top of page

16/1/21

あの頃、ビアハウス:Stein Songとムカデ行進

Image by Olia Gozha

Stein song、乾の歌である。


        

  ♪さかずきを持て さぁ 卓をたたけ                             
   立ち上がれ 飲めや 歌えやもろびと
   祝いの杯 さぁ なつかしい
   むかしのなじみ 心のさかずきを
   
   飲めや歌え 若き春の日のために
   飲めや歌え みそなわす神のために
   飲めや歌え 我が命のために
   飲めや歌え 愛のために! ヘイ!

誠に楽しきビール飲み、酒飲みの歌である。この歌こそは、往年のアサヒビアハウス梅田をそのまま表す歌とも言えよう。飲むごとに人は楽しみ、飲むごとに歌を楽しみ、隣席の人の肩たたき合い、テーブルをたたいて興、盛り上がる。なかにはテーブルの上に乗ってうかれてしまう者もいるが、無礼講でお構いなし。

この「Stein Song」は、盛り上がるとムカデ行進へと続く。ステージのヨシさんのアコーディオン、宝木嬢の愉快なビアソングにあわせて、先頭に立つのはわたし、もしくは朝○放送のコジマ氏である。

タンバリンか角笛を吹きながら、座って飲んでいる客たちを手招きしたり、肩叩きしたりして、この列に誘い込むのは先頭の役目だ。最高潮時には全員がムカデ行進に加わり店内の席を取り囲むようにして長蛇の列の輪ができる。気がつくと誰一人として席に座っている客がいなくなるほどだった。

   

写真は、歌姫バイト・オフの日にビアハウスに遊びに行ったときのムカデ行進。
後ろが同僚の我が親友。その後には当時のAB社のおエラいさん、故高松氏、そして常連の杉やんと続く。ムカデ行進の音楽は「ビア樽ポルカ(ロザムンデ・ポルカとも言う)」を中心に数曲続く。

この最高潮の夜にわたしは初めてオフィスの同僚たちとここに入ったのであった。見知らぬ客同士がビールと音楽を通じてひとつになるわずか数分の一体感であるが、これは本当に楽しかった。

このような雰囲気には、そうそう度々なるものではない。そして、このムカデ行進の時に、たまたまこのビアハウスに足を踏み入れていたとすると、その人はこの愉快な雰囲気に当てられ、アサヒの常連になること、請け合いである。この熱にやられてしまうのだ。

上述の朝○放送のコジマ氏は、取引先が職場へ電話すると、
 「コジマさんはここにおりまへん。何頃やったらおるか?わかりまへん。けど、どうしても連絡つけたかったら、夕方、梅新のアサヒビアハウスへ行っておくんなはれ。あそこやったら絶対おりますさかいに。」と、言われるくらいの毎日常連の一人である。

もちろん持ち歌はある。カンツォーネ「オ・ソレ・ミオ」だ。歌うときは必ずビアジョッキを手にする。これでもかと思われるくらいに口を大きく開けて歌うので、歌姫宝木嬢は「扁桃腺が見えるくらい!」と、よく言っていた。
       
 ビアハウスには欠かせない、個性強い一人であった。

PODCAST

​あなたも物語を
話してみませんか?

Image by Jukka Aalho

高校進学を言葉がさっぱりわからない国でしてみたら思ってたよりも遥かに波乱万丈な3年間になった話【その0:プロローグ】

2009年末、当時中学3年生。受験シーズンも真っ只中に差し掛かったというとき、私は父の母国であるスペインに旅立つことを決意しました。理由は語...

paperboy&co.創業記 VOL.1: ペパボ創業からバイアウトまで

12年前、22歳の時に福岡の片田舎で、ペパボことpaperboy&co.を立ち上げた。その時は別に会社を大きくしたいとか全く考えてな...

社長が逮捕されて上場廃止になっても会社はつぶれず、意志は継続するという話(1)

※諸説、色々あると思いますが、1平社員の目から見たお話として御覧ください。(2014/8/20 宝島社より書籍化されました!ありがとうござい...

【バカヤン】もし元とび職の不良が世界の名門大学に入学したら・・・こうなった。カルフォルニア大学バークレー校、通称UCバークレーでの「ぼくのやったこと」

初めて警察に捕まったのは13歳の時だった。神奈川県川崎市の宮前警察署に連行され、やたら長い調書をとった。「朝起きたところから捕まるまでの過程...

ハイスクール・ドロップアウト・トラベリング 高校さぼって旅にでた。

旅、前日なんでもない日常のなんでもないある日。寝る前、明日の朝に旅立つことを決めた。高校2年生の梅雨の季節。明日、突然いなくなる。親も先生も...

急に旦那が死ぬことになった!その時の私の心情と行動のまとめ1(発生事実・前編)

暗い話ですいません。最初に謝っておきます。暗い話です。嫌な話です。ですが死は誰にでも訪れ、それはどのタイミングでやってくるのかわかりません。...

bottom of page