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16/1/10

17年の孤独

Image by Olia Gozha

赤信号 みんなで渡れば 怖くない

これを実践する生物がいる。

アメリカだけに生息するセミの一種は、正確に17年毎に大量発生し、その周期から「17年ゼミ」と呼ばれる。

その数は数十億匹にも及ぶとか。

「天敵に多少やられても大丈夫。いっぱいいるから。」

リスクを数で希釈するため、「希釈効果」というそうだ。

「17年毎」にも意味がある。

17年蝉が他の周期を持つ蝉と交配した場合、13年や15年などの周期を持つ個体が産まれる可能性があり、一度に発生する個体数が減ることから、「希釈効果」が弱くなる。

また仮に「2年」と「3年」の周期を持つ蝉がいたとすると、同時に発生する年は最小公倍数の6年毎となり、6年毎に種が混血して周期が乱れるリスクがある。

同時発生の時期ができるだけ重複しないよう、周期は「大きな素数」であることが望ましい。

現に、17年蝉の他には「13年蝉」がおり、これらが同時に大量発生するのは221年に一度である。

牙や爪、毒など、外敵に対する手段を持たないセミが、種の保存の為獲得した戦略が「希釈効果」なのである。

ここで、自分の横並びのコミュニティの規模を考えてみる。

幼稚園で数十人 小中高で数百人前半〜後半 大学で数千人前半 大企業に入れば数万人

年齢を経るにつれ、自分の所属するコミュニティが希釈効果の高いものに移り変わっていくと言えないだろうか。

手を挙げて質問する行為、何かに立候補する行為、他人と違うことにチャレンジする行為。

それらに伴う責任とリスクはどんどん希釈されていくが、それに甘えると牙や爪、毒のないセミから脱皮できない。

ってわかっちゃいるけどねえ。。

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