいいっていうことじゃない?大切なことだから余計に不快なんじゃない?」
そう気付けました。
もちろん、恐怖もその分出てきたのですが、
「でも自分らしくを大切に生きることを伝えるのが僕の役目。」
「僕が小学校の時に悩んでいたように、「変」って言われて悩んでいる人は絶対いる。その人に大丈夫って伝えたい。」
その気持ちに立ち返った時、やっぱりやろう!って思えたのです。
そして早速動き出したところ、
同級生たちや恩師がどんどん賛同してくれて、賛同者が21人も集り、
津山市の男女共同参画センターの方にご連絡をするととても支持してくださり、庁内の関係職員にも呼びかけて下さったりと、
一気に実現の道に進んだのでした。
特に僕がゲイだと知っている小学校時代の恩師の島田先生は、
「勇気ある活動、本当に応援します。」
とおっしゃって下さり、当日もぜひ参加しますといってくださっています。
同級生達も都合をつけて参加したいと言ってくれています。
今まだ参加者を呼びかけていますが、この講演は本当に大切な講演になると確信しています。
田舎で1人悩む人は絶対にいると思っています。
まだまだ、田舎には「男女が結婚して、子どもを産むのが人生の幸せ。」というこれまでの価値観が強く残っていて、それにはあわない性的マイノリティの人はとても肩身が狭いでしょうし、自分を肯定できないままいると思います。
そんな人に「自分らしく」「自分を大切に」ということを伝えたいし、大丈夫!って言うことを僕の経験を通じて伝えたいと思っています。
また、性的マイノリティ当事者ではない人たちに、性的マイノリティってどんな存在なのか、どんな思いを持って生きているか、その正しい知識を伝えたい、そんな気持ちでいっぱいです。
こういった本当に大切な仕事に手をつけ始められたのも、先延ばし克服のおかげ。
さらに、このように自分の先延ばしの失敗から学んだ経験と、先延ばし克服のやり方を伝える講座も開催できるようになり、冒頭のように、実際にガラクタ整理をずっと先延ばししていた人が整理できるようになっています。
400万円弱もの借金を放置し続けたというのは明確な失敗ですし、二度とやってはいけないことだと思っています。
でもその大きな失敗があったから学べたこともありました。そしてそれで新たに人に教えることができるようになりました。
失敗はこうして成長させてくれて、自分が一回り大きく慣れたような気持ちです。
収入は3月4月と伸び、予定額以上に返済が出来ました。とにかく一日でも早く返済を完了するように、毎日不快なことから、つまり大切なことから手をつけるということを続けています。
そして、こんなビックリな幸運もありました。
5月はゴールデンウイークや怪我をした友達の旅行の付き添いなどで、仕事時間がへってしまって、月末になっても4月ほどの収入にはならず悩んでいました。
そうはいっても、これまでの収入水準から見れば十分に高い収入だったのですが。
悩んでいたところ、あるクライアントさんからガラクタ整理アドバイスのセッションの依頼がありました。
そのセッションでミラクルが。
その方はメールで、僕の本を読んで家の片づけが進み本当に助かった。またブログで借金の先延ばしをやめて返済しているということをみて、少しでも返済に充てていただければと思い多めに振り込みました、とおっしゃっていました。
それで金額を見てみると、なんと、
15万円!
もともとのセッション費は5000円ですから、その30倍の額。
普通であれば30回セッションをしなければ手に入らない額を僕はその方との1回のセッションで手に入ったのです。
当初のセッションは60分だったのですが、その方は40分でよいですとおっしゃって下さり、
結局僕は40分で15万円をいただいたのでした。
これまでガラクタ整理師として5年以上仕事をしていましたが、こんなことは一度もありませんでした。
まさか40分で15万円もいただけるなんて。
それによって、5月も収入は大幅に伸びました。
これも、先延ばしを克服したからだと思います。そのガラクタ整理スカイプセッションも、先延ばしを克服して、新たな新規事業を考え始めたところ生まれた新規事業です。
本当にシンプルなのですが、すべては「不快なことから手をつける」ということを徹底しているから。
以前は、「いつか収入が増えて、借金が返せれるようになるんじゃないか」とただ期待して、何もしなかった僕。
「神様が助けてくれるんじゃないか」って思っていても、何もしない僕には神様は助けてくれませんでした。
しかし、この3月から、失敗を反省し、不快なことから手をつける、を徹底し、日々嫌なことでもとにかく手をつけてやるという努力を続けたところ、こんないろんないいことが続いています。
収入も大幅アップ。
「天は自ら助くものを助く」
とは正にこのことのように思います。
ただよくなればいいな、と言い訳して先延ばししていた時には何もミラクルは起きませんでした。
でも、「不快なことからやる」と決めて、努力し始めると、いろんなミラクルがおき始めます。
幸せがどんどん大きくなっています。
先延ばしをして、400万円も借金を抱えてしまったことは本当に失敗でした。
でもそれから本当に学べたことがありました。
失敗を克服したから教えられることがたくさん出てきました。自分が一回り大きくなりました。新規の事業も始められました。そして、ミラクルも起きるようになりました!
すべては、
「不快なことからやる」
に尽きます。
不快なことからやることを続ければ、人生は必ず好転すると、僕は自信を持って言えます。
ps 先日、東京の上野動物園にたまたま遊びに行ったら、大好きなアーティストとばったり遭遇しました。トラを見ていたら隣に立っていたのがそのアーティスト。その隣には最近ご結婚されたばかりの女優の奥様も!ビックリラッキー。
コンサートに何度も行った大好きな方にその気持ちも伝えられたし、写真をお願いしたところ、女優の奥様が、わざわざ「写真を私が撮ります」と写真を撮ってくださいました。女優さんなのに、なんてフランクで、自分で写真を撮るって言ってくださるなんて、と感動。素敵なカップル!と本当にうれしくなった出来事でした。
こうした幸せな出来事が続くのも、先延ばし克服のおかげだと思っています。