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16/1/16

家で仕事の愚痴を言わなくなったM君の話

Image by Olia Gozha

今から、12年ほど前の話である。


大手電機メーカー系列の子会社から弊社に転職した営業マンM君がいた。


M君は、大学までサッカー部に所属し、当時は韓国のプロサッカーリーグであるKリーグから誘いがあったというくらいだから、セミプロレベルの選手だったらしい。


けれども、日本のプロレベルに行けないのであればという理由で、サッカーは学生時代で引退し、大学の体育会系列による人脈で大手電機メーカーのグループ会社へ就職をした。



就職後は、実家から通勤しサラリーマン生活をそれなりに満喫していたというが、これまでの体育会系特有の厳しさとは異なる「ぬるい世界」に困惑していたようだ。



もちろん、社会人としての仕事を身に付ける厳しさはあったと思うが、大企業病といわれる意識が蔓延した組織だったようで、緊張感、競争意識という意味では物足りなかったのかもしれない。



そんな日々を繰り返していると、もっとレベルの高い組織で働きたい、上司は仕事ができない、ぬるい環境だと成長できない、といった仕事環境への不満がうっ積していたという。



M君は帰宅後、家族に愚痴をこぼすことが日常茶飯事になっていたようだ。



ある日のこと、年配の上司たちと話をしていた際、「お前も5年くらい下っ端で頑張っていれば、結婚して、一戸建てを買える年収になるから、心配はいらない、安定した会社だ。」そんな声をかけられたという。



しかし、その時に、彼が感じたのは大いなる危機感であったという。



「生ぬるい環境に居続けると、腐りきってしまう。」



M君の腹は決まり、転職することを決意したのが就職から3年目のことだった。


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