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16/1/3

新卒で証券会社に入社して1年間で100件以上の新規開拓を達成し、3億円の資金を導入した話(6)

Image by Olia Gozha

税理士先生へのアプローチ。いったい何すれば?


群馬県の税理士先生へのアプローチをしていくには、まず何をしたらいいんだ?

まず、目的をきちんと整理しよう。

要は、税理士先生とWIN-WINの関係になれば良いのだ。
税理士先生が「こいつと仲良くなれば自分にとってもメリットがある」と思われるようになれば良いのである。

では、どうすれば僕にメリットを感じてくれるのか?

物でも渡すか?
おすすめの株でも教えるか?
紹介が成立したらお金を渡すか?
それとも女性の紹介?

全部だめ。
まず僕にそんな能力なんてない。笑
そう、何の能力もないから困っているのである。

かといって、何のメリットもない状態のまま「僕と仲良くしてください!」と初対面の人に言う勇気すら、僕には無いのだ。

いったいどうすれば。。。

頭の中で税理士へのアプローチ方法が定まらない状態で、数日間もやもやしたまま過ごしていた。

ある日、いつも通り、営業活動が終わり帰宅の準備をしていた時、課長から呼び出しがかかった。
僕の所属する営業課の課長である。
いつも、ねちっこく僕を否定してくる上司である。


あまり機嫌の良い表情ではない。
最悪だ。
怒られそうだ。


課長「お前もう帰んのか?」

「はい。日報も書き終わったところで、本日は失礼させて頂こうかと思いました。」

課長「今日の数字は?報告されてねーぞ?」

「申し訳ございません。本日も新規0件です。」

課長「0件ですじゃねーよ?今月は0件契約で終わりかな?よくそんな数字で帰ろうとするねー。」

「・・・」

課長「やる気がねーんだろ?」

「そんなことは決してございません。このままの結果ではまずいと思い、私なりに様々なアプローチ方法を現在考えております。今は、来期に圧倒的な結果を出すために、この群馬県での富裕層との人脈作りに力を入れようとしています。」

課長「具体的には何をするんだ?」

「はい。今後は、富裕層の信頼における税理士にアプローチをしていき、税理士から私に対して紹介を促していただけるネットワークづくりに力を入れたいと考えています。具体的にどのようにアプローチをしていくかを模索中ではございますが、今後は税理士先生とWIN-WINの関係を築けるようなものにしたいと考えています。」

課長「は?お前、飛び込みや電話を掛けるのが嫌になっただけなんだろ?」

「いえ、とんでもございません。このまま飛び込み営業や電話をかけ続けたところで、東京や大阪の同期には絶対に勝てないと考えて、何か効率的なアプローチをしなくてと考えました。」

課長「つまらん言い訳してんじゃねーよ。飛び込みが嫌になったんだろ?証券会社の新入社員は、会社や家に飛び込みして頭下げまくるってのが決まってんだよ。俺はそうやって部下を育て上げてきたんだよ。つまらんこと言ってんじゃねーぞ。」

「・・・・」

課長「いいか?お前が今月も新規0件なおかげで、俺の立場がなくなるんだぞ?税理士にアプローチとか格好つけてんじゃねーぞ!?お前が、平均くらい数字を上げないと、俺がきちんと新人に対して教育をしてないのか疑われて、部長にごちゃごちゃ言われるんだ。俺の気持ちや立場も考えろや!!!ごちゃごちゃ言ってねーで、明日から飛び込みしてこい。手間をかけさせるな。」

「大変申し訳ございません。」

僕は、泣きそうだった。
課長にとって、僕なんぞただの上司に怒られる材料なのだ。
僕のせいで課長が怒られるのも情けなかったし、課長が僕を面倒事であると考えていることも悲しくなったし、そもそも僕が新規開拓するために色々模索していること自体を否定されて腹がたった。


見返してやる。

僕は誰のためでもない。

自分のために、必ず日本全国の支店で1位の成績を取ってやる。



課長の言っていることはあながち間違っていない。


新入社員で、何も株の知識が無いのだから、とにかくひたすら運頼みで飛び込み営業をして、頭を下げて取引をお願いするのが一番無難だろう。


ずっと、そうやって証券会社の新入社員は育ってきたのだ。


ただ、それでは見返すことができない。
自分が正しいと信じた方法で新規開拓を行いたい。
そして、圧倒的な結果を出して、自分は間違っていなかったと思わせたい。

この日を境に、僕は上司にどんなに怒られたり反対されたとしても、税理士へのアプローチにすべての時間を費やすことを決めたのである。


続く


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