これには参った!
たいがいのことでは、そう簡単に音を上げるわたしではありません。が、クラス編成前のテスト成績が運悪く良かったのか(^^;)、ReadingComprehension(読解力)はとてつもなく難しいクラスに入れられた・・・これは、文法が得意な日本人によくありがちなことのようです。
クラスでは長文を読んで先生の質問に答えていくのだが、語彙力不足でチンプンカンプン、トホホでありました。日本人はわたしがただ一人のクラスです。ま、負けてなるものか、と気負うものの、ない知恵はしぼれぬ。周囲の様子をそぉっと目で探って見ると、みな平然とした顔であります。
前もって予習できるテキストをにはなんとか対処できる。しかし、突発的にクラスで配られるそのReadingテキスト、クラスでパァ~ッと読んですぐ答えろなんて、あぁた、きついよ、そりゃ。この手の授業形態はまさに実力を試すもの。もう泣きたい思いです。
前もって予習できるテキストも10ページやそこらではありまへん。当然ですが、ぎっしり言葉がつまったページが30、40ページとあり、未知の単語を一語一語拾い上げて、辞書と首っぴきでしても、他の科目の宿題もあり、一晩かかってもしきれない。10日ほどクラスについて行こうとねばってみたけど、ダメダこりゃ。歯がたたないや。思い余って授業終了後のある日、クラス担当のMrs.Chisholmに掛け合いに行きました。
「レベル、間違ってますよ。とてもこのクラスでみんなとやっていく能力ありません。」
と、音を上げるわたしを先生はじっと見つめてきます。少し間を置いて返ってきた彼女の返答は、
「後2週間がんばってひっついて来なさい。」
あと2週間も、このクラスで悶々としてダンマリなんて、止めてくれ。こんな心の叫びも素知らぬ顔のMrs.Chisholm、そう言い残してサッサと行ってしまわれた。更に10日ほどたった金曜日、「月曜日はテストをします。この本を読んでらっしゃい。」と仰せられる。よ、読んでらっしゃいって、あぁた、一冊の分厚い本じゃないですか・・・
手渡されたのは、スタインベックの「Travel with Charlie」でありました。1960年代の「アメリカを探して」と副題がつく、スタインベックのロードトリップもので、愛犬のプードル、チャーリーとともに、ドン・キホーテの馬に因んで「ロシナンテ」と著者が名づけたキャンピングカーで、ニューヨークから西海岸カリフォルニア、スタインベックの故郷であるサリナスに辿りつき、再び大陸を横切ってニューヨークへ帰る1万マイル(16000キロ)の旅を綴ったものです。
クラスで既に音を上げたわたしである。いかにして週末明けのテストに臨むか、おそろしや・・・。