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16/5/30

海外で年下サーファーに恋したアラサー女子 5話

Image by Olia Gozha

 

そんな状態のまま、2ヶ月近く続いた。

 

その週末は、楽しくなる予定だった。

ビーチ前のミュージックフェスティバルに行って、翌日も友人とディナーをしていつものバーに行く所だった。

 

友人と私は繁華街を2人で歩いていた。

直ぐに正面の視界に入ってきたのは黒い子だった。

 

黒い子とベースボールキャップを被った女の子。白人の。

20代前半ぐらいの子。

二人は私達の方へまっすぐ歩いてきた。

私の心臓は味わった事ない緊張したスピードだった。

その二人は私にも目を合わせず、真横を通りすぎた。

黒い子の目は一度も私に向く事はなかった。

 

いつものバーではニックにあった、しばらくぶりの様な感じだったし中途半端な関係だけど

なぜか、一緒のテーブルで彼の友人も囲んでた。

 

ニックとは特に話す事もないぐらい、冷めてた。

そんな事より私の頭の中は黒い子で一杯だった。

 

だから、メールした。

―可愛い子だったね、二人ともお似合いだよ!って。元気でやってね。

 

強がりだったかも。

 

その後、ニックとはしばらくいたけど夜も遅くなって私は先に帰った。

ニックはそんなのも気にせづに残ってた。

 

気づいたら、なんか悔しさと悲しさで一杯の気持ちでタクシーに乗り込んだ。

涙で視界が溢れていた。

深夜にも関わらず私は黒い子に電話していた。

もちろん彼は電話には出なかった。

 

部屋のベッドに仰向けで私は子供みたいに泣きじゃくっていた。

翌朝、起きてまた彼に電話をした。何度も。

彼からメッセージがきた。

‐愛がそんなにいつでも溢れているって間違えだよ。

 

つまりそんな調子よくしないで。って事だった。

私は絶望的な気分になった。

ついに彼は私の電話に出てくれた。

 

今から来るって。こんな朝早くなのに。

彼は私の部屋に来て、直ぐに抱いてくれた。

 

久しぶりの彼の感触。

彼は本当に寂しかったよ。って何度も言ってくれた。

私は心から謝り表した。

 

彼は一緒にいた女の子はただの友達。その辺で出会ったって。

ちょっと話してホテルまで送っただけだ。

彼は私が通り過ぎた事に気づかなかったんだ、私の隣にいた彼も見たことある同僚には何故か気づいたって言われた。

 

彼の視界にはまた私は透明に見えたみたい。

一緒にいた女の子の事はただ彼を信じてた。心の中ではとても引っかかっていたけど。

 

だって、彼はもう私に

‐I LOVE YOU って言わなくなってた。

 

私達はその日から神様のイタズラみたいに、今までと間逆の様な立場になってしまった。

自分が愚か者でしょうがなく感じた。

彼は電話もメールも全く返信が遅くなった。

まるで他の誰かに夢中な様に感じた。

彼は3Gが今はないから返信できないとか、明らかにどこか遠くに居るように思えた。

 

たまに電話にでれば、今は忙しい。

いつになったら?と聞いてもあやふやな答えが返ってくる。

2週間近くそんな状態が続いた。私は毎日、泣きじゃくっていた。

 

ようやく、彼が会ってくれる日がきた。

その日はまた、彼の気まぐれな時間の流れに合わせる為に友達カップルとバーで時間を潰していた。

 

彼はバーの下まで向かえに来てくれた。会った途端、不機嫌だった。

ビーチにはいつもの場所を避ける様にしてバイクを止めて砂浜へ向かった。

 

ビーチのベンチに座ると共に彼はフテクされた表情で、私を見てきた。

どうやら仕事中に男友達と移した写真がフェイスブックにアップされたのを、思いっきり勘違いして私が他にどうせ男がいるんだろ。と文句を言出した。

 

私は彼の態度に腹がたって、付き合っている時と同じようにその場を経ち去った。

あいにく、1分歩いて私は泣きまくっていた。彼とヨリを戻したいのに何しているんだろ。

 

直ぐに馬鹿みたいに彼に電話した。彼は数分後着てくれた。

泣きじゃくる私を見て彼はどうしようもできない表情をしてきた。

なんで、連絡をそんなにしてくれなかったのか頭から全部聞きたいと思ってたけどできなかった。私が出来ることは彼に謝る事だった。

私の過ちは、彼自身にあるって。そんな事言ってしまったから、彼も言い返してきた。

結局彼は、私が彼を傷つけてしまい彼は心底辛かったって。

 

私は泣きまくってたけど、本当に自分の気持ちを伝えたくて彼の瞳を見つめて、

‐私の人生に一緒に居て欲しい。

言ってしまった。彼も私の瞳を見つめて私の手を強く握り閉めて自分の胸にあてた。

 

そして、ハグをしてくれた。

‐僕の心の気持ち伝わる?

その意味は・・・・。

彼の中での私の存在大きさかだったのかは良くわからない。

 

私達は部屋に戻ったけど、黒い子の情で今一緒にいるだけだと思うと悲しみの絶頂にいる気分で涙が絶えなかった。

黒い子はそんな私が見るのが辛くって怒ってきた。

私は冷静を保とうとしてた。

一日が暮れまた翌日が来る。

私達の関係は変わらなかった。彼と戻ったけど彼の気持ちは取り戻せない自分がいた。

 

彼は以前の様な笑顔や甘い言葉なんて無縁の様になった。

ヨリを戻した記念じゃないけど新しくスタートしたかったから、私はデイトリップや、週末だけのプチトリップを計画したかったけど、彼の反応はいつも無関心だった。

 

とても寂しかった。

彼は直ぐに私にモノをセガってきた。

一緒にマーケットに言って、安物のショーツを何着かプレゼントしてあげた。

私の気持ちはとってもギュルティーだった。自分が正しい事をしてるかどうか良くわからなかった。けど常識からズレテルとはわかっていた。

 

その癖彼は、自分で新しいモノを買ったりして私の気持ちを痛めつけてきた。

ある日、家の前で私を待つ彼に会えば彼がイヤホンで誰かと通話中だった様に思えた。何ごとも無かった様に彼は私の部屋に来た。

 

彼は、僕フィンランドに行こうと思うんだ。

私はどうして?

‐国の福利厚生のシステムが充実しているんだ。

誰かに吹き込まれたような事を言ってきた。

‐私はどうなるの?

わかりやすい表情をされた。

彼は私に興味あるのか・・・・。

 

その夜彼の携帯の画面がたまたま、目に入ってきた。

見慣れない名前の人からのメッセージだ。

 

後日、私は彼のフェイスブックを見た。新しい友達が出来てた。

それは見覚えがある顔の白人の女の子。アリヤ/フィンランド出身だ。

 

あの私が目撃した女の子だった。

私は、どうせ私の悪口でも言ってるのかな?ってただ彼の言った友達って言葉を信じてた。

 

あれから、彼と会う時は以前の用に出かける事はなくなって私の部屋に来るだけだった。

ずっとずっと、お互いの壁は壁のままだった。

 

また、テーブルに置きっぱなしの携帯の画面にはアリヤからの新着メッセージ。

私の予感は悪い方へどんどん感じて行った・・・。

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Image by Jukka Aalho

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