top of page

16/2/27

アラフィフからのリターンマッチ

Image by Olia Gozha


「全ては自己責任。」

きっかけは、23年前に遡る。

当時勤めていた銀行の同僚に結婚を迫られ、勢いで承諾したが、相手が私の家に挨拶に来た途端に「さめた」との一言。

彼が好きだったわけでもなく、ただ女のプライドを傷つけられたとの恥から、職場にも行きたくなくなり、転職した。

念願の音楽業界での仕事は楽しかった。同僚も皆お気楽、自由人で、結婚なんて運が向いたときにすればいいさ、という雰囲気。

しかし、一旦家に帰れば、地方出身の父親が、一つ上の姉と私に早く嫁に行け、みっともないと殴る蹴るの暴力を振るう。二人で家を出ることも話し合ったが、システムエンジニアで激務の姉には引っ越しを考える体力も気力もなく、ただ暴力に耐えるしかなかった。


「一人でも結婚して家を出れば、暴力もおさまるよね?」

そう思った私は、大学のOB会で出会った2つ上の前夫から好かれ、「好きになってもらえば女は幸せな結婚ができる。」と年配者から言われ、自分でもその言葉を信じ込み、交際九ヶ月で、26歳で結婚した。


両親は大喜びだった。招待客80人のうち、教員をしていた前夫は見せびらかしたかったためか、削りに削って50人強を呼ぶことにしたが、私の両親は気前よく費用を折半にした。

ウェディングドレスを選ぶことなど、私にとってはどうでもいいことで、母の好きなデザインにしてもらった。お色直しの色ドレスも、できるだけ安いものでいい、どうせこんな男の横に立つのだから。

結婚式の最中、皆、特に夫の同僚や先輩はとても嬉しそうにしている。

「どうせすぐ離婚するのに…。」宴席をひな壇から見下ろし、私はそうつぶやいていた。

←前の物語

PODCAST

​あなたも物語を
話してみませんか?

Image by Jukka Aalho

フリークアウトのミッション「人に人らしい仕事を」

情報革命の「仕事の収奪」という側面が、ここ最近、大きく取り上げられています。実際、テクノロジーによる「仕事」の自動化は、工場だけでなく、一般...

大嫌いで顔も見たくなかった父にどうしても今伝えたいこと。

今日は父の日です。この、STORYS.JPさんの場をお借りして、私から父にプレゼントをしたいと思います。その前に、少し私たち家族をご紹介させ...

受験に失敗した引きこもりが、ケンブリッジ大学合格に至った話 パート1

僕は、ケンブリッジ大学トリニティ・カレッジ、政治社会科学部(Social and Political Sciences) 出身です。18歳で...

あいりん地区で元ヤクザ幹部に教わった、「○○がない仕事だけはしたらあかん」という話。

「どんな仕事を選んでもええ。ただ、○○がない仕事だけはしたらあかんで!」こんにちは!個人でWEBサイトをつくりながら世界を旅している、阪口と...

あのとき、伝えられなかったけど。

受託Web制作会社でWebディレクターとして毎日働いている僕ですが、ほんの一瞬、数年前に1~2年ほど、学校の先生をやっていたことがある。自分...

ピクシブでの開発 - 金髪の神エンジニア、kamipoさんに開発の全てを教わった話

爆速で成長していた、ベンチャー企業ピクシブ面接の時の話はこちら=>ピクシブに入るときの話そんな訳で、ピクシブでアルバイトとして働くこと...

bottom of page