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15/12/17

名古屋大学ラブ・ストーリー(6)炎上

Image by Olia Gozha

「名古屋大学ラブ・ストーリー(6) 炎上」


  貴子は四日市に帰り、健二は桑名に帰って工場勤務が始まった。幸い上司に気に入られて海外勤務が決まりそうだった。健二は、もう二度とあのような修羅場は御免だった。2年が過ぎ、上司の娘さんと交際が始まっていた。

   Keiko got back home in Yokkaichi and Kenji came home in Kuwana andstarted to work in a factory.  His boss liked Kenji and he might have to work in a foreign country.  Kenji didn’t like to be involved in a veritablehell.

  2 years passed.  Kenji and hisboss’ daughter was having a date..

  そんなある日、何気なくテレビを見ていたら四日市で火事があったというニュースが飛び込んできた。興味がなかった。ところが、後で新聞を読んで驚いた。死亡した女性は貴子だった。

   Oneday TV news said that there was a fire in Yokkaichi and they had one femalevictim.  Kenji was not interested in itbut to his surprise, it was Takako that was dead.  He knew it reading a newspaper. 

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 貴子はあれから結婚し、離婚し、1人暮らしをしている時に焼死したらしい。出火場所が貴子の部屋だったそうだから、何かあったのだろう。

 

  It seemed that Takako got married and divorced and lived alone in anapartment house.  Her room was the placewhere the fire started.  Something wrongmust be there.

  貴子の肌はやわらかだった。生きたまま炎に焼かれる苦しみはいかばかりだっただろう。あの白い、やわらかだった腕の感触が今もよみがえることがある。

   Takako’s arm was soft and her skin wassmooth.  How painful it was to be burntwhile still alive.  Kenji still rememberher smile.

健二は、大学時代に一緒にプラスチックの桶を持って貴子と銭湯に行った日のことを想った。貴子はドライ・カレーを作るのが得意で、とても美味しかった。

   Kenji recalled that they went to a public bathhaving plastic pail.  She was good atcooking and dried curry and rice was her favorite.

  もはや、あの日はもどらない。考えてみれば、新しい男ができたからすぐ乗り換える女子より簡単に別れられない女子の方が信用できるのかもしれない。あの日、貴子は元カレと別れようとしていたのかもしれない。

  Good old days passed rapidly and left a bitter memory.  A girl who easily gives a cold shoulder to theformer boyfriend is a little cold.  Atthat time Takako might try to say good-by to her old boyfriend.

 

  今となっては、下らぬ繰言だ。

 Everything is too late.

  でも、四日市高校に合格して南山大学に入学した貴子は、あんな死に方をする女子ではなかったはずだ。健二は、今も「冷たい雨」を聞くと、

「あの日に違った言い方が出来たら・・・」

と、胸がつまる思いがする。

 A girl who could pass the entrance exam toYokkaichi High School must have studied very hard.  A girl who passed the entrance exam to NanzanUniversity must have studied hard. 

 Kenji knew how hard Takako studied becauseshe was in the next class.

 “If I was matured enoughat at that time.”


「冷たい雨」(ハイファイセット)https://youtu.be/__aL07Eomak

 

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