top of page

15/12/6

割れる卵の側に立つ~村上春樹さん

Image by Olia Gozha



村上春樹さんの本は好き。


読んでいないものもあるけれど、昔から読んでいる。


川端康成さんの文章みたいに、香る文章じゃない。


~でも香る文章って強く感じるのは、川端さんの作品の中でも、

 『雪国』だけかなあ。


『雪国』の文章は、超ド級に好き。

日本語的な省略、

少ない語数、簡単な言葉でつむぎだす

夢幻の世界、という感じ。


村上さんの文章はそうじゃなくて

物語のストーリーをひきたてる文章。


そしてそのストーリーは独特。

「日本」ていう枠から離れて、「魂」語っているから、

全世界で人々をひきつけているんだろう。


45言語、50か国に翻訳されているという。


まさに、グローバル。



2009年にエルサレム賞を獲った時の、村上さんの受賞スピーチ。


「もし、ここに硬くて高い壁があり、

そこにぶつかって割れる卵があったら

私はいつも卵の側に立つ」


ノーベル文学賞をとりそこねた時、朝のニュースで斉藤孝さんが言っていたけれど、


「硬くて高い壁」っていうのは

システムのこと。


法律だったり、常識だったり、道徳だったりするもの。

社会の組織側がつくりだすもの。


「卵」っていうのは

「個人」。

「個人の魂」。


スピーチは続く。


「私が小説を書く理由は~

個々の魂の尊厳を引きだし、

光を当てるためです。



物語の目的は、


『システム』が私たちの魂を、その網の目にからめとり、

おとしめるのを防ぐために


『システム』に警鐘を鳴らし、目を光らせることです。


~それこそが、

私たちが日々

大まじめに作り話をでっちあげている理由

なのです」


「個々の魂の尊厳」が目的だから、

全世界の人々に共感を呼ぶっていうことなんだろう。


ファンタジーは作り話なんだけれど

簡単に書けるわけじゃない。


以前村上さんが

登場人物が「壁をつきぬける」ことを書く時には

ほんとに「壁をつきぬける」エネルギーを使う

と書いていた。


そうだろうな、実感する。


自分を生きるためのコラムブログはこちら↓
http://ameblo.jp/bijindo-anti-aging/

←前の物語
つづきの物語→

PODCAST

​あなたも物語を
話してみませんか?

Image by Jukka Aalho

フリークアウトのミッション「人に人らしい仕事を」

情報革命の「仕事の収奪」という側面が、ここ最近、大きく取り上げられています。実際、テクノロジーによる「仕事」の自動化は、工場だけでなく、一般...

大嫌いで顔も見たくなかった父にどうしても今伝えたいこと。

今日は父の日です。この、STORYS.JPさんの場をお借りして、私から父にプレゼントをしたいと思います。その前に、少し私たち家族をご紹介させ...

受験に失敗した引きこもりが、ケンブリッジ大学合格に至った話 パート1

僕は、ケンブリッジ大学トリニティ・カレッジ、政治社会科学部(Social and Political Sciences) 出身です。18歳で...

あいりん地区で元ヤクザ幹部に教わった、「○○がない仕事だけはしたらあかん」という話。

「どんな仕事を選んでもええ。ただ、○○がない仕事だけはしたらあかんで!」こんにちは!個人でWEBサイトをつくりながら世界を旅している、阪口と...

あのとき、伝えられなかったけど。

受託Web制作会社でWebディレクターとして毎日働いている僕ですが、ほんの一瞬、数年前に1~2年ほど、学校の先生をやっていたことがある。自分...

ピクシブでの開発 - 金髪の神エンジニア、kamipoさんに開発の全てを教わった話

爆速で成長していた、ベンチャー企業ピクシブ面接の時の話はこちら=>ピクシブに入るときの話そんな訳で、ピクシブでアルバイトとして働くこと...

bottom of page