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16/5/22

ネットビジネスに片足突っ込んで貴重な新卒カードを無駄にした話 2

Image by Olia Gozha

周りの社長はみんなやってるよ

そんな詐欺師の言葉を真に受けて20万を払ってある仮想通貨に投資していた。

この男は投資で莫大に金を稼ぎ、既に働かなくてもいいぐらいの資産を持っている男だった。

投資で稼いだが、周りに人はおらず寂しかったのでビジネスを始めた、という。

そのビジネスも成功し(自称)トントン拍子でタワマンを2棟買っただか借りただかを聞いた。

今となってはわからないが、一度だけ豊洲のタワマンのエントランスまで案内してもらったことはある。

その男の話はさておき、10年後にはその20万が100倍になると言われていたのをすっかり信じきっていた。その20万を払った帰り道その男にこう言われたのだ。

「俺と一緒にビジネスをやらないか?」

何故何も持たない自分がそのような言葉を貰えるのかわからなかったが、当時自分は

選ばれているのだと思っていた。

二つ返事でOKし、自由な時間をすべて捧げてほしいから、会社もすぐやめてこい、明日上司に伝えてこい、チャンスの神様は前髪しか無い、と煽られた挙句、自分はそのとおりに実行した。

あれだけ就活で苦労して勝ち取った企業をあっさりと捨てた。

人間関係には全く困っていなかった。同期にも恵まれ、仕事もこれからというところで本当に大きな選択ミスをしたと今でも思っている。上司からは何度も理由を聞かれた。

「今のお前ではどこにいっても通用しない」「もう少し腰を据えてからでも遅くはない」

「異動するという手もある」「何故一言も相談なく辞めるんだ」

全て聞かなかった。

もう自分は、ビジネスを始めるんだ、起業家になるんだ、と疑いもなく信じきっていた。

お前らのような雇われの会社員とは違うんだ。何を言われても聞かなかった。

親にも事後報告をした。

父親はショックで寝込んでしまい、会社に行けなかった。

母親は泣きすぎて、目がひどく腫れていた。

反抗期もなく、良い子に育ててきたはずの我が子がどうして。。

自分の家の子は道を踏み外すことはない、良い大学を出て、良い会社に入って定年まで勤めあげる、そう思っていたのに。などと思っていたのだろう。

あとはいつ結婚するかだなー、なんて呑気に考えていたのかもしれない。

そんな矢先の出来事だった。


まぁ自分がどのように育てられたか、そこからの反省点、今後自分ならこうする、といったようなことも要望があれば書いていきたい。


閑話休題。

後日。


会社をやめ、ビジネスをやろうと電話したところ、その男は一言。

「やっぱやめよう」


は?


意味がわからなかった。


もう何を言われたかも覚えていないが、ただ呆然としていたのは覚えている。

理由を聞く気にもならなかった。自分はとんでもないミスをしてしまったのではないかと思ったのは今でも覚えている。

理由を問いたださない自分も悪いとは思うが、ビジネスを始めることもなく、ただ無駄に1社目のホワイト企業を辞め、履歴書を汚すということをしてしまっただけ、というのが自分のネットビジネスの歴史だ。


そこから色々もがき続け、成果も出ず、今に至るのだが、それはまた別の話。

ちなみに同時期に呆れ返った彼女にも振られますw

そしてそして、その男から買った仮想通貨は2年経った今、20万→6万になっていますw


新卒の社会人はもう入社して1ヶ月も経ち、大分会社には慣れてきた頃だと思うが、そういった慣れた頃に詐欺師たちはあの手この手で近寄ってきます。

そんな詐欺師達に魅了されるともう周りが何をいっても聞かない状態になり、自分で気付くまでは搾り取られる状態が無限ループします。対処法というと、自分の周りに相談できる人を何人も置く、とかそういったことしかできないような気がします。

特に田舎から出てきた人たちなんかは、慣れない東京で周りに相談できる人も居ないので、そういった人が狙われやすいかもしれません。

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